2022.09.26
Dreamforce2022 Day2:技術系セッションレポート(Heroku/Functions/AWS/IDE)
目次
はじめに
こんにちは!クラウドインテグレーション本部のY.Hです。
今回は最もサステナブルな Dreamforce ということで、Net Zero Cloud をはじめ、サステナビリティのための製品の発表に力が入っておりました。
無料で配布されているお弁当にも牛肉や豚肉が一切使われておらず、食器や包装は全て堆肥化可能なものだそうです。ウォーターサーバーを各地に設置してペットボトルが使われないようにするなど、会場の工夫も目立ちました。
また、Dreamforce にはいくつかの著名人による基調講演が行われておりますが、クライミング界のスーパースターであるアレックス・オノルドの環境保護に関するトークが特に印象的でした。
そちらの話も素晴らしかったので、本ブログの冒頭で紹介させて頂きましたが、こちらは Tech blog ということで、初日に引き続き2日目の技術系セッションの報告をしていきたいと思います。
Salesforce のサステナブルな取り組みに興味のある方は、別途Web記事などをご参照ください。
今回は最もサステナブルな Dreamforce ということで、Net Zero Cloud をはじめ、サステナビリティのための製品の発表に力が入っておりました。
無料で配布されているお弁当にも牛肉や豚肉が一切使われておらず、食器や包装は全て堆肥化可能なものだそうです。ウォーターサーバーを各地に設置してペットボトルが使われないようにするなど、会場の工夫も目立ちました。
また、Dreamforce にはいくつかの著名人による基調講演が行われておりますが、クライミング界のスーパースターであるアレックス・オノルドの環境保護に関するトークが特に印象的でした。
そちらの話も素晴らしかったので、本ブログの冒頭で紹介させて頂きましたが、こちらは Tech blog ということで、初日に引き続き2日目の技術系セッションの報告をしていきたいと思います。
Salesforce のサステナブルな取り組みに興味のある方は、別途Web記事などをご参照ください。
① Roadmap: The Future of Salesforce Development for IT Leaders
こちらは Salesforce 開発者向けの最新動向がまとめて紹介されるという、非常にエキサイティングなセッションでした。
あくまでロードマップですので、ここで紹介されている機能は、特定期間内の正式リリースまたはリリースの有無を保証していないことにご注意ください。
あくまでロードマップですので、ここで紹介されている機能は、特定期間内の正式リリースまたはリリースの有無を保証していないことにご注意ください。
Heroku
まずは、先月無償プランが廃止されるということで話題になった Heroku からです。
Heroku の無償プランは、フィッシングなど不正な目的に使用されることが多く、その対策に多くの労力が費やされてきたということで、本変更が決定されたとのことです。
その代わりに、今後はGitHub連携・多要素認証・証跡管理など、顧客のミッションクリティカルな機能を提供することにリソースを集中していく様です。
Heroku のその他の新機能としては、データ量の変化に応じてリソースを自動でスケールさせる Elastic Postgres というものが紹介されました。(Summer'23 & Future)
また、Customer360 との統合が進んでいくということで、例えば Heroku Dynos で開発者が構築した API を Mulesoft やフローなどで呼び出せる様になるとのことでした。
Winter’23 では Heroku の低価格帯のプランがでるとのことなので、個人的にはここが一番気になります。
Heroku の無償プランは、フィッシングなど不正な目的に使用されることが多く、その対策に多くの労力が費やされてきたということで、本変更が決定されたとのことです。
その代わりに、今後はGitHub連携・多要素認証・証跡管理など、顧客のミッションクリティカルな機能を提供することにリソースを集中していく様です。
Heroku のその他の新機能としては、データ量の変化に応じてリソースを自動でスケールさせる Elastic Postgres というものが紹介されました。(Summer'23 & Future)
また、Customer360 との統合が進んでいくということで、例えば Heroku Dynos で開発者が構築した API を Mulesoft やフローなどで呼び出せる様になるとのことでした。
Winter’23 では Heroku の低価格帯のプランがでるとのことなので、個人的にはここが一番気になります。
Functions
Functions では Node.js や Java に続いて、ついに Python が使えるようになります。
また、Functions は Heroku Postgres、Heroku Kafka(分散メッセージキュー)、Heroku Redis(キャッシング) などの Heroku Data 製品に直接アクセスできるようになるとのことで、実装パターンの選択肢がいろいろと増えてきます。
そして現状は実行時に Apex から呼び出す形になりますが、今後はフロー、LWC、Platform Events からも呼び出せるようになるとのことです。
Heroku と Functions は今後どうなっていくのか、いろいろな意味で気になるサービスたちですが、Genie との統合もロードマップで紹介されているので、Salesforce 全体でのシナジーを発揮して盛り上がっていってほしいところです。
また、Functions は Heroku Postgres、Heroku Kafka(分散メッセージキュー)、Heroku Redis(キャッシング) などの Heroku Data 製品に直接アクセスできるようになるとのことで、実装パターンの選択肢がいろいろと増えてきます。
そして現状は実行時に Apex から呼び出す形になりますが、今後はフロー、LWC、Platform Events からも呼び出せるようになるとのことです。
Heroku と Functions は今後どうなっていくのか、いろいろな意味で気になるサービスたちですが、Genie との統合もロードマップで紹介されているので、Salesforce 全体でのシナジーを発揮して盛り上がっていってほしいところです。
Apex
Apex については、 MuleSoftで設計されたデータ変換を行うための言語である「DataWeave」が使えるようになるとのことです。
これにより、データ変換のコーディングが簡単になり、ファイル形式の仕様に対応する労力を減らせることとなります。
例えば、DataWeave スクリプトをメタデータとして作成してApexから呼び出すことで、CSV ファイルから sObject データ型への変換が簡単に行えます。
MuleSoft 開発を経験していると、DataWeave の便利さを実感することが多々ありますが、Apex でもその恩恵に預かれるのは非常にありがたいなと思います。
これにより、データ変換のコーディングが簡単になり、ファイル形式の仕様に対応する労力を減らせることとなります。
例えば、DataWeave スクリプトをメタデータとして作成してApexから呼び出すことで、CSV ファイルから sObject データ型への変換が簡単に行えます。
MuleSoft 開発を経験していると、DataWeave の便利さを実感することが多々ありますが、Apex でもその恩恵に預かれるのは非常にありがたいなと思います。
その他、DevOps Center、Sandbox on Hyperforce、パッケージのオプション、Pub/Sub API など、紹介しきれない程のボリュームで新機能の紹介が続いていきます。(量が多いので省略します 汗)
Salesforce Code Builder
多くの新情報の中で、特に気になるのが、何と言っても Salesforce Code Builder です!
現状、Salesforce のコーディングを伴う開発はローカル環境に Visual Studio Code をインストールして行うのが一般的で、ブラウザで使える開発者コンソールは機能が限定されており、本格的な開発に耐えうるものではありませんでした。
新しく登場する Salesforce Code Builder はブラウザベースの統合開発環境(以下 IDE)で、コード補完、リファクタリング、検索、Salesforce言語およびフレームワークのサポートなど、IDEとして必要な機能がしっかりと備わっています。また、GitHub などのバージョン管理システムとの統合も組み込まれているので、コード管理や CI/CD も効率的に行えます。
今まで新しいメンバーの合流時に、ローカルへの開発環境構築でそれなりの時間を費やしてしまうことがあったので、Spring'23 で予定されている本ツールの GA が待ち遠しいです。
現状、Salesforce のコーディングを伴う開発はローカル環境に Visual Studio Code をインストールして行うのが一般的で、ブラウザで使える開発者コンソールは機能が限定されており、本格的な開発に耐えうるものではありませんでした。
新しく登場する Salesforce Code Builder はブラウザベースの統合開発環境(以下 IDE)で、コード補完、リファクタリング、検索、Salesforce言語およびフレームワークのサポートなど、IDEとして必要な機能がしっかりと備わっています。また、GitHub などのバージョン管理システムとの統合も組み込まれているので、コード管理や CI/CD も効率的に行えます。
今まで新しいメンバーの合流時に、ローカルへの開発環境構築でそれなりの時間を費やしてしまうことがあったので、Spring'23 で予定されている本ツールの GA が待ち遠しいです。
なお、この IDE は AWS で提供されているとのことですが、セールスフォースはAWS との協業に力を入れており、セッションの最後に AWS との連携に関するロードマップが紹介されました。
Connect to AWS Data
AWSとの連携の中で、特に気になるトピックは2つありました。
1つ目は、新しい Salesforce Connect アダプタの提供で、これにより Salesforce のインターフェースから Amazon Athena、Amazon S3、Amazon DynamoDB へのシームレスな接続が可能になるとのことです。
Salesforce と Amazon S3 の連携パターンはよくありますが、Amazon Athena により Salesforce から S3 の検索が実行できるのであれば、今後 Salesforce Connect を選択するケースも出てくるのではと思います。
2つ目は、イベントリレーという機能です。こちらを使用すると、ミドルウェアを介さず、Salesforce と AWS にまたがるイベント駆動型アプリケーションが構築できるそうです。
フローや Platform Events を用いて、AWS と双方向のイベント連携が可能になるということで、ますます Salesforce と AWS を活用したインテグレーションを提案する機会が増えてくるのではと感じました。
1つ目は、新しい Salesforce Connect アダプタの提供で、これにより Salesforce のインターフェースから Amazon Athena、Amazon S3、Amazon DynamoDB へのシームレスな接続が可能になるとのことです。
Salesforce と Amazon S3 の連携パターンはよくありますが、Amazon Athena により Salesforce から S3 の検索が実行できるのであれば、今後 Salesforce Connect を選択するケースも出てくるのではと思います。
2つ目は、イベントリレーという機能です。こちらを使用すると、ミドルウェアを介さず、Salesforce と AWS にまたがるイベント駆動型アプリケーションが構築できるそうです。
フローや Platform Events を用いて、AWS と双方向のイベント連携が可能になるということで、ますます Salesforce と AWS を活用したインテグレーションを提案する機会が増えてくるのではと感じました。
② Is The Future of API Development with MuleSoft Web-Based?
最後にこちらのセッションで MuleSoft の新しい IDE が紹介されていましたので、あわせて少しだけご紹介します。
Anypoint Code Builder
Anypoint Code Builder は、Visual Studio Code を搭載した、Web ブラウザとデスクトップでアクセス可能な MuleSoft 開発用の軽量 IDE とのことです。
見た目は Salesforce Code Builder とほぼ同じですが、画面の半分がコンポーネントを配置するスペースになっています。
従来の Anypoint Studio を用いた開発では、左から右に処理を記述する形になりますが、Anypoint Code Builder では Salesforce フローのように上から下に記述する形になっています。
IDE ということで、コード補完やデバッグ機能はもちろんのこと、開発パターンに関する推奨事項をポップアップで教えてくれたり、アプリの機能をビルディングブロックにカプセル化して再利用できたりするとのことです。
見た目は Salesforce Code Builder とほぼ同じですが、画面の半分がコンポーネントを配置するスペースになっています。
従来の Anypoint Studio を用いた開発では、左から右に処理を記述する形になりますが、Anypoint Code Builder では Salesforce フローのように上から下に記述する形になっています。
IDE ということで、コード補完やデバッグ機能はもちろんのこと、開発パターンに関する推奨事項をポップアップで教えてくれたり、アプリの機能をビルディングブロックにカプセル化して再利用できたりするとのことです。
デモでは Webブラウザで Anypoint Code Builder を立ち上げ、Salesforce の Contact の電話番号を更新する API について、RAML による API 設計、および開発とデバッグ実行を行っていました。
また、開発したAPIを同環境上から Exchange にデプロイして、Salesforceフローから呼び出していました。
Salesforce 開発者が慣れ親しんだフロービルダーや Visual Studio Code と同じように MuleSoft の開発が行える様になれば、新たにキャッチアップすることも減って MuleSoft 開発がより手を出しやすいものになるのではと感じます。こちらも GA が今から楽しみです。
また、開発したAPIを同環境上から Exchange にデプロイして、Salesforceフローから呼び出していました。
Salesforce 開発者が慣れ親しんだフロービルダーや Visual Studio Code と同じように MuleSoft の開発が行える様になれば、新たにキャッチアップすることも減って MuleSoft 開発がより手を出しやすいものになるのではと感じます。こちらも GA が今から楽しみです。
おわりに
今回ご紹介したセッションの内容は、それぞれ事前に公開されているものもありましたが、ロードマップという形でつながりを踏まえて紹介されることで、非常にワクワクするものとなりました。
新しい機能の提供に伴い、推奨されるインテグレーションの方法も徐々に変わってくると考えられますので、アップデートの動向を見ながら技術のキャッチアップを続けていきたいと思います。
新しい機能の提供に伴い、推奨されるインテグレーションの方法も徐々に変わってくると考えられますので、アップデートの動向を見ながら技術のキャッチアップを続けていきたいと思います。
おまけ
最終日の早朝、ベイブリッジからフィッシャーマンズワーフを抜けて、ゴールデンゲートブリッジまで散歩をしてきました。
青い海と赤い橋を眺めながら、朝焼けのビーチを走るのはとても気持ちが良かったです。
青い海と赤い橋を眺めながら、朝焼けのビーチを走るのはとても気持ちが良かったです。
サンフランシスコはアートの街ということでストリートアートも点在しており、急勾配の坂が織りなす立体的な街並みも含めて面白いので、現地のジョギングやウォーキングもおすすめです。
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