2024.03.08

TrailblazerDX 2024 Day1 【将来有望なEinsteinくん】参加レポート

みなさんこんにちは。
ただいまサンフランシスコからお送りしております!

今回、Salesforce開発者向けのカンファレンスイベントTrailblazerDX2024に参加しに来ております。イベント2日間のうち、1日目があっという間に終わりました。
さっそくですが参加レポートをお伝えします!!

TrailblazerDXについて

TrailblazerDXとは、主に開発者向けに用意された、Salesforceの最新機能やトレンド情報を紹介するイベントです。今回は特にEinsteinをはじめとするAI機能が大きく取り上げられており、他にもホットなAppExchangeを紹介するブースや、SlackAI機能に関するコミュニティテーブルなど、いたるところで最新技術が盛んに発信されていました。

自分としては、基本的に興味のあるセッションをまわりつつ、空いた時間を利用してブースやトレーニング系のイベントに参加しておりました。
見どころ満載の機能が数多く取り上げられていたので、順々に紹介いたします!

セッション

Automation What's New and What's Coming

Day1セッションの先頭バッターはフローの最新機能についてです。Summer'24やWinter'25にリリースされる新機能が続々と紹介されていきました。

全部で15個ほどあったのですが、特に印象に残ったものを紹介します。
※中にはベータ版が既にリリースされているものもあるので、ぜひ触ってみて下さい!
■Transform Element(データ変換コンポーネント)
外部システムとのデータ連携する際に、データ変換できるコンポーネントがフローに追加されました。データ構造に関係なく2つのデータコレクションを1つに統合することもできるみたいです。
また、連続的なデータ変換をチェインすることで1つのマッピングで完結できる点も魅力的ですね。

■Create Record Element(レコード作成コンポーネントのアップデート)
レコード作成時に、重複レコードがある場合の挙動を指定できるようになります。重複ルールを設定していればフロー処理でエラーが発生するかと思いますが、よりユーザに優しい重複制御が実現できそうですね。
具体的には、以下のケースでそれぞれ制御が可能です。

ケース①:レコード作成時に、1つの重複レコードがある場合
 以下のどちらかを選択
 ・重複レコードを特定の値に更新
 ・レコードを作成しない、重複レコードも更新しない

ケース②:レコード作成時に、複数の重複レコードがある場合
 以下のどちらかを選択
 ・すべての重複レコードを特定の値に更新
 ・直近で更新された重複レコードのみを更新
 ・レコードを作成しない、重複レコードも更新しない
■Component Overhaul:Address(住所の自動補完入力)
住所項目のオートコンプリート機能はすでにリリース済みですが、これが画面フローのルックアップでも使用可能になるようです。また、条件に応じて住所項目を入力必須、もしくは参照のみに設定することも可能になります。

セッションの最後に、フローについて追加してほしい機能があればぜひフィードバックをしてくれとのお知らせがありました。こんな機能があったらいいなぁというものがあれば、#Process AutomationタグをつけてIdeaExchangeに投稿しましょう!

余談にはなりますが、フローに完全移行していくものの、承認フローではワークフローはまだまだ健在のようです(いずれはフローに移行していくとのこと)。フローのユニットテスト機能についても質問の中で少々文句言われてましたが、それほど機能投資されていないのが現状みたいです笑
今後のフローの進化や動向についても注目していきましょう!

Learn Best Practice for Developing Einstein Copilot

続いては皆さんお待ちかねEinsiten Copilotのセッション。フローやApexと生成AIを組み合わせる方法や裏側の処理の流れ、ユースケースについて説明がありました。ここではEinstein Copilotの仕組みについて紹介しようと思います。

まずは前提知識です。
■Einstein Copilotとは?
Salesforce標準搭載の会話型AIアシスタント。質問の回答、コンテンツの生成、アクションの自動化などさまざまなタスクをこなす便利屋さん。

■Einstein Copilot Actionとは?
Einstein Copilot内で実行される具体的なアクションのライブラリ。既存のApexやフローを活用できる。またSalesforce標準のアクションを使用することもできるし、Prompt Builderで作成した独自のプロンプトも利用できる。Einstein Copilotはこれらのアクションを活用して回答を生成する。
まずはEinstein Copilot Actionの仕組みについて、例えばApex処理を活用する場合、そのApexはMetadata Wrapperという処理全体をコントロールするラッパーに組み込まれます。
※このMetadata Wrapperは、その処理をどのようなデータ形式でどのように実行するか、といったApex実行の細かな指示に関する情報を含んでいるメタデータのイメージです

その結果Einstein Copilot Actionが出来上がり、という流れですね。

続いては会話形式でのEinstein Copilotの処理の流れです(裏側を潜入取材!)

1.Conversation:ユーザによって入力された自然言語を分析します
2.Plan:分析した結果、Einstein Copilot Actionを動的に組み合わせて、実行内容や順序をプランニングします
3.Execution:プランニングしたEinstein Copilot Actionを実行します。同時に、AIに対してデータをグラウンディングします
4.Outcome:自然言語で回答が生成されます

予め設定しておいたタスクをAIが自動判断して実行できるなんて、目から鱗ですよね。このタスクをより具体的に、会社独自にカスタマイズし、適切なデータのグラウンディングを組み合わせることで優秀なEinsteinくんに育て上げることができるわけです。

ワークショップ

TrailblazerDXの魅力は最新テクノロジーを学べるセッションだけではありません。参加者がより主体的に取り組む、体験型学びの場も多くあります。

Build Your First Prompt with Einstein Prompt Builder

私が参加したのはPrompt Builderの設定方法を学ぶワークショップ。参加者一人一人にPCが用意されており、講師のレクチャーを聴きながら自分の手でPromptを構築していきます。

レクチャーに加えてオリジナルのテキスト教材が用意されており、様々なユースケースや設定方法がなんと56ページにわたって紹介されていました。
Trailheadで事前に勉強していたとはいえ、設定は初めて触るものばかり。ワークショップ中では9名のエキスパートの方(全員なんとTA取得者!!)が見回っており、2、3回質問して設定でどうしても理解できない部分を解消してくれました。また隣に座っていた男性にもめちゃくちゃ助けてもらいました(優しい世界..)

Camp Trailhead

セッションの空き時間を利用して、講師陣のヘルプを得ながらTrailheadをクリアするCamp Trailheadにも参加しました。

実際に行ったTrailheadは以下の2つ。まだ英語のみ対応のものもありますが、それほど難しい内容ではないのでぜひ皆さんもチャレンジしてみてください!
もしこれらのTrailheadが難しいと感じた場合は、まずは以下のモジュールを実施することをおすすめします!!

最後に

いかがだったでしょうか。TrailblazerDXは開発者向けのセッションが多いだけでなく、ハンズオンを通して最新機能を触れる機会が多く提供されており、技術を極めたい方にとっては非っっっ常に魅力的なイベントであることが伝わったのではないかと思います。

今年度のテーマはCRM+AI+Data+Trust。その中でも私はAIを中心に学びましたが、他にもさまざまなトピックが用意されておりました。自分の興味がある分野を好きなだけ学べるのがTrailblazerDXの最大の魅力かと思います。興味のある方はぜひぜひチャレンジしてみてください!

付録:サンフランシスコでの失敗談

2024/3/5
滞在初日にホテルのルームキーをいきなり無くす。受付の陽気なおじちゃんから「チェックアウト時に200ドルだよ!」と冗談をかまされる。※ちなみに一緒に参加した同僚の○○くんは2回ルームキーを部屋に忘れてました

2024/3/6
トレーニングセッションをクリアしてTシャツをゲット。サイズを聞かれたとき、元気に"Short size, please!"と答える(スタバじゃねぇんだよ..)
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