2018.11.14

ServiceCloudを活用しアウトバウンド業務を効率化する

はじめまして
初登場のテラスカイ長谷川です。

皆様はServiceCloudを活用されておりますでしょうか。
今回はアウトバウンド業務のうち、プレビューダイヤリング業務を効率化するひとつの手段を書かせて頂こうと思います。

先に今回のポイントを挙げてしまうと、以下3つです。
今回の3ポイントを駆使することで総合的に業務効率化を目指します。
・1.アウトバウンドリストをケース化し、オペレータに自動で振り分ける
・2.プレゼンス状況の変更をトリガーに、自動的に画面を起動する
・3.Apexジョブがアウトバウンドリストを自動で作る

方向性としては、なるべく人が考える部分や手を動かす部分をSalesforceの機能で自動化することです。
究極的なことを言えば、AIが業務の全てを出来ればいいのですが現代の技術ではまだ無理ですので、
Salesforceをもっと活用して、出来る事から少しでも多くやっていこうという事が伝えたいことになります。

尚、オムニチャネルの基本的な設定については今回省略させていただきますが、
気になった方は弊社TechBlog内の以下記事をご参照ください。
https://www.terrasky.co.jp/blog/2016/161207_001911.php

1.アウトバウンドリストをケース化し、オペレータに自動で振り分ける

本題の前に少しだけ余談に入ります。
今はもう絵が変わっているかもしれませんが、皆様はSalesforceが発表した以下の概念図をご存知でしょうか。

Salesforceオムニチャネル概念図

絵を見て気が使いた方もいるかもしれませんが、アウトバウンドについての言及がないんです。
とはいえ、SalesforceにはPBXと連携したClick-to-Call機能が標準搭載されていますので、
標準機能をうまく活用してアウトバウンド業務を効率化することは十分に可能です。

では、本題に入ります。
流れとしては単純にお客様へのアウトバウンド依頼をレコードとして作成し、キューに流し込みます。
以下箇条書きにすると、
①レコード作成し所有者にキューを指定
②プレゼンスを受付可にする
※対象のキューに参加するユーザであることが前提
③電話番号をクリック、発信開始

この機能の利点は、オペレータがどのタスクを引き受ければいいのか、考える必要がないことです。
SVになりかわってオムニチャネル機能が然るべきオペレータにタスクを振り分けます。

以下、流れを画像とともに追ってみます。

①レコード作成し所有者にキューを指定

②プレゼンスを受付可にする(赤枠)、タスクが流れてくる(青枠)

③電話番号をクリック(赤枠)、発信開始

発信が終わったら、振り分けられたタスク(今回はケース)に応対結果を入力し1架電が終了です。
プレゼンス変更により架電対象が自動的に流れてくるため、処理タスクの選定という部分では省力化されるかと思います。

また、コンタクトセンターによっては、SVさんがタスク選定の実施をしている場合もあると思いますので、SVさんタスクが省力されたならば、その分オムニスーパーバイザパネルを駆使して業務全体の状況監視など他の仕事に注力できるようになるはずです。

2.プレゼンス状況の変更をトリガーに、自動的に画面を起動する

皆様はプレゼンスを"受付可"にした時に、同時に処理を起動したいと思ったことは無いでしょうか。
例えばアウトバウンド業務であれば、今回架電する内容に沿ったトークスクリプト画面。
ヒストリカルレポート用の詳細な稼働時間を記録する処理の開始。
もしくは、いっそ架電内容やお客様に合わせて、予め応対履歴を入力済の画面を起動してほしいなどなど。

これらは少しの開発を伴いますが「カスタムコンソールコンポーネント」の作成により、概ね実現可能です。

設定の流れをまずは記載すると以下ざっくり4点です。
①Visualforceページ&Apexの準備
②カスタムコンソールコンポーネントの準備
③アプリケーションへのカスタムコンソールコンポーネント追加
④プレゼンス変更とともに、Visualforceが起動

以下、わかりにくいかもしれませんが画像とともに説明します。

①Visualforceページ&Apexの準備

②カスタムコンソールコンポーネントの準備

③アプリケーションへのカスタムコンソールコンポーネント追加

④プレゼンス変更とともに(赤枠)、Visualforceが起動(青枠)

今回はえらく質素な画面が立ち上がるようVisualforce内に記載しましたが、
どのような処理とするかは、企業様毎の業務により効果的になる方法は異なりますので、
まさにセンスが問われる部分になるのかなとは思います。

参考までにひとつ事例を挙げます。

ある企業様では、アウトバウンド業務が多数存在し、且つ、架電対象も日々多数存在し、
さらにオペレータが対応すべきアウトバウンド対象も自動で振り分けたいとのことで、
以下の機能プロセスで設計させていただきました。

①プレゼンス変更でアウトバウンド用標準リストビューのサマリー画面を自動オープン
②オープンした画面内では、業務毎の架電対象件数が一覧化され、現状況を俯瞰し見ることが可能
③一覧内の業務を選択すると、自動で画面上にお客様と架電対象(ケース)画面がオープン
④電話番号クリックでアウトバウンド開始
⑤1アウトバウンドが完了したら後処理後にケース画面内のボタン押下で次の架電対象を自動引き受け
⑥以下その日の業務が終わるか架電対象が無くなるまで④と⑤を繰り返し

以上のような流れで、①から実施しても4クリック程で発信まで行いますので、
業務引受と後処理の時間を省力化できるようなプロセスになっております。
勿論、前述の通りどの企業にもこの仕組みを導入できるかというとそうではないと思いますが、
処理プロセスの方向性を変えれば今回のポイント自体は広く使えるのではないかと思います。

3.Apexジョブがアウトバウンドリストを自動で作る

私はある自動車メーカーの車に乗っているのですが、
そのメーカーは定期点検や車検の時期になると電話が来て、点検の案内とともに点検日時まで決めます。
よくよく考えてみると、これは私と車の情報がメーカー内のCRMシステム上で管理されていて、
ある状況下になるとアウトバウンド対象としてリストアップされるのだと思います。
また、定期点検だけで言えば無料でオイル交換などの保守作業を行ってくれ、
購入後の顧客へのサービスとしては非常に手厚いと感じます。

まさに、カスタマーエクスペリエンス向上がキーワードとなる今日において、
顧客とメーカーとの繋がりを重要視したメーカーの戦略によるものなのかなと想像していますが、
少なくとも私は次に車を買い替えるときも同じメーカーで購入したいなと思うわけであります。

さて、本題ですが上記をSalesforce上で実装しようとすると、以下の流れになるかと思います。
①詳細な顧客情報をSalesforce上で管理する。
②アウトバウンド対象を自動でリストアップする内容を定義する
③Apexジョブ(バッチ)でリストを自動作成し、キューに流し込む
④作成されたアウトバウンドリストをオペレータに振り分ける
※もしも、顧客情報が他のシステム上に存在する場合は、DataSpiderなどのEAIシステムを駆使してSalesforce上に流し込む、というやり方でも同じだと思います。

まとめ

最後にもう一度今回のポイントをおさらいさせて頂くと以下の通りです。

・1.アウトバウンドリストをケース化し、オペレータに自動で振り分ける
・2.プレゼンス状況の変更をトリガーに、自動的に画面を起動する
・3.Apexジョブがアウトバウンドリストを自動で作る

今回のポイント3つの合わせ技で、ある程度省力化されたアウトバウンド業務となるかと思います。
フレームとしてはこのような形ですが、どのように肉付けしていくか、
それは企業様毎に異なる部分かと思いますので、何かあれば是非弊社までご相談ください。
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