2020.02.12

mitoco 管理者必見!カレンダーと文書管理を連携してみた

テラスカイが提供する mitoco は、ビジネスのコラボレーションに必要なスケジュール管理、タスク管理、情報共有(チャット、掲示板)、ワークフロー、ドキュメントライブラリ、更には顧客管理機能も備わっており、データの分析までできてしまうという、とても優れたサービスです。
Salesforce プラットフォーム上で構築されているため、強力なカスタマイズ機能も備えています。
本 Blog では、そのカスタマイズ機能をほんの少し使って、mitoco の使い勝手を大きく向上させてみたいと思います。

mitoco V10 でリリースされた「カレンダーポップオーバーのカスタマイズ機能」

「カレンダーポップオーバー」とは、mitoco カレンダーに登録されたスケジュールをマウスオーバーすると概要が小窓で表示されるとても便利な機能です。
このポップオーバーに表示される内容(項目)は、V9 まではアプリケーション固定で利用環境に合わせたカスタマイズができなかったのですが、2020 年 1 月にリリースされた V10 より、任意の項目が配置できるようになりました。

ポップオーバーには参照項目や URL 項目を置くことができますので、スケジュールの詳細を開かずともポップオーバーから素早く関連先やリンク先にアクセスできるようになり、使い方次第ではかなりの生産性向上が期待できますので、この機能はぜひ使ってみることをおすすめします。

ユースケース:カレンダーポップオーバーから文書管理の「会議記録」へジャンプ!

では、カスタマイズの一例として、文書管理に保管した会議記録とカレンダーをリンクさせて、登録された会議スケジュールから会議記録へ素早く遷移する方法を紹介します。
まずは、出来上がりイメージをご確認ください。

フル画面だとこんな感じですが、小さくてわかりにくいかと思いますので拡大した画像もお見せします。

議事録などの会議記録は文書管理で一元管理するけれども、カレンダー起点でも会議記録にアクセスが可能になるというユースケースです。
スケジュールの説明欄やカスタム項目に記録を書いてしまうという手もありますが、それだと閲覧可能ユーザがスケジュールのアクセス権に依存してしまいますし、1 年経ったらアーカイブされてしまうため、「記録を残す」という観点からすると少々不向きです。文書管理を活用した方が良いでしょう。
こちらは、そんな文書管理とカレンダーを連携させたソリューションとなっています。

設定方法

では、設定方法を詳しく見ていきましょう。
なお、本 Blog で紹介している設定方法はシステム管理者権限をお持ちの方向けの説明となっています。
システム管理者以外のユーザの場合は設定できない箇所がでてくる可能性がありますので、予めご承知おきください。

Step1: まずは URL をカレンダーポップオーバーに表示してみる

「カレンダーポップオーバーから文書管理の特定のファイルを直接開く」というのが目的ですから、まずはカレンダーポップオーバーにファイルへの URL を表示させてみて、どのような UI になるのか確認してみたいと思います。
以下の内容で、活動カスタム項目を作成してください。
項目の表示ラベル 会議記録リンク 任意の文字列でOK
項目API参照名 MinutesURL 任意の文字列でOK
データ型 URL -
活動カスタム項目の具体的な作成方法がわからないかたや、活動カスタム項目とはなんぞや?という方は、ヘルプサイトをご確認ください。
項目を作成したら、行動のページレイアウトとミニページレイアウトに追加します。
カレンダーポップオーバーはミニページレイアウトの設定が反映されますが、ページレイアウトに項目を配置していないとミニページレイアウトにも配置できませんのでご注意ください。

ページレイアウトへの追加

ミニページレイアウトへの追加

ページレイアウトとミニページレイアウトへ追加したら、mitoco アプリケーション設定で、ミニページレイアウトの内容をポップオーバーで利用するオプションを有効化し、ページレイアウトを再取得します。

無事、作成した項目がカレンダーポップオーバーに表示されました。

実際に URL を入力して、動作確認してみましょう。
文書管理に保管した会議記録リッチテキストをプレビューし、ブラウザのアドレスバーで URL をコピーします。

会議記録をリンクさせたいスケジュールを開き、先程ページレイアウトに追加したカスタム項目にペーストして保存します。

カレンダーポップオーバーに会議記録への URL が表示され、クリックすると文書管理のリッチテキストファイルがプレビューされました。

Step2: 数式を使ってもっとスマートに表示してみる

以上の設定で、「カレンダーポップオーバーから文書管理の特定のファイルを直接開く」という目的は無事達成できたのですが、長い URL をそのまま表示してしまうとせっかくの小窓も縦長になってしまい、ユーザビリティも下がりますし見た目もちょっとイケてないですよね。
そこで、先日私の同僚が Blog で紹介した数式テクニックを使って、任意の文字列でハイパーリンク化してみたいと思います。
以下の内容で、活動カスタム項目を作成します。
項目の表示ラベル 会議記録 任意の文字列でOK
項目名 MinutesLink 任意の文字列でOK
データ型 数式 -
数式の戻り値のデータ型 テキスト -
数式 ※下記参照 "MinutesURL" は Step1 で作成した項目名にする
IF( ISBLANK( MinutesURL__c ) ,
 "未設定" ,
 HYPERLINK( MinutesURL__c , "開く" , "_blank")
)
HYPERLINK 関数の設定
会議記録リンクに入力があれば "開く" というハイパーリンクを表示し 、入力がなければ "未設定" という文字列を返す数式を組んでいます。
項目を作成したら、Step1 で作成した項目と同様に行動ページレイアウトとミニページレイアウトに追加して、Step1 で作成した項目はミニページレイアウトから外します。
項目の追加と削除が終わったら、mitoco アプリケーション設定からページレイアウトを再取得します。

無事、ハイパーリンク化できました!
これでかなりスッキリしたと思います。

Step3: もうひと工夫してカスタムボタン風に表示してみる

ここまででもかなりグレードアップした感がありますが、もうひと工夫してユーザをアッと言わせてみましょう。
先程作成した数式項目は HYPERLINK 関数を使用しましたが、この HYPERLINK 関数と IMAGE 関数を組み合わせると、ハイパーリンク文字列部分に画像を表示させることができるようになりますので、その方法を紹介します。
ボタン用の画像をまず作成します。PowerPoint などでお好きな画像を作ってみてください。
自作の画像を使うとアプリにすごく愛着が湧くのでぜひ自作をおすすめしますが、まずはてっとり早く試してみたいという方のために出来上がりイメージで紹介した画面に使用したサンプル画像を置いておきます。ダウンロードして使って下さい。

「開く」ボタン用画像

button_open.png (1.56 KB)
画像を準備したら、画像を静的リソースにアップロードします。名前は任意のもので構いません。

静的リソースへのアップロードが完了したら、静的リソース名をコピーしておきます。私が作成した静的リソース名は "button_open" です。
Step2 で作成した活動カスタム項目を編集します。
数式項目の "会議記録リンク" という文字列部分を削除して、IMAGE 関数を挿入します。

IMAGE 関数のパラメータにてアップロードした静的リソース URL と画像サイズを指定します。
静的リソース URL は、"/resource/" の2個めのスラッシュの後ろに先程コピーした静的リソース名をペーストします。
サイズは指定しない場合、等倍で表示されます。ご用意された画像の大きさにあわせて適宜調整してください。
IF( ISBLANK( MinutesURL__c ) ,
 "未設定" ,
 HYPERLINK( MinutesURL__c , IMAGE( "/resource/button_open" ,"開く" , 32 , 60 ) , "_blank")
)
IMAGE 関数のパラメータ設定
数式項目を保存して完了です。
再度、mitoco アプリケーション設定のページレイアウト再取得を実行して、動作確認してみましょう。
会議記録を開くハイパーリンクがカスタムボタン風のデザインに変わっていることが確認できると思います。

補足

ページレイアウトとそれに付随するミニページレイアウトはレコードタイプごとに切り替えることができます(レコードタイプへのページレイアウト割り当て)。
レコードタイプごとに異なるページレイアウトを割り当てることで、mitoco のカレンダーポップオーバーやスケジュール詳細画面に表示する項目を出し分けることが可能となります。
例えば、レコードタイプ「社内会議」にのみ、会議記録へのリンクを表示させて、レコードタイプ「イベント」の時は表示させない、といった運用を行うと、より活用の幅が広がります。

ぜひ自組織にマッチする使い方を模索して、試してみてください!
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