2017.12.20

Field Service Lightning でモダンなフィールドサービス!

みなさん、こんにちは!!

テラスカイ ERP 事業部の岩下です。
久しぶりのブログ登場です。

このたびは、私が当社の Field Service Lightning 認定コンサルタント 第1号(故郷のおっかさんが喜んでおります(涙))となったことを記念し、Salesforce の Service Cloud 上で動作する最新のフィールドサービス管理ソリューション、Field Service Lightning を皆様にご紹介したいと思います。

なお、Field Service Lightning は FSL と省略して呼びますので、本記事でも FSL と記載します。項目レベルセキュリティ(Field-Level Security: FLS)と間違えないようにお気を付けください。

写真提供:Service Cloud : カスタマーサービスに成功をもたらすツールキット一式 - セールスフォース・ドットコム

なぜフィールドサービス業務をシステム化する必要があるのか

世の中にフィールドサービスと呼ばれる業務は、どんなものがあるでしょうか。
誰もがイメージしやすい業務といえば、定期的に自動販売機を巡回して商品補充と料金の回収を行う業務や、機械や設備が故障したときにサポートセンターに連絡して修理してもらう業務などがあります。

修理業務を例にしますと、サポートセンターがお客様から問い合わせを受け、訪問修理が必要であれば、技術者をアサインして派遣します。
機械や設備がごく簡単で、訪問先が限られているのであれば良いですが、実際のビジネスシーンでは技術者のアサインには考えなければいけない要素が無数にあります。

・スキル: 対象の機械・設備を修理するにはどんなスキルが必要で、そのスキルを持つ技術者は誰か
・稼働時間: 自社の営業時間、顧客の訪問可能時間
・技術者の派遣拠点: 派遣拠点ごとの担当エリア
・技術者の勤務状況: 技術者を派遣できない曜日や時間
・地理と時間の考慮: 移動距離や移動時間を最小にするにはどうアサインするのが適切か
・顧客と技術者の相性: 顧客から出入り禁止の技術者はいないか。逆に優先的に派遣したい技術者はいるか
・予防保守: 定期的な巡回メンテナンスをあわせてアサイン
・顧客の所有する商品情報: 顧客が保有している自社商品や他社商品や、保証期間などの情報
・緊急対応: まずは一次対応として、一刻も早く近隣の技術者を派遣する必要がある
・チーム派遣: 複数名の技術者から構成されるチーム単位でのアサイン

ざっと考えるだけでもこれだけの要素が挙がります。大変ですね。
そしてこれらの要素は、散在するデータベースや熟練の派遣担当者の頭に保管されているため、大半のフィールドサービスは非常に苦労と手間を要するレガシーな業務として行われています。
さらに技術者を派遣した後にも、様々な悩ましい問題があります。

・在庫: 技術者は修理に必要な部品を持っているか
・修理状況の変更: リアルタイムに変動する状況に合わせて、常に最適なアサインができているか
・サービスレポート: 作業完了後に速やかにお客様に作業報告を提示し、承諾されたことを電子的に残せているか
・リアルタイムな修理状況: 技術者はスケジュール通りに修理業務を行えているか

これら悩みを解決するためには、インテリジェントな技術者アサイン(ディスパッチ)機構と、スマートフォンやタブレットなどモバイルの活用が欠かせません。

そして FSL を利用すれば、一挙に解決することができるのです!!
さらには、Service Cloud によるコールセンターやケース管理から、シームレスに一貫性をもってフィールドサービス業務を行うことができます。

FSL 概要

それでは FSL はどのような製品なのか見てみましょう。
英語ですが、、、だいたい分かりましたね。
もう少し詳しい内容を見てみましょう。

FSL コア

組織で [Field Service Lightning を有効化] の設定を行うと使えるようになります。

スキル情報、サービス拠点、技術者、業務時間、作業種別(テンプレート)、作業指示やサービス予約といった、フィールドサービスを行うための基礎となるオブジェクト群です。

FSL 管理パッケージ

スケジュールの最適化を行う機構です。
一言で表すとすれば、FSL の頭脳です。

ディスパッチャーコンソール

具体的にはディスパッチャーコンソール、作業ルールおよびスケジュールポリシーといった最適なディスパッチを行うためのクライテリア、共有や最適化などの自動化ツール、「予定を予約」や「緊急ウィザード」といったグローバルアクション等から構成されます。

予定を予約

緊急ウィザード

FSL モバイルアプリケーション

技術者が利用する iOS および Android 向けのモバイルアプリケーションです。

モバイルアプリケーション

技術者はアサインされた予定の確認、顧客と関連する情報の参照、サービス部品の在庫管理、ナレッジの参照、顧客からの署名受領とそれを組み込んだ PDF 形式のサービスレポート作成、作業状況の報告、地図アプリケーションと連動したルート案内などを行うことができます。
モバイルアプリケーションからは位置情報が指定の頻度で送信されるため、ディスパッチャーコンソールにはリアルタイムで技術者の位置が表示されます。

また、部品の1D シリアルバーコードおよび 2D QR コードのスキャンにより、使用部品の特定を容易に行うことも可能です。

モバイルの特性をフル活用していますね!

さらには、オフライン機構も備えており、オフラインの状態でも作業を継続することができます。更新した各種データはオンライン復帰後に自動で同期されます。

各画面の表示項目やレイアウトの設定により変更可能なことはもちろんですが、さらにはクイックアクションやフローにより、拡張機能を追加することも可能です。

テラスカイの取り組み

先日、フィールドサービスの事業展開についてプレスリリースを行いました。
当社では従来から、Service Cloud の導入や GLOVIA OM を利用した基幹業務システムのクラウド化を数多く手掛けてきました。
その中でフィールドサービス業務のシステム化に携わるケースも多く、従来は GLOVIA OM の一部機能や個別開発、その他 AppExchange アプリケーションを利用していました。

これらの知識や経験と技術力をフルに活用し、セールスフォース・ドットコムが現在非常に注力しているホットなソリューションである FSL を専門的に取り扱うことにより、お客様のフィールドサービス業務の変革を強力に支援できるのではないかと考え、このたびの体制強化となりました。

FSL 今後の展望

前述したように、FSL はセールスフォース・ドットコムが現在非常に注力しているソリューションであり、今後も飛躍的な進化が行われるのは間違いありません。

少し前を振り返ると、Winter '17 でコア部分、Spring '17 でiOS アプリや管理パッケージなど基本的な構成が出来上がり、Summer '17 で在庫管理機能と Androidアプリ(β版)、Winter '18で Androidアプリ正式版や地図上の図形描画によるテリトリ割当、複数日スケジュールや共同作業など(他にも多数ありますが書ききれません)、急速な機能の拡充が行われてきました。

先日の Dreamforce 2017 では AI である Einstein を FSL に活用できる Einstein Vision for FSL、Einstein Language(いわゆるbot)や、無限の拡張性を可能にする FSL Mobile SDK 等が今後のロードマップとしてアナウンスされました。
また、IoT との連携も今後は当たり前に行われるようになるでしょう。

フィールドサービス業務を最先端の技術で効率化したい、フィールドサービス業務をクラウド化したいといったご要望があれば、是非とも当社にお声がけください!
32 件
     
  • banner
  • banner

関連する記事