2020.08.20

mitoco活用!Flow Builderでカレンダーの「場所」を自動入力する方法

Flow Builder

会議を開催する場合、社員の予定とともに会議室も押さえますよね。mitocoの場合、以下のような手順で会議のスケジュール登録を行います。

1. 社員を招集する
2. 会議室を押さえる
3. 会議室の名前をカレンダーの「場所」項目に書く

3番目の「場所」はmitocoやSalesforceにおいてスケジュールの上にカーソルを移動すると表示される項目です。この場所の項目に会議室が記載されているとカーソル移動で確認できますが、記載されていない場合は「詳細」ボタンをクリックして会議室を確認する必要があるため、煩わしく感じます。

mitocoカレンダーで予定をマウスホバーすると「場所」が表示される

今回ご紹介するのは会議室を押さえたら、自動的にその予定の「場所」項目に会議室名を入力する方法です。自動入力されるので、予定作成時間の短縮にもなります。

そんな便利な機能について、「Flow Builder」というSalesforceの標準機能を使って設定する方法をご紹介します。

「場所」項目に会議室名を自動的に入力する

Flow Builder(フロービルダー)とは

Flow Builderとは、Salesforceで「画面の作成」や「独自処理」を行うためのアプリケーションです。マウスで操作できるため、プログラムが書けなくても利用できます。

Flow BuilderはSalesforceの設定の「フロー」から表示します

前提条件について

1. 設定できるのはSalesforce「システム管理者」かつ「Flow Builder でフローを開く、編集または作成する* 」権限を保有しているユーザです
2. SalesforceのIDをmitoco側で登録していない施設(mitocoだけで利用できる施設)が対象です
3. 場所に表示できる会議室は一つのみです
4. 会議室の施設は名前に「会議室:○○○○」として頭文字をつける必要があります
5. 繰り返し予定には対応していません

* https://help.salesforce.com/articleView?id=flow_build.htm&type=5

設定手順

1. 新規フローを作成する

Salesforceの設定から「フロー」と検索し、新規フローを作成します。新規フローが表示されたら「レコード変更フロー」を選択します。

新規フロー画面

2. Flow Builderで利用する変数を作る

Flow Builderが表示されたら画面左上の「マネージャ」をクリックし、「新規リソース」をクリックします。

新規リソースを作る

表示された「新規リソース」画面には次のように入力してください。

リソース種別:変数
API 参照名:faclInfo
データ型:レコード
オブジェクト:施設情報

新規リソースの設定画面

3. Flow Builderを実行させるトリガを設定する

「レコード変更フロー」の「編集」をクリックし、表示された「トリガを設定」画面を以下のように変更し、完了ボタンを押します。

フローをトリガする条件: レコードが作成または更新された

トリガを設定する画面

4. Flow Builderを実行させるオブジェクトを設定する

次に同じ「レコード変更フロー」の「オブジェクトを選択」をクリックします。表示された「フローをトリガするオブジェクトを選択」画面を以下のように変更し、完了ボタンを押します。

オブジェクト:カスタム予定連携

フローをトリガするオブジェクトを選択画面

5. 施設情報レコードを取得する

画面左上の「要素」をクリックして、「レコードを取得」を右側にドラッグ&ドロップします。

レコードを取得をドラッグ&ドロップする

表示された「新規のレコードの取得」画面で次の通り入力し、最後に完了を押します。

表示ラベル:施設情報の名前を取得
API 参照名:getNameOfFaclinfo
オブジェクト:施設情報
項目1:Id、次の文字列と一致する、{!$Record.TSMNTCLB__RelationId__c}
項目2:Name、次の文字列で始まる、会議室:

レコードデータの保存方法:項目を選択して変数を割り当てる (高度)
レコード:{!faclInfo}
項目:ID
項目:Name
返されたレコードがない場合、指定した変数を null に設定します。:チェック

新規のレコードの取得画面

新規のレコードの取得画面の続き

6. 会議室名を取得する

画面左側の「決定」を右側にドラッグ&ドロップします。

決定をドラッグ&ドロップする

表示された「意思決定を編集」画面では次の通り入力し、最後に完了を押します。

表示ラベル:会議室の取得確認
API 参照名:isGettingRoom

結果詳細の表示ラベル:会議室を取得した
結果の API 参照名:gettingRoom
リソース:{!faclInfo.Name}
演算子:設定済み
値:{!$GlobalConstant.True}

意思決定を編集画面

7. カレンダーの予定を更新する

画面左上の要素をクリックして、「レコードを更新」を右側にドラッグ&ドロップします。

レコードを更新をドラッグ&ドロップする

表示された「新規のレコードの更新」画面では次の通り入力し、最後に完了を押します。


表示ラベル:行動の場所項目を更新
API 参照名:updateLocalOfEvent
更新するレコードを検索してその値を設定する方法:レコードを識別する条件を指定し、項目を個別に設定
オブジェクト:行動
行動レコードを絞り込みの項目:Id、次の文字列と一致する、{!$Record.TSMNTCLB__EventId__c}
行動レコードを絞り込みの項目:Location、次の文字列と一致する、{!$GlobalConstant.EmptyString}
行動レコードの項目値を設定の項目:Location、{!faclInfo.Name}

新規レコードの更新画面

新規レコードの更新画面の続き

8. フローをつなげる

最後にそれぞれのフローの線をつなげていきます。

「会議室の取得確認」と「レコードを更新」をつなげようとすると「決定コネクタの結果を選択」画面が表示されますので「会議室を取得した」を選んで、完了を押します。

決定コネクタの結果を選択画面

フローの完成画面

以上で設定は完了です。最後に画面右上の「保存」を押して「有効化」を押してください。

動作確認

早速動作を確認してみましょう。場所項目に会議室名が自動的に入力されていれば完成です。お疲れ様でした。

完成画面

おまけ:フローが失敗した時の原因を特定する方法

今回の方法を試してみて、万が一失敗する場合には下記のSalesforceのヘルプを参照していただくと原因が特定できるかもしれません。

フローが失敗した場合の処理のカスタマイズ

https://help.salesforce.com/articleView?id=flow_build_logic_fault.htm&type=5

最後に

今回は「Flow Builderでカレンダーの『場所』を自動で入力する方法」をお伝えしました。会議室の予約は頻繁に行われる業務プロセスです。一度設定をしておくと予定作成時間の短縮につながり、非常に便利でしょう、ぜひ、活用してみてください。

※ 本機能はSalesforce Summer '20及びmitoco V11で動作を確認しました。
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