2022.11.01

【Service Cloud Voice】コンタクトセンターの作成

0.はじめに

今回はService Cloud Voice(以下「Voice」という)のコンタクトセンター作成までの流れをご紹介します。

昨今、テレワーク化の対応によりクラウド型コールセンターの需要が高まっています。
そんな需要に応えるように、Voiceは目覚ましいアップデートが行われています。
既存のチャット等のチャネルと同様にオムニチャネルルーティングができたり、
リアルタイム通話の文字起こし(Amazon Connectの機能)が使えたり、、非常に魅力的ですね!

そんなVoiceはコンタクトセンター導入の強力な選択肢の1つになり得ます。
「導入してみたいけど、どんな設定が必要なのかな、、」
と思っているそこのあなたに向けて、Voiceの設定方法をご紹介していきます!
※Summer'22時点での設定方法です。バージョンアップによって一部変更となる可能性があります。

1.事前準備

実際にVoiceを設定していく前に以下の準備が必要になります。
詳細な設定方法は割愛しますが、参考になるSalesforceのHelpを載せておきます。
・AWSアカウントの作成
・自己証明書の生成:自己署名証明書の生成
・カスタムドメインの作成:私のドメイン
・オムニチャネルの有効化:オムニチャネルの有効化

ここまでできたら実際に設定していきます!

2.Service Cloud Voiceの有効化(Salesforce)

[設定]→[パートナーテレフォニー設定]
Service Cloud Voiceを有効化します。
有効化すると音声コールオブジェクトが作成されていることが確認できます。

3.IDプロバイダの有効化(Salesforce)

[設定]→[IDプロバイダ]
Salesforce.com を ID プロバイダとして有効化します。
有効化する際に事前準備で作成した自己証明書を選択します。
メタデータのダウンロード。※現在は自動プロビジョニングされるため、ダウンロードが不要になっている可能性があります。

4.ユーザにコンタクトセンター管理者の権限を割当(Salesforce)

[設定]→[ユーザ]
下記の権限セットライセンスを割り当てます。
・Service Cloud Voice User (Partner Telephony)
下記の権限セットを割り当てます。
・コンタクトセンターエージェント (パートナーテレフォニー)
・コンタクトセンター管理者 (パートナーテレフォニー)
※コンタクトセンター管理者となるユーザの姓、名、別名項目を使用してAmazon Connectのユーザを作成します。
姓、名、別名は英数字以外の場合、ユーザの作成に失敗します。

5.プロビジョニング用のIAMロールを作成(AWS)

SalesforceのHelpに従ってIAMロールを作成していきます。
[IAM]→[ロール]
ロールを作成から下記を設定
項目名
信頼されたエンティティタイプ AWS アカウント
AWS アカウント 別の AWS アカウント
アカウントID 793525387755(固定値)
オプション 選択なし
許可ポリシー 選択なし
ロール名 ProvisioningRole
ロールを作成

6.プロビジョニング用のIAMロールにポリシーをアタッチ(AWS)

※各種AWSサービスの設定をするため権限を付与しなくてはいけないので、AdministratorAccessポリシーを設定するのが無難です。AdoministoratorAccessポリシーをアタッチしない場合、クラウドフォーメーションで権限不足により、処理落ちする可能性があります。
[IAM]→[ロール]→[ProvisioningRole]→[許可を追加]→[ポリシーをアタッチ]

作成したProvisioningRoleにAdministratorAccessポリシーをアタッチ

①[その他の許可ポリシー]から『AdministratorAccess』を検索
②AdministratorAccessを選択
③ポリシーをアタッチ

7.インラインポリシーを作成(AWS)

インラインポリシーで使用するJSONを作成していきます。
テキストエディタ等にHelp 4.bに記載されているコードをコピー&ペースト
画像赤枠のAWSアカウントIDをコピー
※コピーしたアカウントIDにハイフンが含まれている場合は、ハイフンを除いてください。

テキストエディタにコピペしたコードを下記の様にすべて置換します。
{AWS_ACCOUNT_ID} → コピーしたAWSアカウントID(12桁)

作成したJSONを使って、インラインポリシーを作成していきます。
[5.で作成したProvisioningRoleを選択]→[許可]タブ→[許可を追加]→[インラインポリシーを作成]→[JSON]タブを選択
デフォルトのJSONをすべて削除し、作成したJSONを貼り付け。
ポリシーの確認
名前:ProvisioningPolicy
ポリシーの作成

8.コンタクトセンターを作成(Salesforce)

ここまでできたら、あとはSalesforceでコンタクトセンターを作成するだけです!
[設定]→[パートナーテレフォニーコンタクトセンター]
コンタクトセンターを作成
Amazon Connectインスタンスを作成
項目名
表示名 任意の値
※コンタクトセンターの表示ラベルのイメージ
内部名 20文字未満の任意の値
※コンタクトセンターのAPI参照名のイメージ 保存後の編集不可
地域 Asia Pacific(Tokyo)
IAM ロール ARN ProvisioningRoleのARN値
※画像赤枠箇所
管理者を選択 4.でコンタクトセンター管理者の権限を割り当てたユーザを選択

完了ボタンを押下すると、コンタクトセンター作成成功メールが数分後に通知されます。
以上でコンタクトセンター作成完了です!
※ここで「コンタクトセンターを作成できませんでした」と表示される場合は、設定を見直し、過去に指定したコンタクトセンター名とは別の名前で作成する必要があります。

Amazon Connectインスタンスが作成されていることが確認できます。
その他にも問合せフローが作成されていたり、Lambda、Kinesis、S3などが自動的に設定されています。

9.最後に

以上の手順を踏むことで、Salesforceにコンタクトセンターを作成することができます。
実際に疎通確認をするためには、もう少し手順がありますが今回はここまでとさせていただきます。

ここまで読んでみていかがでしたでしょうか。
手順が多くて長い、、と感じられた方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、今までは「8.コンタクトセンターを作成」で自動的に行っているAWSの各設定を手動で行っていました。
過去に比べると格段に手順が減っています。
これからのバージョンアップによってさらに手順が減っていくかもしれませんね。

最後までご覧いただきありがとうございました。
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