2017.10.23

Amazon ConnectとServiceCloudで簡易コールセンターシステム構築してみた

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はじめに

みなさま、こんにちは。
テラスカイ西日本の山室です。

先月開催されたSalesforce World Tour TokyoでもAmazon Web ServicesのAmazon ConnectとSalesforce.comのService Cloudとの連携が話題になっていたましたので、今回は実際につなげてみようということでざっくり駆け足になりますが構築方法を紹介してみたいとおもいます。

それでは早速やってみよう

まずは、下記のURLからAWSアカウントを作成しましょう。
※AWSアカウントの作成にはクレジットカードの情報が必要ですのでご注意ください。
https://aws.amazon.com/jp/free/

AWSアカウントを作成できましたら、右上の「コンソールへログイン」からメールアドレスとパスワードを入力しマネジメントコンソールへログインします。

検索窓からAmazon Connectサービスを検索します。

Amazon Connectサービスの詳細画面に移りましたら、まずリージョンを選択しましょう。
※2017/10/21現在対応リージョンはバージニア北部、フランクフルト、シドニーのみとなっています。
今回はシドニーを選択し「インスタンスを追加する」ボタンからウィザードに従い新しくリソース設定を登録します。

  1. ID管理
    「Amazon Connect 内にユーザーを保存」を選択し、任意のドメインを設定します。

  2. 管理者の作成
    作成するインスタンスの管理者ユーザを作成します。
    ※今回はスキップします。

  3. テレフォニーオプション
    「着信通話を Amazon Connect で処理します」、「発信通話を Amazon Connect で処理します」それぞれにチェックをします。

  4. データストレージ
    通話記録やエクスポートしたレポートの保存場所を設定します。
    ※今回は初期設定のまま進めます。

  5. レビューと作成
    設定した内容を確認し、問題ない場合は「インスタンスの作成」ボタンを押します。

以上で、AmazonConnectのインスタンス作成は完了です。

それでは、インスタンス名をクリックし「管理者としてログイン」からAmazonConnectへログインしましょう。

AmazonConnectの設定をしてみよう

AmazonConnectのホーム画面を開くと、ダッシュボードに設定ガイドが表示されていますので、今回はこちらのステップに沿ってAmazonConnectの設定を行っていきます。

  1. 電話番号を取得する
    まずは、コールセンターに欠かせない電話番号を取得します。
    料金無料通話で、国/地域を日本に設定すると候補がいくつか表示されるので、適当に選択します。
    電話番号ごとにどの問い合わせフローを利用するか設定可能ですが、後ほど変更可能なので一旦サンプル作成されたフローを設定します。

  2. オペレーション時間の設定
    こちらではコールセンターのオペレーション時間を設定可能です。
    タイムゾーンに日本を選択し、稼動する時間帯を曜日ごとに設定します。
    ※祝日設定などはできなそうです。

  3. キューの設定
    こちらではキューにより、問い合わせを最適なエージェントにルーティングして対応できます。
    優先度の異なる問い合わせをルーティングするか、別のスキルを持つエージェントにルーティングする必要がある場合は、複数のキューを作成する必要がありますが、今回はデフォルトのBasicQueueのみで進めます。

  4. プロンプトの作成
    こちらでは応答メッセージなど問い合わせフローに対して再生する音声データを作成できます。
    また、当画面では、既存の音声データのアップロードや音声データの録音が可能です。
    問い合わせフローの中ではPollyを利用したテキスト読み上げも可能ですので、今回は別途録音をせずに進めます。

  5. 問い合わせフローの作成
    こちらでは各アクションごとにフローをGUI操作で作成できます。
    初期配置としてはエントリポイント(開始)アイコンが用意されているので、画面左側のパレットからフローにあわせたアクションをドラッグ&ドロップで配置します。
    ※後述にて簡単なフロー作成を紹介いたします。

  6. ルーティングプロファイルの作成
    こちらではプロファイルに属するエージェントがどのキューを対応できるか設定します。
    ※今回はデフォルトのBasic Routing Profileのみで進めます。

  7. ユーザーの設定
    こちらではコールセンターエージェントの追加や管理、ルーティングプロファイルを設定します。
    「新しいユーザーの追加」ボタンよりエージェントを登録します。
    ユーザの詳細の追加にて必要事項をすべて入力します。

※ルーティングプロファイルには「Basic Routing Profile」を設定してください。
それでは一旦、登録した電話番号に架電してみましょう。
※リージョンが海外なので取得した電話番号に国コード「+81」をつけてください。
応答メッセージが英語ですが、問い合わせフローが動いているのがご確認いただけます。
これではちょっとさびしいので、今回は簡単な問い合わせフローを作成してみましょう。

ダッシュボードの問い合わせフローの表示から、新しい問い合わせフローを作成します。

画面左のツールパレットからフローにあわせたアクションをグリッド内にドラッグ&ドロップで配置していきます。

まずは、応対する音声を設定しましょう。 左のツールパレットより「音声の設定」を配置します。 配置した「音声の設定」ヘッダーをクリックすると言語と音声が設定できます。言語を日本語にすると「Mizuki」さんを選択できるようになりますので設定します。 次にエントリポイントの「開始」から「音声の設定」へフローを引きます。

つぎは、架電があった際のメッセージを設定しましょう。 左のツールパレットより「プロンプトの再生」を配置します。 プロンプトライブラリより選択します:登録してある録音データを利用できます。 テキスト読み上げ機能 (アドホック):テキストを自動音声で読み上げてくれます。 今回はテキスト読み上げ機能を利用して、テキストの入力欄に読み上げる挨拶文を設定し保存します。 ※自動音声のため、イントネーションや声のトーンがロボットみたいですがAmazonPollyを利用しているのでSSML形式でメッセージを記述すればより人間が応答しているような音声に変更できます。

つぎは、お客様が問い合わせたい内容を選択できるようにしましょう。 左のツールパレットより「顧客の入力を取得する」を配置します。

こちらもテキスト読み上げ機能を利用して読み上げたいメッセージを設定します。 オプションにてお客様がダイヤルキーで行った操作によって後続処理を分岐させることができます。 今回は条件を「1」を押したとき、「2」を押したときの2つ追加しましょう。 ※お客様がダイヤルキーを押すタイムアウトの設定も10秒に変更しましょう。

つぎは、プッシュされたダイヤルキーごとに振り分けるキューを設定します。 左のツールパレットより「キューの設定」を2つ、「キューへの転送」を配置します。 各条件から振り分け先の「キューの設定」にフローをつなぎ、それぞれ成功した場合は「キューへ転送」につなぎます。 キューへ転送されるとキューに属しており、受話可能なエージェントに通知されます。

受話可能なエージェントがいなかった場合やエラーが発生した際のプロンプトを配置して、最終的には「切断ハングアップ」へフローが流れるようにします。

最後にフローが完成したら、フローの名前と説明を入力して、画面右の「保存」ボタンを押してください。 作成したフローを公開する準備が整いましたら、「▼」から保存して発行をしてください。

それでは登録したフローを電話番号に設定してみましょう。
「電話番号の管理」画面から電話番号を選択し、「問い合わせフロー/IVR」に先ほど作成した問い合わせフローを設定します。

実際に登録した電話番号へ架電すると作成したフローが流れているのが確認いただけると思います。

以上でAmazon Connect側の設定は完了になります。

Salesforce ServiceCloudの設定をしてみよう

今回はすでにDeveloper組織を取得している前提で記載します。
※細かなコンソールの設定、アプリケーションの設定などは割愛させていただきます。

  1. Amazon Connect CTI Adapterのインストール
    AppExchangeよりDeveloper組織へ「Amazon Connect CTI Adapter」をインストールします。
    ※AppExchangeからのパッケージインストール方法に関しては当投稿では割愛します。
    AppExchangeURL

  2. コールセンター定義のダウンロード
    以下URLからSalesforce Call Centerを構成するための AmazonConnectCallCenterConfig.xml ファイルをダウンロードします。
    XMLダウンロード

  3. コールセンター定義のインポート
    Salesforceへログインし、設定>コールセンターより項番2でダウンロードしたXMLファイルをインポートします。

  4. コールセンター定義の編集

    1. コールセンターの詳細を開き、利用するSalesforceインターフェースに基づいて次のいずれかにCTI Adapter URLを変更します。
      - / apex / amazonconnect__ACSFCCP_Classic
      - / apex / amazonconnect__ACSFCCP_Console
      - / apex / amazonconnect__ACSFCCP_Lightning
      ※今回は「/ apex / amazonconnect__ACSFCCP_Lightning」を利用します。

    2. Amazon Connect CCP URLの「yourinstancename」部分を、取得したAmazon Connectのインスタンス名を入力します。

    3. Phone Number Formattingの国コードを「JP」に変更し保存します。

 5.コールセンターユーザの登録
  「コールセンターユーザの管理」からコールセンターを利用するユーザを登録します。

 6.ソフトフォンレイアウトの変更
  コールセンター > ソフトフォンレイアウトから画面ポップ設定をキャプチャのように編集します。
  ※架電があった際の画面動作を設定できます。

 7. Lightningアプリケーションの作成
   アプリケーションマネージャより新規Lightningアプリケーションを追加します。
    1. アプリケーションオプションをコンソールナビゲーションに設定します。
    2. ユーティリティバーにキャプチャのとおり、OpenCTIスマートフォンを追加します。

 8. リモートサイトの追加
   設定 > セキュリティ > リモートサイトの設定からAmazon Connectのドメインを追加します。
   (例)https://「yourinstancename」.awsapps.com

 9. オリジンの追加(AWS側)
   1. AWSへログインし、AWSマネジメントコンソールから作成したAmazon Connectをクリックします。
   2. アプリケーション統合画面から「オリジンの追加」をクリックし下記のVisualforceのドメインを追加します。
    ※[instance]はお使いのSalesforce組織にログインした際にURLに表示される「ap5」などです。
    (例)https://amazonconnect.[instance].visual.force.com

以上でSalesforce側の設定は完了になります。

それでは動かしてみよう

Salesforceへログインし、作成したLightningConsoleアプリケーションに切り替えます。
アプリケーションを切り替えると画面左下に「Phone」ボタンが表示されています。
こちらのボタンを押下するとコンソール上にソフトフォンが立ち上がり、別タブでAmazon Connectのログイン画面が表示されます。
ログイン画面にて作成したエージェントのID、パスワードを入力しログインしてください。
※別タブで開いた画面は閉じてしまって問題ありません。

ログインが成功するとコンソール上のソフトフォンが上記キャプチャのようになります。
※状態が「Available」になっていると受話可能な状態となりますので、なっていなければ「ステータスの変更」から「Available」へ変更してください。

それでは、適宜Salesforceへ取引先責任者のデータを作成し、架電してみましょう。
取引先責任者に架電した電話番号が未登録の場合には、新規取引先責任者の作成画面が表示されます。

取引先責任者に電話番号が登録されている場合には、ポップアップで取引先責任者の情報が表示されます。
※リージョンの問題だと思われますが、登録されている電話番号は国番号付きでないと検索ではヒットしないため、国内市外通話識別番号をとった形で登録しておく必要があります。
例) 03-XXXX-YYYY → +81 3-XXXX-YYYY

まとめ

今回構築した仕組みは、単純なものなので本来のコールセンター業務に耐えうるものではありませんが、AmazonConnectとServiceCloudを利用すれば従来よりも気軽にコールセンターの仕組みを構築できることをご理解いただけたと思います。
実際私も、調べながらですが1日もかからずに構築ができました。
ブログにまとめるのが時間かかりましたが....

所管としては、まだ日本で開始したばかりのサービスのため、日本語のドキュメントが少ないことや前述した電話番号の件などがあるため、もう少し検証が必要ですが専任のコールセンター担当がいらっしゃらない比較的小さな規模のコールセンターのスタートアップであれば低コスト・短い開発期間で構築できると感じました。
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