2022.06.09

【連載ブログ】一から学ぶ Salesforce Field Service Vol.2 SFSの利用者を想定する

この連載について

「一から学ぶ Salesforce Field Service」と題しまして、Salesforce Field Service(以降 SFS)初心者メンバーが一からSFSについて学んでいく連載ブログです。
「SFSに特化した部署に配属されたけれど、SFSを触ったことないよ!」という初心者メンバーたちが学ぶと同時に、これからSFSを利用する人たちに向けて情報発信しようという経緯からこの企画が立ち上がりました!
初心者がインプリできるようになることを目標に、毎月テーマに沿ってSFSについてまとめていきます。
SFSの利用をこれから始めるシステム管理者の方にも参考になりますので、一緒に学んでいきましょう。

前回までのあらすじ

前回の連載Vol.1では、学習を始めるにあたってSFSパッケージのインストールを行ないました。
お手元に動作を確認できる環境があると理解しやすいので、まだインストールしていない方は前回の記事を参考に是非インストールしてみてくださいね。

今回のテーマ:SFS利用者の想定

SFSはどのような組織において利用されるでしょうか?
第2回目の本稿ではSFSの導入を検討する顧客を想定していきます。
今後、この連載ブログにおいては、この想定した顧客に対してどのようにSFSを導入できるかを考えていきます。

当然、この顧客はフィールドサービス業務を行なっている組織です。そのため今回は顧客の想定に入る前に、そもそもフィールドサービスとはどのようなものなのか、フィールドサービスにおける情報管理について改めて考えるところから始めていきたいと思います。

そもそもフィールドサービスって・・・?

SFSは「フィールドサービス業務に特化したアプリケーション」とのことですが、そもそもフィールドサービスってどのようなものでしょうか?

フィールドサービスとは「機器の設置や点検・修理などを『現場』(Field)に赴いて作業(Service)を行う業務のこと」だとあります。
そういえば私、この間、自宅のインターネットの調子が悪くて、契約の問合せ窓口に連絡したら、エンジニアの方がルーター交換にきてくれました。
これもフィールドサービスってことですよね!

フィールドサービスの業務ってどのように行なわれているの?

このように現場に来てくれるフィールドサービスですが、依頼者から連絡を受けてから、現場作業に至るまで、どのような流れで業務が行われているのでしょうか?
一度、依頼者目線で考えてみたいと思います。

以下は私が問合せ窓口に連絡して訪問対応を受けた際の流れです。
※簡略化して書いていますが、とても丁寧にご対応いただきました^^

STEP1
電話連絡 私→問合せ窓口の方(窓)
 私:状況を伝える
 窓:訪問対応が必要、訪問希望日時を3つください
 私:訪問希望日時を3つ伝える
 窓:後日担当から日程連絡します

STEP2
電話連絡 派遣調整の方(派)→私
 派:何日何時に作業員が伺うことは可能か?
 私:可能と伝える

STEP3
訪問対応 作業担当の方(作)→私
 作:(作業)
 作:作業完了、サインください
 私:サインする

この対応から、私が電話してから訪問対応してくれるまでに、いくつかの役割の方が連携されて業務されていることが察せられました。

フィールドサービスの情報連携ってどうしているの?

フィールドサービスの役割の例として、問合せ窓口担当、派遣担当、作業担当を上げました。
ではこれらの役割の方々はどのように連携して動いているのでしょうか?

顧客への訪問対応予定が生じた時点で、各担当者の間で情報連携が必要なことが考えられます。
<問合せ窓口担当→派遣担当→作業担当の流れで順次情報連携>
・問合せ窓口担当は顧客へ訪問対応の必要が生じたことを派遣担当に伝える
・派遣担当は作業指示を作業担当に伝える
・作業担当は訪問対応した結果を報告する

さらには刻々と変化する状況にも情報連携して対応する必要もありそうです。
<イレギュラーな事態が起こり、スムーズに流れないことも想定される>
・訪問調整している間に顧客から追加要望の連絡が入った
・顧客の希望日時に訪問に必要な部材が用意できなかった
・訪問したけれど解決せずに追加訪問が必要になった

何となく思い描いただけでも、フィールドサービスの業務を行うためにはしっかりした情報連携の基盤が必要な気がしてきました。

この情報連携を汎用的なツールで行なうのはどうでしょうか?
 連絡→メール
 人や物の管理→スケジューラー
 対応状況の管理→Excelファイルの共有

出来ないこともなさそうですけど、どこかで限界がきそうですね。。。
情報を一元管理できるシステムがほしいところです。

ここまででフィールドサービスにおける情報一元管理の必要性が見えてきました。
次にフィールドサービス業務における課題をより具体的にイメージするために、いよいよSFSの導入を検討する顧客を想定していきます。

SFS導入を検討する大手電機メーカー「テラス電機」

SFS導入のケーススタディとして、以下のフィールドサービス業務を行なっている顧客を想定しました。

<顧客の特徴>
・「テラス電機」はテレビ、エアコン、冷蔵庫などを製造販売している大手家電メーカーです。
・フィールドサービス部拠点は東京と大阪の2拠点あり、それぞれ東日本と西日本を担当しています。
・フィールドサービス部の中には製品ごとのチームが存在します。

<現行業務>
問合せ管理
・Salesforceのケースを使用して管理しています。
・Salesforceでの管理は問合せまでで、作業に関する管理までは行っていません。

作業指示
・問合せから作業が発生する場合は、ケースを元にExcelに起票しています。
・ケースに記載されている内容には、Excelでも同じ情報を管理しているものもあり、多重管理になっています。

作業割当
・作業員の派遣に関してはExcelで管理しています。
・派遣担当が一人ずつスキル、スケジュールを考慮して作業の割り振りをしています。
・前後の作業場所まで正確に管理できず、場合によっては無理なスケジュールになっていることもあります。
・特殊なケースとして、作業指示が起票された時点で、作業日が複数日にまたがるケースがあります。(この場合、同じ作業員が担当しなければならず、作業割り振り時に複数の作業に派遣可能な作業員だけをアサインする必要がある)

作業
・作業担当は、毎朝出社時にExcelを参照し、本日分の作業を確認しています。
・出発前に本日分の作業で必要になりそうな作業マニュアルを持参しています。
・作業開始、終了時に電話orメールにて派遣担当に連絡しています。

作業報告
・紙の作業報告書を持参し、内容を記入の後、お客様のサインを頂いています。
・作業報告書には作業内容と作業費や部品代金が記載されています。
・システム移行しても現行の作業報告書は踏襲したいと考えています。
・作業員は帰社してExcelの報告書に記入しています。

いかがでしょうか。
管理が重複したり、情報の参照が不便だったり、紙の作業を発生したりと、課題となる要素が浮かび上がってきました。
次回以降はこのテラス電機に対してどのようにSFSを導入できるかを検討していきます。

次回のテーマ

次回のテーマは「ライセンス」です。
SFSを利用するためにSalesforceのどのようなライセンスが必要かを見ていきます。
次回もお楽しみに!
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