2019.05.17

Lightning Syncを利用する前に知っておきたい3つのこと

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Salesforceを利用していると「MicrosoftやGoogleのサービスと連携できないかな?」と思うことありますよね。

Lightning Sync」を使えばそれらのサービスと、Salesforceの「カレンダー」や「取引先責任者(個人取引先)*」が同期できます。

例えば、スマホのカレンダーアプリでSalesforceの予定を確認したり、アドレス帳アプリでSalesforceの取引先責任者に連絡することができますよ。

でも、Lightning Syncを使うにはどんな条件や制限があるかご存知でしょうか?

* 記事内では取引先責任者と記載しますが、個人取引先を利用している場合はそのように読み替えてください。

「Lightning Sync(ライトニングシンク)」とは

Lightning Syncとは、Salesforceと「Microsoft」または 「Google」 のアプリケーションの間でカレンダーや取引先責任者を同期できるようにする仕組みです。Lightning Syncの利用には追加料金は発生しません*。

同期されるものは

- SalesforceのカレンダーとMicrosoftまたは Googleのカレンダー
- Salesforceの取引先責任者(個人取引先)とMicrosoftまたは Googleの連絡先

です。これにより、Salesforceのデータを幅広く活用できるようになります。

* 利用可能なSalesforceのエディションはこちらを参考にしてください。

知っておきたい3つのこと

Lightning Syncを利用するなら知っておきたい3つのことは次の通りです。

1. 同期できるサービスについて知る
2. 同期方法の違いについて知る
3. 同期できる項目について知る

それぞれ見ていきましょう。

1. 同期できるサービスについて知る

まず、利用しているサービスとSalesforceが同期できるのか見ていきましょう。

「Office 365 Business を契約しているのでうちは平気です!」ですって?いえいえ、そんなことありません。Office 365 Business でも利用できないライセンスがあるようです。GoogleとMicrosoftのサービスをまとめてみました。

Google

サービス名 可否
無料のGoogle アカウント -
G Suite Basic (有償版) 
G Suite Business 
G Suite Enterprise 

Microsoft

サービス名 可否
Office 365 Business -
Office 365 Business Premium 
Office 365 Business Essentials 
Exchange Online プラン1
Exchange Online プラン2
Exchange Server 2019
Exchange Server 2016
Exchange Server 2013 Service Pack 1 
Exchange Server 2010 -

注意点

Salesforceと同期できるサービスは1つのみです。そのため、Microsoft、Googleの両方のサービスでLightning Syncを使うことはできません。また、同期するためにはMicrosoftまたはGoogleのサービスとSalesforceのメールアドレスは同一である必要があります。

1.「同期できるサービスについて知る」のまとめ

- G Suiteは無償版以外同期できる。
- Office365はExchange Onlineが契約に含まれていれば同期できる。
- Exchange Serverはバージョン2013以降を利用する必要がある。

2.同期方法の違いについて知る

Lightning Syncの同期方法が複数あることをご存知でしょうか。

同期方法として、双方向同期一方向同期が選べます。一方向同期はさらに、2種類の同期方法があり「Salesforceから同期先」「同期先からSalesforce」があります。

- 「双方向同期」
- 「Salesforceから同期先へ、一方向同期」
- 「同期先からSalesforceへ、一方向同期」

これら3つの方法は、Salesforceの「カレンダー」と「取引先責任者」それぞれで設定することができます。例えば、

- カレンダーは「双方向同期」
- 取引先責任者は「Salesforceから同期先へ、一方向同期」

というように別々の同期方法が選べます。もちろん「取引先責任者だけは同期しない。」という使い方も可能です。では、3つの違いを見ていきましょう。

「双方向同期」

「双方向同期」とは、Salesforceと同期先双方の編集内容を同期することです。

双方向同期を選ぶケースとして、

1.スマホのカレンダーアプリで、Salesforceの予定を作成、編集
2.パソコンで、Salesforceを開いて予定を新規作成、編集

というようにスマホとパソコンの両方で編集する可能性がある場合、良いと思います。

「Salesforceから同期先へ、一方向同期」

この同期方法はSalesforceの編集内容のみ同期先に反映します。同期先のサービスから予定を編集してもSalesforceには反映されません。

この同期方法は、Salesforceの取引先責任者の情報は、同期先のサービスでは閲覧のとしたい。というケースで活用すると良いでしょう。

「同期先からSalesforceへ、一方向同期」

この同期方法は同期先の編集内容のみSalesforceに反映します。予定をSalesforceで編集しても同期先には反映されません。

この同期方法を設定するケースですが、
「顧客情報のマスターデータはOffice365の連絡先で管理しており、Salesforceの取引先責任者の情報は編集させたくない」というような使い方に便利です。

G Suiteのカレンダーでリソースを同期する時の注意点

Salesforceのカレンダーに、リソースとして会議室を登録している会社は多いと思います。 リソースがある予定とG Suiteのカレンダーを「双方向同期」をする場合には、気をつけて頂きたい点があります。

G SuiteではSalesforceのリソースを持つことができないため、G Suiteのカレンダーでリソースが含まれる予定を編集すると、Salesforceに登録されたリソースは消えてしまいます。

G Suiteで「双方向同期」を利用する場合には、1.リソースは利用しない。2.リソースが登録された予定は同期先で編集しない。等の運用ルールが必要ですね。

2.「同期方法の違いについて知る」のまとめ

-「双方向同期」と「一方向同期」2つの同期方法が選べる
- 一方向同期は「Salesforceから同期先」と「同期先からSalesforce」の二つの同期方法がある
- Salesforceのオブジェクトごとに同期方法は選択できる

3. 同期できる項目について知る

では最後に同期する項目についてお伝えします。

Lightning Syncで同期されるのは、Salesforceの一部の標準項目で、カスタム項目は同期されません。同期対象の項目を表にまとめてみました。

カレンダー(行動)

Salesforce 項目 G Suite Exchange*
件名
所要時間
時間
終日行動
非公開
アラーム日付/時間
アラーム設定
場所
説明
定期的な行動 (Salesforce Classic)  - -
繰り返し予定(Lightning Experience) - △**
その他の標準項目 - △***
カスタム項目 - -
* Exchangeと記載していますが、他のMicrosoftのサービスも同期できるものは同じです。
** 一部制限があります。詳しくはこちらを参照。
*** 一部の標準項目は、SalesforceとExchangeの項目を関連づけることで同期できます。

取引先責任者

Salesforce 項目 G Suite Exchange
メール
取引先名
被招集者
Fax
その他の電話
アシスタント
アシスタント電話 -*
国(その他)
国(郵送先)
市区郡(その他)
市区郡(郵送先)
役職
携帯
町名・番地(その他)
町名・番地(郵送先)
自宅電話
誕生日
説明
部署
郵便番号(その他)
郵便番号(郵送先)
都道府県(その他)
都道府県(郵送先)
電話
その他の標準項目 - △**
カスタム項目 - -
* 2019年5月の調査時、同期されていませんでした。
** 一部の標準項目は、SalesforceとExchangeの項目を関連づけることで同期できます。

3.「同期できる項目について知る」のまとめ

- Lightning Syncは一般的に求められる項目の同期ができる
- 同期できない「その他の標準項目」はExchangeであれば同期できるものもある
- カスタム項目は同期できない

最後に

Lightning Syncは、MicrosoftやGoogle のアプリケーションと連携することでSalesforceの活躍する場が増えます。その中で特にニーズとして多いのは

モバイルでSalesforceの予定を簡単に作成したり、確認したい!

ということではないでしょうか。

iPhoneやAndroidのお気に入りのカレンダーアプリと、Lightning Syncで同期すれば、外出先でも簡単に予定の作成ができますよね。

ただ、残念ながら一部の標準項目やカスタム項目の同期はできません。よって、カレンダーのカスタム項目に「商談対応内容」や「契約確度」のような項目があっても、同期先のスマホからは編集できないです。

そういう場合には、mitocoカレンダーを検討するのも手です。

mitocoカレンダーは、モバイルアプリからLightning Syncでは利用できない標準項目や、カスタム項目の編集等、Salesforceがもっと使いやすくなる機能が揃っています。

もちろん、Lightning Syncとmitocoカレンダーを併用して使うこともできますよ。

皆様が、Salesforceをもっと活用することを願っています。

注:記事の内容は、2019年5月時点の調査に基づき作成しています。今後、同期できる内容が変更される可能性があります。可否を判断する場合はご自身で念の為確認してください。
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