はじめに
mitocoのワークフローでは組織単位で表示や動作を変更する設定項目がいくつかあります。
今回ご紹介する設定を変更すると下記のようなことができるようになります。
- ステップ名など新たな項目を一覧に表示して、一覧上で優先的に承認すべきか判断しやすくする
- 承認者も申請内容を編集できるようにすることで、差し戻さなくても軽微な修正を行えるようにする
- 申請者や承認者の部署や役職の情報を既に運用で使っている項目から取得できる
説明に使用しているmitocoのバージョンはv9になります。
設定方法について
最初に設定方法についてご説明します。
今回説明する設定項目は下記の手順で設定することができます。
システム管理者相当の権限を持ったユーザでないと設定できないためご注意ください。
1.Salesforceの標準画面から設定画面を開く
2.クイック検索に「カスタム設定」と入力して「カスタム設定」のリンクをクリックする
3.設定したい内容に合わせて「ワークフロー設定」または「組織設定」の「Manage」リンクをクリックする
4.「編集」ボタンをクリックして編集画面を開いて設定を変更する
設定項目について
mitocoのワークフローの設定項目は下記のように大きく4つに分類されます。
1.一覧表示の設定
- 一覧項目表示可否(ステップ名):一覧に「ステップ」項目を表示します
- 一覧項目表示可否(申請フォーム):一覧に「申請フォーム」項目を表示します
- 一覧項目表示可否(申請者部署):一覧に「申請者部署」項目を表示します
- 申請データ一覧非表示フラグ:申請データ一覧を非表示にします
- 回覧一覧非表示フラグ:回覧待ち一覧を非表示にします
- 初期表示一覧:どの一覧を初期表示するか設定します(※組織単位の設定はできません)
2.申請データの共有設定
- 申請データ共有設定可否:申請データへの参照権を承認者と回覧者に自動的に付与します
- 申請データ共有権限(承認者):申請データへの編集権を承認者に自動的に付与します
3.代理承認者の設定
- 代理承認者フィルタークラス名:代理承認者の設定をしてよいかチェックするApexクラスを設定します
4.部署・役職の設定
- カスタム役職項目名:承認履歴に記録する役職情報をどこの項目から取得するか設定します
- カスタム部署項目名:承認履歴に記録する部署情報をどこの項目から取得するか設定します
- mitoco部署利用可否:承認履歴に記録する部署情報をmitoco部署から取得するか設定します
次からは分類ごとに設定項目の詳細をご説明していきます。
1. 一覧表示の設定について
一覧表示の設定は「ワークフロー設定」から行います。
- 一覧項目表示可否(ステップ名)
- この項目にチェックを入れると、処理待ち一覧に「ステップ」が表示されます。
- どのステップの承認依頼なのかが一覧で把握できるようになります。
- 一覧項目表示可否(申請フォーム)
- この項目にチェックを入れると、申請済みや処理待ち、処理済み、回覧待ち一覧に「申請フォーム」が表示されます。
- 申請フォームで承認する優先度を判断する際などにご利用できます。
- 一覧項目表示可否(申請者部署)
- この項目にチェックを入れると、申請済み一覧に「申請者部署」が表示されます。
- 申請データ一覧非表示フラグ
- この項目にチェックを入れると、申請データ一覧と申請データ作成ボタンが非表示になります。
- 申請データを使った運用をしていない場合、誤って申請データを作成してしまうことなどを防ぐことができます。
- 回覧一覧非表示フラグ
- この項目にチェックを入れると、回覧待ち一覧が非表示になります。
- 運用として回覧機能を使っていない場合に不必要なタブを非表示にすることができます。
- 初期表示一覧
- 一覧を表示した際にどの一覧を初期表示するかが設定できます。
- 例えば、承認することが多いユーザの場合は処理待ちを初期設定しておくと毎回処理待ちに遷移する必要がなくなります。
- この設定項目はカスタム設定ではなく、mitocoアプリケーション設定のワークフロー設定からユーザごとに設定する必要があります。
2.申請データの共有設定について
申請データの共有設定も「ワークフロー設定」から行います。
- 申請データ共有設定可否
- 申請データへの参照権を承認者、回覧者に対して自動的に付与します。
- 申請対象のオブジェクトが「申請データ」のときのみ有効です。
- 申請データ共有権限(承認者)
- 申請データへの編集権を承認者に対して自動的に付与します。
- 回覧者には編集権は付与されません。
- 「申請データ共有設定可否」の設定が有効になっている必要があります。
- 承認者が申請内容を修正する運用がある場合はぜひご利用ください。
3.代理承認者の設定について
代理承認者の設定も「ワークフロー設定」から行います。
- 代理承認者フィルタークラス名
- 自分以外のユーザの代理承認者を設定する際に、どのユーザの代理承認者の設定ができるかを制限することができます。
- 例えば「営業事務には営業部内の代理承認者設定を許可して、開発部内の代理承認者設定は許可しない」というようなことが可能になります。
- チェックする処理が書かれたApexクラスのクラス名を入力してください。
- 作成するApexクラスは代理承認者の設定範囲の制御を参考に作成してください。
4.部署・役職の設定
部署・役職の設定は「組織設定」から行います。
- カスタム役職項目名
- 承認履歴に記録する役職情報をどこの項目から取得するかを設定します。
- 未設定の場合はユーザオブジェクトの役職項目から情報を取得します。
- 設定する場合は役職情報を取得したい項目のAPI参照名を入力してください。
- ユーザオブジェクトに存在するテキスト項目と数式(テキスト)項目が利用できます。
- カスタム部署項目名
- 承認履歴に記録する部署情報をどこの項目から取得するかを設定します。
- 未設定の場合はユーザオブジェクトの部署項目から情報を取得します。
- 設定する場合は部署情報を取得したい項目のAPI参照名を入力してください。
- ユーザオブジェクトに存在するテキスト項目と数式(テキスト)項目が利用できます。
- mitoco部署利用可否
- 承認履歴として記録する部署情報をmitoco部署から取得するかを設定します
- この項目にチェックが入っている場合は「カスタム部署項目名」の設定内容にかかわらず、mitoco部署から部署情報を取得するようになります。
部署・役職の設定については下記の記事で詳しく説明していますので、よろしければ参考にしてください。
おわりに
v9で設定できるmitocoのワークフローのすべての設定項目について説明しました。
mitocoでは今回のように設定をすることで、いくつかの表示や動作を変更することができるようになっています。
運用に合った設定がもしありましたらぜひお試しください。
mitocoをご利用になられてない方は、mitocoのトライアルよりトライアルに参加できますので是非お試しください。