2022.08.23

B2B Commerce プロモーションの紹介

はじめに

Salesforce Winter'22 バージョンアップから、B2B Commerce プロモーション(Promotion)機能を利用できるようになりました。
特定の商品、商品カテゴリ、またはその他の属性の自動割引機能が提供され、より多くの注文を促進し、B2B ストアの収益を増やすことができます。
今回は、B2B Commerce プロモーションのデータ管理および設定方法を紹介いたします。

プロモーション関連主要オブジェクト

プロモーション関連の主要オブジェクトを紹介いたします。
オブジェクト名 役割
プロモーション プロモーションの基本情報を登録します。その他関連オブジェクトは基本的にプロモーションオブジェクトに紐づく形になります。
プロモーションセグメント プロモーションを利用できるB2B Commerce 顧客(ストア、バイヤーグループ)を指定します。
クーポン 名前のとおり、クーポンを登録します。
プロモーション対象 割引の対象商品や商品カテゴリを指定します。
プロモーション修飾子 割引を適用する条件(最小件数や最小金額等)を指定します。

プロモーションの関連設定

B2B Commerce の顧客が割引を使って商品を注文できるように、事前に割引対象や条件等を設定する必要があります。
ここからは、プロモーション設定の流れを紹介します。
B2B Commerce アプリケーションに、標準機能として「プロモーションワークスペース」が用意されています。これからの設定は基本的にプロモーションワークスペースの中で行います。

プロモーションの登録

プロモーションワークスペース画面の右上にある「新規」ボタンをクリックすると、プロモーションの新規登録画面が表示されます。

主要な設定項目を紹介します。
項目名 役割
名前 プロモーション内部管理用の名称。B2B Commerce ストアには公開されません。
表示名 B2B Commerce 顧客に表示するプロモーションの名前。B2B Commerce ストアに公開されます。
優先番号 優先番号によって、どのプロモーションが最初に適用されるかが決まります。数値が小さいほど優先度が高くなります。
有効 有効にしないとB2B Commerce ストアでは利用できません。
コマースプロモーション B2B Commerce ストアで利用するため、チェックする必要があります。
開始日時 プロモーションの開始時期
終了日時 プロモーションの終了時期
自動 クーポンを利用するかどうか設定します。チェックオンの場合は、割引の適用は自動的に判断するため、クーポンを利用できません。
各項目を入力して、「保存」ボタンをクリックすると、プロモーションのレコードが登録されます。
プロモーションの詳細画面にセグメントやクーポン等のタブが表示されます。
ここからプロモーションの関連設定を登録していきます。

プロモーションセグメントの登録

「セグメント」タブにて、プロモーションを利用できるB2B Commerce 顧客(ストア、バイヤーグループ)を指定します。

プロモーションセグメントの登録画面では、名称のみ入力できます。
セグメントを登録した後、詳細画面の関連リストでストアとバイヤーグループを割り当てます。
複数のストアまたはバイヤー グループをセグメントに割り当てることができます。
B2B Commerce 顧客が割り当てられたストアまたはバイヤーグループのいずれかのメンバーである場合、プロモーションを利用可能になります。
以下はストアとバイヤーグループが割り当て済みのセグメントの例です。

クーポンの登録

「クーポン」タブにて、プロモーションで利用できるクーポンを登録します。
「自動」ではないプロモーションではクーポンの登録が必要ですが、「自動」であるプロモーションにクーポンを登録するとエラーになります。
登録項目がシンプルなので、詳しい説明は割愛します。

割引方法の登録

「割引」タブにて、プロモーションの割引方法を指定します。

主要な設定項目を紹介します。
項目名 役割
対象 割引する特定の製品または製品カテゴリを指定します。注文全体を割引するには、対象を空のままにします。
対象種別 上記の対象に合わせて対象種別を指定します。対象を空のままにした場合は、 「トランザクション」を選択する必要があります。
調整種別 パーセント割引や固定額の割引等の割引の計算方法を指定します。
調整率 パーセント割引の調整種別を指定した場合、具体的な割引率を指定します。
調整金額 固定額の調整種別を指定した場合、具体的な割引金額を指定します。

プロモーション修飾子の登録

「対象」タブにて、プロモーション修飾子を登録します。
日本語翻訳が若干分かりにくいですが、簡単に言うと、割引を適用するための条件(注文最小数量や最低金額等)を指します。
「注文対象商品をカートに入れたとしても、一定の数量以上じゃないと割引が適用できない」といった制御をするのが、プロモーション修飾子です。

主要な設定項目を紹介します。
項目名 役割
限定子 割引する特定の製品または製品カテゴリを指定します。注文全体を割引するには、限定子を空のままにします。
限定子種別 限定子の設定に合わせて限定子種別を指定します。限定子を空のままにした場合は、 「トランザクション合計」を選択する必要があります。
最小数量 割引を適用するための最小注文数量を指定します。
最小金額 割引を適用するための最小注文金額を指定します。
以上で、プロモーションに関連する各種データを登録できました。
B2B Commerce の顧客がプロモーションを利用するために、B2B Commerce ストア側の設定も必要です。
標準機能としてプロモーション関連のコンポーネントがすでに用意されているため、Experience Builderを使って簡単に画面をカスタマイズできます。

Experience Builder でのカスタマイズ

Experience Builder で利用できるB2B Commerce のコンポーネントには、プロモーションを表示や操作するためのコンポーネントがすでに用意されています。
現時点では、カート画面しか設定できません。
プロモーションの関連コンポーネントを紹介します。
コンポーネント名 役割
カート B2B Commerce 顧客がカートに入れた商品及び数量、合計金額等を表示します。個別商品の割引についても表示できます。
クーポン クーポンコードの入力・変更します。
プロモーション カートに適用されたすべてのプロモーションを表示します。
カート合計 カートに入れた商品の合計金額や割引合計金額を表示します。
こちらは、プロモーションを反映したカート画面の設定例です。

おわりに

以上B2B Commerce のプロモーションについて紹介いたしましたが、如何でしょうか。
ノーコードで注文時の商品割引機能を実現できて、本当に素晴らしいと思います。
ただ、将来的に改善してほしい箇所もいくつかありました。
例えば、カート画面まで進まないと、どの商品に割引を適用できるか分かりません。
トップ画面や商品一覧画面、商品詳細画面にも割引情報を表示できれば、更に販売促進につながるかなと思いました。
これからのバージョンアップに期待したいと思います。

最後までありがとうございました。
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