2022.12.14

【連載ブログ】一から学ぶ Salesforce Field Service Vol.4 事前準備

連載について

「一から学ぶ Salesforce Field Service」と題しまして、Salesforce Field Service(以降 SFS)初心者メンバーが一からSFSについて学んでいく連載ブログです。
「SFSに特化した部署に配属されたけれど、SFSを触ったことないよ!」という初心者メンバーたちが学ぶと同時に、これからSFSを利用する人たちに向けて情報発信しようという経緯からこの企画が立ち上がりました!
初心者がインプリできるようになることを目標に、毎月テーマに沿ってSFSについてまとめていきます。
SFSの利用をこれから始めるシステム管理者の方にも参考になりますので、一緒に学んでいきましょう。

前回までのあらすじ

前回の連載Vol.3では、「SFS導入ケーススタディの仮想顧客『テラス電機』にSFSを導入するには、どのようなSalesforce のライセンスが必要か?」を学びました。

今回のテーマ:事前準備

Vol.2にてケーススタディとしてSFS導入を検討する大手電機メーカー「テラス電機」を想定しました。
今回はケーススタディを参考に、SFSで必要なオブジェクトを解説します。
「サービスリソース」と「作業種別」を中心に簡単に解説していきます。

事前準備

1.サービスリソース

サービスリソースとは作業(作業指示)を担当する人、作業者のことです。
(テラス電機でいう作業担当です)
フィールドサービスに欠かせない存在です。
作業者の情報をより詳細に設定することで、最適なサービスの提供をすることが可能となります。
サービスリソースと共に、関連する以下の項目も設定しておきましょう!
・サービステリトリー
サービスリソース(作業者)が作業できる場所のことです。サービスリソースごとに、次の種別を選択します。
プライマリ: (1 つのテリトリー) リソースが最も頻繁に作業する場所 (本拠地の周辺など) です。
セカンダリ: (1 つ以上のテリトリー) リソースを必要に応じて予定に割り当てることができる場所です。複数設定可能です。例えば、プライマリに東京、セカンダリに千葉が設定されている場合、東京にも千葉にも作業しに行くことができるようになります。
テラス電機のフィールドサービス部拠点は東京と大阪の2拠点あり、それぞれ東日本と西日本を担当しています。

サービステリトリーに東日本と西日本を作成してください。
・営業時間
お客様が電話をかけてきた時に対応できる時間、作業可能な営業時間を設定します。
サービス契約、リソースのスケジュール、地域の休日を考慮してサービス予定を最適化できるように、フィールドサービスの営業時間を設定しておきましょう。
サービステリトリーを作成するときに営業時間を選択します。
・スキル
サービスリソース(作業者)がどんな技能(スキル)を持っているかを設定します。
作業にあった最適なスキルをもつ作業員が派遣されるように設定する必要があります。
テラス電機はテレビ、エアコン、冷蔵庫などを製造販売しているので、それぞれの修理をスキルに作成しましょう。
・リソース不在
サービスリソース(作業者)が作業できない期間を設定します。
休日や非稼働時間です。
・サービス予定
サービス予定では作業の開始予定時間やサービスリソースの割り当てなどを設定します。

2.作業種別

・作業種別
作業種別は同じ作業を他の現場で行う場合にあらかじめ設定しておくテンプレートです。
これを使用することで効率化やフィールドサービス作業の標準化が容易になります。
今回はテレビ、エアコン、冷蔵庫の修理を作成してください。
・作業指示
作業指示を作成することで、顧客に対して行う作業を管理することができます。
作業指示を完了するために、作業者が実施する必要のある作業を作業指示品目として作成します。作業を1つずつ記録するToDoリストのような感じで使用し、フィールドサービスのプロセスを簡単に管理できます。
作業を行う期間や作業を行うために必要なスキル(スキル要件)を設定することで、最適なサービスリソースの割り当てができるようになります。
・必要商品
作業を行うために必要な商品です。

商品マスタにテレビ、エアコン、冷蔵庫を作成し、作業指示の関連リストの必要商品で定義してください。

Field Serviceのメイン設定

ここまで必要なオブジェクトについて説明してきましたが、ここからはField Serviceを動かすために必要となる設定について解説します。

案件によって適切な設定は異なるので、紹介するもの以外に必要な設定が無いかはHelpで確認してください。

設定画面のField Service設定


・設定画面のField Service設定の開き方
検索欄に「Field」と入力すると機能設定>サービス>Field Service設定があります。

・割り当て済みリソースと共有設定
サービス予定の割り当て済みリソースと共有するかどうかを設定します。
以下の2つにチェックをつけてください。
 割り当て済みサービス予定を割り当て済みリソースと共有する
 サービス予定の親作業開示を割り当て済みリソースと共有する

Field Service管理の設定

・Field Service管理の開き方
アプリケーションランチャーで「Field Service Admin」を選択するとField Service管理画面が表示されます。
Field Service SettingタブではField Service全体の設定、その右側のタブではオブジェクト毎の設定が可能です。

・サービス予定ライフサイクル
サービス予定の進行を表す段階的なフェーズのカスタマイズが可能です。
設定画面の左側がSFの定義したサービス予定が変更されるタイミングで、そのタイミングにおける案件毎の呼称や認識にカスタマイズできます。

・スケジュール>ルーティング
Travel speed unit(走行速度単位)がデフォルトで「MPH」になっています。
日本の設定にするため、「Km/h」に設定することが多いです。
今回のテラス電機は日本なので設定しておきましょう。

・ディスパッチャーコンソールUI>GANTT CONFIGURATIONS(ガントチャート設定)
ディスパッチャーコンソールのガントチャートに表示する内容についての設定があります。
ディスパッチャーコンソールはSFSではよく使う画面になるので、ここの設定は要件に合わせて確認しましょう。

テラス電機でも使いますが、設定内容は次回以降の解説で画面表示と合わせて設定していきますので、今回は紹介のみとします。

・共有>スケジュール済みジョブ
サービスリソースが割り当たった時に、サービス予定のほかに何を共有するか設定します。

今回は以下の3点を有効化してください。
・サービス予定の共有時に親作業指示を共有する
・サービステリトリー共有を有効化
・ユーザのテリトリーに基づいてユーザグループを自動入力

・共有>カレンダー同期
Salesforce カレンダーからサービスを同期が有効になっている場合、イベントが作成されます。
その際、[行動の種別] 項目の値が [カレンダーの行動種別] 設定で指定された値と同じであれば、作業指示とサービス予定が作成されます。

Salesforce カレンダーにサービスを同期が有効になっている場合、サービス予定の [状況] が [派遣済み] に設定されていると、割り当て済みのサービスリソースの行動レコードが作成されます。
作業員が社員の場合、ほかの社員からも見えるスケジュールはSalesforceのカレンダーにあります。
ディスパッチャーコンソールで設定した作業予定が自動的にSalesforceのカレンダーに反映されるので、スケジュールの登録の手間を省くことができて便利です。

その他の設定

・スケジュール優先度項目の修正
作業指示の項目リレーションから
日本語の場合、数式項目の参照先選択リストの値が日本語になっているため、数式が正しく動作しません!(管理パッケージであるため修正もできない)
日本語の選択リスト値に対応するスケジュール優先度の数式項目を新規に作成してください。
※優先度項目側の選択リスト値を英語(Critical、High、Medium、Low)に修正する方法でも可能です。

終わりに

今回紹介した設定はあくまでもテラス電機に必要なものや主要な設定です。
設定することで何ができるようになるのか、まだまだ私たちも勉強中です。
今回紹介しきれていない設定も多いので、みなさんが実際にSFSを利用する際は今回紹介した設定も参考にしつつ、Helpもよく読んで設定してみてください。

次回のテーマ

次回のテーマは「ディスパッチ」です。
どのような動きをするのか実際に触りながら確認していきます!
次回もお楽しみに!
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