2019.08.08

AppExchangeを社内に導入する時に抑えておきたい5つのポイント

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AppExchangeというサイトをご存知でしょうか。

AppExchangeとは、Salesforceで使えるビジネスアプリのストアです。
AppExchangeアプリをSalesforceにインストールすることで、ゼロベースで開発しなくてもSalesforceに無い機能を追加できます。

例えば、Salesforceで勤怠管理を行うアプリや、帳票の作成を行えるアプリなどがあります。

スマホの「AppStoreやGoogle Playストアのようなものかな。」と感じられたかもしれませんね。はい、そのとおりです。
AppStoreやGoogle Playストアの利用者の多くは、個人で利用しているため、ご自身の判断でアプリを入れることができます。
しかし、AppExchangeアプリはビジネスアプリなので、社内のSalesforceにインストールするには社内に上申が必要です。


今回は、役立ちそうなAppExchangeアプリを見つけた際に、社内で上申するときに抑えておきたいポイントをご紹介します。

1. 現状の課題を分析する
2. Salesforceの標準機能で解決できないか調べる
3. AppExchangeアプリを調査検証する
4. 開発した場合のコストを調べる
5. AppExchangeアプリを試し、導入効果を調べる

これを読めばAppExchangeアプリもスムーズに上申できますよ!

* 記載されている会社名、製品名はそれぞれ各社の商標および登録商標です。

1. 現状の課題を分析する

AppExchangeアプリの必要性を示すため、まずは課題を調査しましょう。

調査の観点で大切なのは、コストを数値で出すこと

その課題による会社の機会損失や、どれくらい時間や費用がかかっているか、コストを出します。

よくやってしまいがちな間違いとして、「何々が使いにくいため、このアプリを入れると使い勝手が向上する」というようなことを上申書に含めてしまうこと。
本当に使いにくいのであれば、そのアプリによりどれくらい業務時間が失われているのか数値でコストを出すと良いでしょう。



当社の営業は、Salesforceのカレンダーを商談の日報として利用しています。営業が帰社したのち日報を入力していますが、日報を入力するための移動時間がムダになっています。日報の入力作業のために、帰社にかかる時間は次の通りです。
帰社にかかる平均移動時間 30分
 1人あたりの1週間の平均外出日数 3日
営業の人数 20人
20名の営業が帰社して日報を書くため、毎週30時間、ムダになっています。

こういったことがわかると、上司を説得する材料になりますよね。AppExchangeアプリの導入に限りませんが課題によるコストが数値でわかるようにすることが大切です。

2. Salesforceの標準機能で解決できないか調べる

AppExchangeアプリを上司に上申すると、必ず「それ標準でできないの?」と聞かれます。

Salesforceは年々機能が充実してきていますよね。

過去に利用できなかった機能が、標準機能で実現できるようになっている場合もあります。AppExchangeアプリを上申する前に、標準機能について再度調査することをオススメします。



Office365のカレンダーとSalesforceのカレンダーが同期できないので、何らかのAppExchangeアプリを入れたい
-> Lightning Syncを利用すれば標準項目の同期は可能です。

アンケートを送信したいので、何らかのAppExchangeアプリを入れたい
-> 標準で最大300件のアンケート回答を無料で受け取ることができます。

調査を行うに際、以下のサイトを見ると良いでしょう。

- Salesforceのヘルプ
ご存知Salesforceのヘルプです。
Salesforceの新機能や、既存の機能を調査はこちらがオススメです。

- Trailhead
主にSalesforceについて学習するためのコンテンツです。
機能の説明というよりも、その機能の活用法を調べる場合に利用します。

- TerraSkyBase
多くのSalesforceの導入実績がある弊社が、ノウハウをブログで紹介しています。Salesforceの最新情報、導入時ポイントなどを知りたい場合に便利です。

上記のサイト以外にも、Salesforceに関する情報は、インターネット上にたくさんあります。課題となっている点が、本当に標準機能で実現できないのか調べてみることをオススメします。

課題が標準機能で解決できたり、ある程度緩和される場合には、どの程度、標準機能で実現できるのか上申書に記載する必要があるかもしれません。

3. AppExchangeアプリを比較検証する

ようやくAppExchangeアプリの調査と検証の話です。

AppExchangeアプリを導入したい!と思った時点である程度アプリを決めているかもしれません。

しかし上申時に、上司から「他のAppExchangeアプリと比較したの?」と質問される可能性があるため比較と検証を行います。

機能での比較はしない

アプリの比較でよくやりがちなのが、機能で比較してしまうこと。

たとえば、比較表の項目で「ファイルにお気に入りをつけることができる」という項目があったとします。
ファイルにお気に入りをつけることができないアプリには比較表で"X"が付きますよね。

しかし、"X"がついたアプリは、ファイルにお気に入りをつける機能と同等の機能を別の方法で実現していないでしょうか?

「ドキュメントにお気に入りをつける機能はないが、頻繁にアクセスしているファイルは自動的にファイルリストの上の方に移動する機能がある。」といった具合です。

欲しい理由が「気に入ったファイルをすぐに閲覧したい。」だとしたら、お気に入り機能があるかないかだけが比較ポイントではないはずです。

比較するアプリ同士が別の方法で目的を実現していることが多々あるため、アプリの比較は機能ではなく目的ベースで行いましょう。

機能制限トライアルに注意

AppExchangeアプリってトライアルができるものがたくさんありますよね。

トライアルには2種類ありまして、「機能制限トライアル」と「無料トライアル」があります。

「機能制限トライアル」
アプリケーションプロバイダーが用意した、Salesforce組織でアプリの操作ができます。アプリを手軽に試せることがメリットです。しかし、アプリによっては機能の制限があり、欲しい機能が利用できない場合があります。

「無料トライアル」
本番環境(開発組織を含む)もしくはSandbox環境を用意し、その組織にAppExchangeアプリをインストールして制限期間内に検証できます。AppExchangeアプリと組織の設定を変更して利用できるため、検証にオススメです。

mitocoの機能制限トライアル

写真提供:mitoco(基本パッケージ)|カレンダー、承認ワークフロー、掲示板などのグループウェア - 株式会社テラスカイ - AppExchange
mitocoの機能制限トライアルは、「ワークフローの設定」が利用できません。社内の承認処理を作成し、動かしたい場合には、無料トライアルが必要になります。
AppExchangeアプリの比較は「機能制限トライアル」を行うだけではなく、Salesforce組織にAppExchangeアプリを「無料トライアル​」してみて、要件を実現できるか調べてみることをオススメします。

4. 開発した場合のコストを調べる

AppExchangeアプリの中には「自社で開発できそう。」と感じるものもありますよね。

社内にSalesforceのエンジニアがいる場合、AppExchangeのアプリを利用するよりも開発した方が結果的にコストが削減できると考える人もいます。

AppExchangeアプリと同等のアプリを開発する場合の見積もりには、次の点を考慮すると良いでしょう。

1. 開発コスト
2. 保守コスト

この見積もりをAppExchangeアプリの金額と比較してみることが大切です。

見積もりを行う際、1つ注意点がありまして、それはSalesforceのバージョンアップ時の保守コストです。

Salesforceは年に3回バージョンアップがあり、開発したアプリがバージョンアップにより動作しなくなることがあります。

バージョンアップ以外にも、Webブラウザーの更新により作成したアプリが動かなくなったりと、意外なところに保守作業が発生するので注意が必要です。

SkyVisualEditor

写真提供:SkyVisualEditor|Salesforceの画面を自由自在にカスタマイズ - 株式会社テラスカイ - AppExchange
「SkyVisualEditor」はノンプログラミングかつ直感的操作でSalesforceの画面を作成でき、画面開発の内製化が可能になります。
自社にSalesforceのエンジニアがいる場合、開発と保守にかかる費用を概算してもらい、AppExchangeアプリを導入した場合と開発した場合の費用を比較しておけば、上申の際、説得材料が増えますね。

5. AppExchangeアプリを試し、導入効果を調べる

ここまで課題のインパクトやアプリの比較を行ってきました。

最後に自社でAppExchangeアプリを利用した場合、どんなメリットがあるかまとめましょう。

アプリプロバイダーのWEBサイトを見ると「生産性が2倍になる!」というような景気の良い言葉が並んでいるかもしれませんが、自社の生産性が2倍になるかどうかはわかりませんよね。

AppExchangeアプリを利用した場合、自社の業務がどのように変化するか。どの程度コスト削減や生産性が向上するか仮説を交えて数値で出すようにしましょう。


自社のサポートセンターでは、Salesforceに不慣れなアルバイトが頻繁に入れ替わり利用しており、入力操作に時間がかかっていました。

SkyVisualEditorを入れたことで、初めて画面を見る人も、操作をすぐに理解できるようになり、入力時間が1日あたり1時間短縮されました。

画面がわかりやすくなったので、社員がアルバイトから操作について質問を受ける回数は、1日平均10回から5回程度まで減る予定です。


可能なら現場の社員やアルバイトにAppExchangeアプリをトライアルしてもらい、どれくらい改善するのか数値で出せれば、上申書が通りやすくなると思います。

AppExchangeアプリの上申書を作るポイント

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学んだ内容を、上申書に記載する際のポイントをまとめます。

1. 背景と目的
上申する背景と目的を記載します。
背景には「2.現状の課題」を、目的には「3.要件と優先順位」で記載した内容を要約して記載します。

2. 現状の課題
上申のために現状の課題を記載します。
「1. 現状の課題を分析する」を参考に現状のコストが数値で伝わるように記載します。

3. 要件と優先順位​
AppExchangeアプリに求める要件と優先順位について記載します。
要件に優先順位をつけるのは、自社の要件に100%マッチするAppExchangeアプリはないためです。

Salesforceの標準機能である程度実現できる要件については、「 2. Salesforceの標準機能で解決できないか調べる」で記載したように、標準機能で、要件がどこまで実現できるのか記載します。

4. アプリ選定とその理由
AppExchangeアプリの比較と選定理由を記載します。
「3. AppExchangeアプリを比較検証する」を参考に目的ベースで比較した比較表を作ります。自社で開発できる可能性がある場合は、「4. 開発した場合のコストを調べる」を参考に開発した場合も、情報として載せます。

5. 導入費用
アプリの費用についてまとめます。AppExchangeアプリにより、1組織で費用が発生するものや、ユーザーごとに費用が発生するものがあります。それらをまとめ、年間費用で記載します。

初期費用が別途発生するアプリの場合、1年目と2年目で費用を分けると見やすいです。


- 1年目
20000円(初期費用) + 1000円(月額費用) x 10名 x 12ヶ月= 140000円

- 2年目
1000円(月額費用) x 10名 x 12ヶ月= 120000円

6. 導入効果
AppExchangeアプリを入れることによる効果を記載します。
「5. AppExchangeアプリを試し、導入効果を調べる」を参考に記載します。
AppExchangeアプリによってどの程度、コスト削減や生産性が向上するか数値で出します。

7. 運用体制
AppExchangeアプリによっては、定期的に自分たちメンテナンスが必要なものがあります。メンテナンスの必要がない場合でも、誰が社内の運用を行うのか記載します。



本AppExchangeアプリは、組織変更により承認フローが増えた場合に限り、保守作業が必要になる。
保守作業は下記の部署が行う。

[運用作業者] 社内ITチーム

8. スケジュール
分かっている範囲で導入のスケジュールを記載します。AppExchangeアプリによってはインストール後、Salesforceの設定を変更する必要があったり、社内トレーニングが必要なものもあります。参考としてスケジュールを記載します。

08月下旬 導入判断
09月上旬 稟議
09月中旬 発注
10月上旬 契約
10月 中旬 導入プロジェクトスタート
11月 中旬 導入完了
11月 下旬 社内トレーニング

最後に

いかがだったでしょうか。AppExchangeを社内に導入する時に抑えておきたい5つのポイントを理解していただけたら嬉しいです。

AppExchangeアプリの導入には、ハードルがあるように感じるかもしれませんが、数値を入れることで説得力のある上申書を作ることができます。

皆様の会社でもAppExchangeアプリを利用して、コスト削減や生産性の向上につながることを切に望みます。

テラスカイのAppExchangeアプリはこちら
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