2025.06.13

Connections 2025 Day2:Agentforceを使ったAIの世界を覗き見してきた!

Day2 完!!

こんにちは!引き続き、Salesforce Connections 2025の情報をお届けします。
あっという間にDay2も終わり、2日間のイベントが幕を閉じました。
海外でのSalesforceイベントに初参加ということもあり、すべてが新鮮でたくさんの学びがありました。

今回は私がDay2で参加したAgentforce関連のセッションで学んだことを、みなさんに共有させて頂きます!

Agentforceとは

まずおさらいとして、Agentforceとは何かについて説明させて頂きます。

Agentforceとは、Salesforceが提供する自律型AIシステムです。
従来のAI(チャットボットや生成AI等)は、人間が与えた指示やデータに基づいて特定のタスクを実行するのに対し、自律型AIは人間が設定した目標に対し自ら計画を立て、行動を判断し実行する能力を持っています。
Agentforceは、Data Cloudを基盤として集約された顧客情報から最適な行動の判断や提案をします。

例えば・・
・顧客対応の自動化とパーソナライズ(問い合わせに対し顧客情報やFAQのDB等を元に適切に回答)
・営業活動の効率化と生産性向上(顧客情報を分析し最適な提案資料やトークスクリプトを自動生成し、営業担当者の準備時間を削減)
・マーケティング活動の最適化(顧客の行動履歴や購買履歴に基づいて、パーソナライズされたマーケティングキャンペーンやプロモーションを自動で生成・実行)

このように、AgentforceはSales、Service、Marketing、Commerceなどさまざまなチャネルで活用ができ、企業の業務やカスタマーサービス・サポートの効率化が期待できます。

次からは、実際にセッションの中で紹介されていた例をいくつかご紹介します。

営業担当の準備支援

銀行のローン担当者が、顧客にどのように営業アプローチするべきかを提案するシナリオです。
・メールを受け取った女性が住宅ローンに興味を持ち、ローンの担当者との面談を予約
・担当者は、Agentforceのロールプレイング機能を使い、顧客との面談の練習
・Agentforceは、担当者の話し方を評価し、改善点を顧客情報や企業の販売戦略を元にフィードバック

Agentforceを使うことにより、担当者はより効果的に正確な提案ができるようになります。

不正利用対応

銀行の不正利用が検知した時の顧客への確認および対応を行うシナリオです。
・Agentforceは、不正利用された取引が過去の平均取引額と大きく異なることや、取引場所が普段と違うことを自動で検知し、不正であることを特定
・顧客が銀行口座の不正利用通知をSMSで受け取る
・Agentforceがチャットで状況を確認し、顧客は簡単な質問に答えるだけで不正利用の報告が完了
・Agentforceは自動でケースを作成し、担当者に通知
・担当者は統合された顧客プロファイル(Data Cloud)から、過去の取引履歴や顧客情報を瞬時に確認
・Agentforceは、ケースの概要を作成し、次のアクション(仮のクレジット提供など)を担当者に提案

これにより、顧客は従来のように電話で長時間待たされるといったストレスがなくなったり、担当者は顧客情報からAgentforceが作成した分析結果を確認することで必要な行動が明確になります。

実際の設定画面

セッションでは活用事例だけでなく、設定画面についての説明もありました。
Agentforceは、プロンプトビルダーから目的に沿ったプロンプト(指示の事前設定)を作成しておくことでフロー等から呼び出すことができます。

プロンプトビルダーを呼び出しているフロー

プロンプトビルダーは以下のように3分割されている画面があり、左側の画面ではプロンプトの設定、中心はロジック、右側は結果を表示する画面になっています。
(写真がちょうど読み込みのタイミングになってしまい表示されていませんが・・)

この画面内にある「Preview」ボタンを押すことでロジックと結果の表示を確認することができるため、作成者はプロンプトの設定とテストを同じ画面で簡単に行うことができます。

Agentforce導入にむけてのロードマップ

Agentforceの導入にあたり気を付けるべきことを学ぶセッションもありました。

実は、多くの企業がAIエージェントの導入を検討・開始していますが、最大85%が失敗に終わっているという調査結果があるそうです。

その結果から成功の為に必要な4つのポイントは以下になります。

1. 小さく始める:最初のAIエージェントは、最初は複雑な機能を持つものではなく、「シンプルで、構造化され、明確に定義されたタスク」から始めるべきです。これはリスクを最小限に抑えるために重要です。
2. 内部利用から始める:顧客向けのユースケースよりも、社内向けのユースケースから始める方が、リスクが低く、フィードバックも得やすいです。
3. 失敗を想定する:AIエージェントが失敗した場合のシナリオを想定し、エスカレーションのルールや人間の介入ポイント(フォールバックロジック)を明確に設計することが不可欠です。
4. 徹底的にテストする:AIエージェントを壊すつもりで、あらゆる質問やシナリオを試し、フィードバックループを確立します。

また上記のポイントを元に、一度で完成させるのではなく、継続的に反復・改善し徐々に機能を追加していく長期的なロードマップを描くことが成功につながるとのことでした。

最後に

Agentforceの様々な活用事例を聞いて、より実際の導入のイメージが持てました。
またご紹介した内容以外にも、Slackでの活用事例が多くのセッションで触れられておりSlack×Agentforceの将来性もかなり期待が持てました。

はじめにも書きましたが、本当にあっという間の2日間で、未来の話だと思っていたAIの便利な機能がもうすぐそこにあると感じられてとてもワクワクしました!So Excited!!

どんなことでも終わりは寂しいものですが、もっと知識をつけてまたいつか参加したいです!
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