2019.09.09

成果の出るRPAの使いどころ

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はじめに

こんにちは。テラスカイでRPA導入を担当する吉川です。

今回のTech blogでは、テラスカイの考える「成果の出るRPAの使いどころ」をご紹介していきます。
この内容は、本年7月19日に行われた【TerraSkyDay 2019】breakout sessionの内容を中心に記載しています。
なお、RPAについては2018年10月の記事もご覧ください。

RPAへの期待

RPAへの市場の期待

矢野経済研究所によると、RPAの市場規模は拡大の一途と予想されています。予想される市場規模は「RPAツール製品」と「RPA関連サービス」を合わせて、2018年度の41,800(百万円)から2022年度の80,270(百万円)と4年間でほぼ2倍になります。
しかし、当初の急激な成長からは少しずつ状況が変わりつつあります。既にPoCを終え、パイロット業務の開発まで進めている企業も多くなってきましたが、いきなり「成功した!」とは、いかないようです。むしろ「成功しなかった」と考える企業が散見されるようになってきました。調査会社のガートナーは、現在のRPA市場は幻滅期に入りつつあるとしています。矢野経済研究所の予想も2018年度以降の成長曲線は緩やかになります。(2016年度から2018年度は毎年約2倍の成長実績:矢野経済研究所調べ)

これは、導入企業が持っていた高い期待値とRPAの実力とのギャップによるものでしょう。皆さんの周りでも、「導入してみたけど、思ったほど成果が出なかった」という声を聞かれることはないでしょうか?

RPAに対する過度な期待

では、このRPAの期待値と実力の間にあるギャップとはどのようなものでしょうか?RPAベンダー大手のUiPath社が提示している「RPAに対する誤解」をご紹介します。(UiPath「RPAに対する誤解」一部抜粋)

<誤解>
 ・RPAの主要ドライバーはコスト削減である。
 ・ロボットは人間の仕事を奪う。
 ・RPAがデプロイするのは、エラー発生率0%の完璧なロボットである。
 ・ロボットは人間のように考えることができる。

<真実>
 ・コスト削減は、主要ドライバーの一つに過ぎない。
 ・ロボットの主目的は、人が行うべき作業の有効性と効率性を強化することである。
 ・作業の模倣は100%の精度でできるが、「外的」環境の変更でエラーは起き得る。
 ・人間のふるまいを真似るだけであり、マシン・ベースのコグニティブな知能を
  併せ持つことで初めて人間の推論を模倣することができる。

つまり、RPAツールが「頭脳」を持った所謂「アンドロイド」というのは過度な期待で、現在導入可能なRPAツールは、「手」としての「産業用ロボット」の役割を担うものと認識し、人的ワークフォースと共存し、能力を拡張する存在として、企業に導入することが成功の秘訣と言えそうです。

RPAは「頭脳」ではなく「手」

現時点でRPAに期待すべきこと

次に、現在のRPA(「手」としての「産業用ロボット」)に期待する具体的な機能についてみていきましょう。以下の2点がポイントとなります。

 ・単純・大量・繰り返し手順の自動化
 ・人間インターフェースの代替

「単純・大量・繰り返し手順の自動化」については文字通りです。ここでは「人間インターフェースの代替」について少しご説明します。

現代の企業が使用するITシステム全般は、様々なインフラ・システムにより構築されています。これらシステム同士の媒介は、まだ多くを人間が行っています。これは、連携システムへの投資するほど「費用対効果」が見込まれなかったり、長期にわたる「構築期間」の内に前提となるシステムが変更になる可能性が有り、投資に足踏みしている為です。

RPAはシステム投資ほどの費用が掛からず、短期間に構築可能な為、このシステム同士の媒介に向いているのです。

RPAに期待すべきこと

システム連携におけるRPAの実力発揮

一方、この「人間インターフェースの代替」にはDataSpider Cloud等のEAIツールやETLツールも有効なソリューションとして存在します。それでは、RPAツールはこれらEAI/ETLツールととどのように共存していけるのでしょうか。

複数のシステム間の一連の連携処理の中で、一部にでもEAI/ETLツールでは連携処理ができないようなシステムがある場合、どうしても人の手が必要になります。ではEAI/ETLツールで連携できない処理とはどのようなものでしょうか?それは、データベースへのアダプタが提供されておらず、且つUIにCSV出力のような外部出力機能も実装されていないシステムです。このようなシステムの多くはメインフレームやオフコンで構築されたレガシーシステムです。中にはWEBで構築されたSaaSにおいても同様の事があります。RPAに話を戻すと、RPAは人間の操作をそのまま再現できるツールの為、このような場面でも代替が可能なのです。

それ以外にも、画面情報を読み込んで次の処理に使用する等、UIを操作しないと実現できない(もしくはシステム開発するには費用対効果が少ない)場面でもRPAは実力を発揮します。

RPAの実力発揮

成果を出すRPA導入体制

現場放任の落とし穴

ここまでRPAの使いどころについてお話してきましたが、次に導入にあたっての注意点をみていきましょう。RPAの売りといえば「ユーザー部門で開発が可能なツール」ですが、これを鵜呑みにし、ユーザー部門任せにした結果、統制の取れない所謂「野良ロボット」が発生するという話をよく聞きます。そうすると、基幹システムをレガシーシステムからリプレイスする等の大きな投資を行う際に、「現場で作成したRPAが使えなくなってしまう」、「RPAが何をしているかよくわからない」等のRPAありきの課題がユーザー部門から続出し、リプレイスが進まなくなることも起こり得ます。「ユーザー部門で開発可能なツール」であるが故に、システム全体を見渡した統制の中で開発を進める事が重要となるのです。

CoEのススメ

そこでおススメなのが、最近RPAと同様に耳にすることが増えた「CoE」の構築です。CoEはCenter Of Excellenceの略で、IT部門・ユーザー部門・経営層が一緒になってRPA構築にあたる核となる組織です。そのCoEでは、全社のICTビジョンを元にしたRPAロードマップを作成し、それに応じたRPA利用計画の立案と実行を行います。RPAはスクラップ&ビルドを前提に構築していくことで、常に最適なシステム構成を実現できるのです。CoEについては、別途記事がありますのでそちらもご覧ください。

全社ICTビジョン実現の為の便利ツール

成果を出すRPAの使いどころ

現在、社会全体はDX(デジタルトランスフォーメーション)へ向けて進んでいます。その過渡期の全社ICTビジョンを実現する過程では、様々な「隙間」が生じます。その「隙間」を期間・費用の面で柔軟に埋めていく事が、RPAがもっとも成果の出せる使いどころなのではないでしょうか。

最後に

ここまで、RPAの現状課題から最適な利用シーンについてみてきました。まだまだ発展途上のRPAは今後AIと融合しDXのインフラになる事が予想されています。多くの企業が足踏みしている今こそ、RPA構築の基盤を整備し、いち早くDX時代のスタートを切ってみませんか?

我々テラスカイでも、RPA構築のお手伝いをしています。下記より気軽にお問い合わせください。

それでは。
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