はじめに
はじめまして。テラスカイの扇です。
私は普段金融のお客様を相手にシステムの構築・支援を行っています。
最近は社内でも「Financial Services Cloudを積極的に勉強しよう」という風潮が高まっており、私もFinancial Services Cloudの知識を付けるべくセミナーに参加したり、もくもくとTrailheadを進めるようになりました。
そこで今回は、金融業界に特化したSalesforceのサービスである「Financial Services Cloud」についてのご紹介をさせて頂きます。
まだまだ日本国内では導入事例が少ないため、このブログを読んでFinancial Services Cloudで何ができるの?が分かるきっかけになればと思います。
今回はFinancial Services Cloudの概要と、基本となる2つの機能を使用イメージと併せてご紹介いたします。
私は普段金融のお客様を相手にシステムの構築・支援を行っています。
最近は社内でも「Financial Services Cloudを積極的に勉強しよう」という風潮が高まっており、私もFinancial Services Cloudの知識を付けるべくセミナーに参加したり、もくもくとTrailheadを進めるようになりました。
そこで今回は、金融業界に特化したSalesforceのサービスである「Financial Services Cloud」についてのご紹介をさせて頂きます。
まだまだ日本国内では導入事例が少ないため、このブログを読んでFinancial Services Cloudで何ができるの?が分かるきっかけになればと思います。
今回はFinancial Services Cloudの概要と、基本となる2つの機能を使用イメージと併せてご紹介いたします。
Financial Services Cloud(FSC)とは
まずは概要をご説明します。
Financial Services Cloud(以下FSC)は金融企業の業務に沿った機能が用意されており、クライアントとの緊密な関係構築を目的とした機能で構成されています。
例えば顧客の金融資産を世帯ごとに確認したり、銀行員の日々の営業活動をサポートするタスク管理機能などが挙げられます。
ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、FSCは管理パッケージです。
その為、管理パッケージならではの制約などもあり、システム管理者、開発者の方々はカスタマイズを行う際は注意する必要があります。
変更が効かない箇所もありますし、管理パッケージ内のトリガの中身を確認する事もできません。
ですが、開発者ガイドにFSCのトリガ実装内容が概要レベルで記載されていますので気になった方は是非参照してみてください。
Financial Services Cloud(以下FSC)は金融企業の業務に沿った機能が用意されており、クライアントとの緊密な関係構築を目的とした機能で構成されています。
例えば顧客の金融資産を世帯ごとに確認したり、銀行員の日々の営業活動をサポートするタスク管理機能などが挙げられます。
ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、FSCは管理パッケージです。
その為、管理パッケージならではの制約などもあり、システム管理者、開発者の方々はカスタマイズを行う際は注意する必要があります。
変更が効かない箇所もありますし、管理パッケージ内のトリガの中身を確認する事もできません。
ですが、開発者ガイドにFSCのトリガ実装内容が概要レベルで記載されていますので気になった方は是非参照してみてください。
開発者ガイド:Financial Services Cloud のカスタムトリガ
FSCパッケージ内に用意されているトリガ一覧のSalesforce開発者ガイドです。
オブジェクト別にトリガで処理されている内容が概要レベルで把握できます。
今回はあくまでも一部の紹介にとどめておきますが、FSC固有のオブジェクトとして以下のようなものが用意されています。
・金融口座[FinServ__FinancialAccount__c]
⇒銀行口座や証券口座などを登録するオブジェクト
・保有銘柄[FinServ__FinancialHoldings__c]
⇒株式の保有数、投資口座の保有数を登録するオブジェクト
・資産と負債[FinServ__AssetsAndLiabilities__c]
⇒金融口座では表現できない資産情報など(例:不動産)を登録するオブジェクト
・金融口座[FinServ__FinancialAccount__c]
⇒銀行口座や証券口座などを登録するオブジェクト
・保有銘柄[FinServ__FinancialHoldings__c]
⇒株式の保有数、投資口座の保有数を登録するオブジェクト
・資産と負債[FinServ__AssetsAndLiabilities__c]
⇒金融口座では表現できない資産情報など(例:不動産)を登録するオブジェクト
機能紹介① -FSCの積み上げ集計-
それでは機能の紹介です。
FSCでは口座総額や保有する金融口座の数、関連するToDoの数を積み上げて集計する機能が用意されています。
「積み上げ集計」という言葉ではありますが、従来のオブジェクトの主従関係による積み上げ集計とは異なりますのでご注意ください。
(従来の主従関係による積み上げ集計項目も作成可能です)
FSCでの積み上げ集計とは、
・一世帯の口座総額
・一世帯で保有する金融口座の総数
・顧客に対して実施予定、実施済みの活動数の総計
等の機能を意味します。
この機能により銀行員は
「この顧客に対しての活動が少ないからもっとアプローチしよう」
「世帯の所有資産が多いから〇〇商品を提案しよう」
といったアクションを実施する事が可能となります。
また、FSCでは顧客の世帯管理を行う機能が用意されており、取引先に「世帯[HouseHold]」というレコードタイプを用意する事で表現しています。
FSCでは口座総額や保有する金融口座の数、関連するToDoの数を積み上げて集計する機能が用意されています。
「積み上げ集計」という言葉ではありますが、従来のオブジェクトの主従関係による積み上げ集計とは異なりますのでご注意ください。
(従来の主従関係による積み上げ集計項目も作成可能です)
FSCでの積み上げ集計とは、
・一世帯の口座総額
・一世帯で保有する金融口座の総数
・顧客に対して実施予定、実施済みの活動数の総計
等の機能を意味します。
この機能により銀行員は
「この顧客に対しての活動が少ないからもっとアプローチしよう」
「世帯の所有資産が多いから〇〇商品を提案しよう」
といったアクションを実施する事が可能となります。
また、FSCでは顧客の世帯管理を行う機能が用意されており、取引先に「世帯[HouseHold]」というレコードタイプを用意する事で表現しています。
実際に積み上げてみる
実際にどのようにSalesforceで表示されるのか見てみましょう。
作成するレコードは取引先、金融口座です。
事前に以下の取引先レコードを用意します。
■レコードタイプ:Person Account(個人取引先)
・佐藤 太郎
・佐藤 花子
■レコードタイプ:世帯
・佐藤 太郎(世帯)
佐藤花子は佐藤太郎の配偶者とし、佐藤太郎が世帯主であるとします。
ゴールは佐藤太郎と佐藤花子の各自が所有する口座総額が佐藤太郎(世帯)レコードに合算された状態で表示されることです。
それではまず、世帯の設定を行います。
積み上げの集計を行うには積み上げの対象となる取引先レコードに以下の設定を必ず行います。
・積み上げる活動とオブジェクトに「金融口座」を含める(今回は全て)
・プライマリグループを有効化
この設定を行わないと正しく世帯の残高が積み上がりません。
作成するレコードは取引先、金融口座です。
事前に以下の取引先レコードを用意します。
■レコードタイプ:Person Account(個人取引先)
・佐藤 太郎
・佐藤 花子
■レコードタイプ:世帯
・佐藤 太郎(世帯)
佐藤花子は佐藤太郎の配偶者とし、佐藤太郎が世帯主であるとします。
ゴールは佐藤太郎と佐藤花子の各自が所有する口座総額が佐藤太郎(世帯)レコードに合算された状態で表示されることです。
それではまず、世帯の設定を行います。
積み上げの集計を行うには積み上げの対象となる取引先レコードに以下の設定を必ず行います。
・積み上げる活動とオブジェクトに「金融口座」を含める(今回は全て)
・プライマリグループを有効化
この設定を行わないと正しく世帯の残高が積み上がりません。
続いて金融口座レコードを用意します。
■佐藤太郎
預金口座001:15,000,000円
投資口座001:8,000,000円
総額:23,000,000円
■佐藤花子
ローン口座:10,000,000円
総額:10,000,000円
■佐藤太郎
預金口座001:15,000,000円
投資口座001:8,000,000円
総額:23,000,000円
■佐藤花子
ローン口座:10,000,000円
総額:10,000,000円
金融口座レコードが作成出来たら佐藤太郎(世帯)レコードから各自の総額が積み上がっているか確認します。
これはFSCに標準で用意されているコンポーネントです。
「口座総額」項目に二人が所有する資産が積み上がった値が入っていることが確認できると思います。
今回は詳細な説明を割愛させて頂きましたが、FSCでは簡単な設定のみで積み上げ集計ができ、世帯ごとの資産を把握する事ができます。
「口座総額」項目に二人が所有する資産が積み上がった値が入っていることが確認できると思います。
今回は詳細な説明を割愛させて頂きましたが、FSCでは簡単な設定のみで積み上げ集計ができ、世帯ごとの資産を把握する事ができます。
機能紹介② -活動管理-
続いてはお客様との緊密な関係構築を目的とした活動管理の機能です。
金融業界ではお客様にどのようなアプローチをどれだけ行ったかがに重要な要素となってきます。
そこでSalesforceを使用する銀行員は取引先レコードの「次回接触」「前回接触」項目を見て
「次回アプローチの予定はあるか」
「直近のアプローチから大分日が経過していないか」
等を一目で確認する事が可能です。
金融業界ではお客様にどのようなアプローチをどれだけ行ったかがに重要な要素となってきます。
そこでSalesforceを使用する銀行員は取引先レコードの「次回接触」「前回接触」項目を見て
「次回アプローチの予定はあるか」
「直近のアプローチから大分日が経過していないか」
等を一目で確認する事が可能です。
取引先レコードに表示されている「次回接触」「前回接触」ですが、これらの項目は取引先に関連する行動レコードの日付と活動の記録の日付と連動しています。
「次回接触」はその取引先に関連する直近の行動予定が、「前回接触」は経過した直近の行動日が表示されます。
「次回接触」はその取引先に関連する直近の行動予定が、「前回接触」は経過した直近の行動日が表示されます。
実際に試してみる
それでは試しにレコードを作成してみましょう。
ちなみにレコード作成前の次回接触は2019年8月15日となっています。
取引先に行動を作成します。
開始日と終了日に2019年8月9日と入力し、行動を作成します。
ちなみにレコード作成前の次回接触は2019年8月15日となっています。
取引先に行動を作成します。
開始日と終了日に2019年8月9日と入力し、行動を作成します。
すると取引先レコードの「次回接触」の日付が2019年8月9日に更新されました。
この時点では前回接触は2019年8月2日となっていますが、実際に2019年8月9日を過ぎると前回接触に2019年8月9日が自動的に設定されます。
この機能を用いて顧客とのアプローチ実績や予定を確認する事が出来ます。
また、実施予定、実施済みの行動やToDoの総計が表示されるコンポーネントがFSCには標準で用意されています。
この機能を用いて顧客とのアプローチ実績や予定を確認する事が出来ます。
また、実施予定、実施済みの行動やToDoの総計が表示されるコンポーネントがFSCには標準で用意されています。
世帯内の顧客それぞれに対して実施した活動数が一覧で表示されています。
レポートを作成しなくても活動数が把握できるのは良いですね。
レポートを作成しなくても活動数が把握できるのは良いですね。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回ご紹介した機能はFinancial Services Cloudの機能のほんの一部で、この他にもお客様のロイヤルティ向上を支援する機能があります。
Financial Services Cloudも年3回のバージョンアップがありますので、常に最新情報をチェックするように心掛けましょう。
最後までお読み頂きありがとうございました。
今回ご紹介した機能はFinancial Services Cloudの機能のほんの一部で、この他にもお客様のロイヤルティ向上を支援する機能があります。
Financial Services Cloudも年3回のバージョンアップがありますので、常に最新情報をチェックするように心掛けましょう。
最後までお読み頂きありがとうございました。
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