2023.02.20

Einstein活動キャプチャでカレンダー連携をする

はじめに

Winter'21のバージョンアップ以降、Lightning Syncが新規で設定できなくなってから久しいですね。
Lightning Syncに代わってSalesforceとのカレンダー連携を可能とする機能としてEinstein活動キャプチャがあります。
後発の機能ではありますのでとっつきにくいイメージがあるかもしれませんが、実はかなり簡単に設定・利用することができます。

今回はそんなEinstein活動キャプチャのカレンダー連携について、設定の流れと利用開始後の実際の見え方をご紹介していきます。

本記事ではGoogleアカウントとの連携を前提に紹介しますが、Officeアカウントで連携する際の注意点もTipsとして最後に載せています。

Einstein活動キャプチャって何?

Salesforceの公式のヘルプには下記のように書かれています。

「Einstein 活動キャプチャは、Salesforce とメールおよびカレンダーアプリケーション間のデータを最新の状態に保つのに役立つ生産性向上ツールです。アプリケーション間のデータを最新に保つために、Einstein 活動キャプチャではメール、行動、取引先責任者の 3 種類のデータに焦点が絞られます。」

要するに、GoogleやOfficeで管理しているメールやカレンダーをSalesforceのいろんな所に連携できるよということです。
今回ご紹介するカレンダー連携だけではなく、正しく設定すれば送信・受信したメールを関連レコードのタイムラインに自動で追加させることも可能です。

設定の流れ

手順1:権限セットを割り当てる

Einstein活動キャプチャを使用させたいユーザにはまず権限セットを割り当てる必要があります。
設定→権限セットと進み、権限セット一覧から「標準 Einstein 活動キャプチャ」を選択します。
この権限セットを付与したユーザのみが、Einstein活動キャプチャを設定できる対象となります。

Einstein活動キャプチャの権限セット設定画面から割り当ての管理→割り当てを追加とボタンを押下すると、権限セットを割り当てるユーザをまとめて選択できます。
今回は寺須 太郎というユーザに割り当てることにするので、同ユーザにチェックを付けて割り当て完了まで操作を進めましょう。

手順2:Salesforce組織のEinstein活動キャプチャの設定を行う

目当てのユーザに権限セットを割り当て終えたら、Einstein活動キャプチャそのものの設定へと進みます。
設定の検索ボックスに「Einstein活動キャプチャ」と入力し、その中の設定を押下します。

すると「ようこそEinstein 活動キャプチャ」という画面が表示されるので、開始を押下します。

利用規約などが表示されますので、一読してから同意するチェックボックスにチェックを入れて「Einstein を試す」を押下します。
※同意するチェックを入れないと「Einstein を試す」ボタンは表示されません

次にどのサービスと連携するかを選択する画面が開きます。
今回はGoogleアカウントと連携するので、Google G Suiteを選択して次へ進みます。

ちなみに既に規約への同意を終えている組織では「Einstein活動キャプチャ」の設定を押下するとこのような画面になります。
その際は取引先責任者と行動の追加ボタンを押下すると、連携サービスを選択する画面が開きます。

次に認証方法を選択します。
ユーザレベルの認証とサービスアカウントの2つが選択できますが、今回は個々人で連携を設定する形としますので、ユーザレベルの認証を選択して次に進みます。

※サービスアカウントは組織で使用しているサービスの管理者との連携が必要になったりと、多少複雑なプロセスを踏む必要があるので今回は割愛します。

Einstein活動キャプチャの設定そのものに名前を付ける必要がありますので、次の画面で任意の名前を設定しましょう。
説明欄は必須ではないですが、概要を書いておくと後に他の人が見ても分かりやすくなるかと思います。

有効のチェックボックスを付けていないと機能が動かないので、ここは忘れずにチェックして次へ進みます。

次はどの種類の同期を有効化するか設定します。
冒頭に少し説明した通り、メール・行動・取引先責任者の3つがありますが、今回は分かりやすい機能として行動のみを有効化します。

また、連携の方向としては「両方向」「G Suite から Salesforce」「Salesforce から G Suite」の3種類が選択できますので、こちらは用途に合わせて切り替えて下さい。
今回は両方向とします。

次に高度な設定を行います。
高度な設定と言ってもそこまで複雑なわけではありません。
終了日による絞り込みは、「連携を開始する以前に終了している行動をカレンダーに反映させるか」という設定です。

例えば下の画像のように90日に設定すると、連携開始よりも約3ヶ月前~現在までに終了している行動もカレンダーに連携されることになります。

その他のオプションとして「非公開の行動を同期」「削除済み行動を削除」「同期された行動を Salesforce レコードに関連付ける」​の3つがあります。
これらのオプションの詳細はヘルプテキストに細かく記載されていますので、設定時に確認したうえで必要なオプションにチェックを付けて下さい。

今回は「削除済み行動を削除」「同期された行動を Salesforce レコードに関連付ける」​の2つを有効化します。

Einstein活動キャプチャ利用開始に当たっての管理者側の設定は次が最後です。

Einstein活動キャプチャの使用を許可するユーザを「選択可能」ボックスから「選択済み」ボックスに移動させて下さい。
この時「選択可能」ボックスに表示されるユーザは、手順1で権限セットを割り当てたユーザのみになります。

今回は「寺須 太郎」を移動させて次へ進みます。

これで利用開始に当たっての設定は終わりです。
最後に「完了」を押下しましょう。

もし設定を修正したければ「戻る」を押下すれば各種設定を見直せます。

手順3:SalesforceユーザとGoogleアカウントの紐づけを行う

ここまでの手順で管理者側の設定が終わりました。

最後にEinstein活動キャプチャを利用するユーザでSalesforceにログインしてサービス間の紐付けを行いましょう。
手順2の中でEinstein活動キャプチャ利用ユーザとして設定した寺須 太郎でSalesforceにログインします。

ログインをすると画面最上部に「Einstein 活動キャプチャが有効です。使用を開始するには、メールとカレンダーを Salesforce に接続します。」というバナーが表示されます。
このバナーの一部がリンクになっているので、そのリンクを押下して連携設定を行う画面へ遷移します。

バナーのリンクを押下すると下記のように画面遷移していくので、「アカウントを接続」→規約を確認して同意のチェックを付ける→「次へ」を押下という流れで進みます。

次にどのサービスを接続するかを選択する画面になるので、手順2で選択したものと同様の「Googleアカウントを接続」を押下します。

するとサブウィンドウが開くので、自身のGoogleアカウントでログインをします。

ログインすると、SalesforceがGoogleアカウントへのアクセスをリクエストしているという画面になるので、下にスクロールしていき許可ボタンを押下します。

許可ボタンを押下すると自動でサブウィンドウが閉じてSalesforceの画面がリダイレクトされます。

そのうえで、画面上部のバナーが緑になっていることが確認できます。
さらに、接続済みのアカウントに先程リクエストを許可したGoogleアカウントが表示されています。

ここまで進めば連携の設定は完了です!
GoogleアカウントとSalesforce間のカレンダーの初回連携が反映されるまでには数分かかりますので、その後にそれぞれのカレンダーを確認してみましょう。

それぞれのカレンダー連携を確認する

では最後に相互のカレンダーが連携されているかを確認してみましょう。
まずはGoogleカレンダーからSalesforceカレンダーへの連携です。

2023/3/1の15時~16時でミーティングが入ったので予定として登録してみます。

Googleカレンダーの予定を登録すると、登録前には何の予定も入っていなかったSalesforceのカレンダーにも同じ予定が表示されましたね。

Salesforceカレンダーに連携された予定の詳細を見ると、場所もきちんと連携されていることが分かりますね。

次にSalesforceカレンダーからGoogleカレンダーへの連携を確認しましょう。

2023/3/2の11時~12時まで社内打ち合わせが入ったとしてSalesforceカレンダーに予定を登録します。

その後Googleカレンダーを確認してみると、Salesforceで登録した行動が予定として登録されていることが確認できます。

さいごに

いかがでしたでしょうか。
Einstein活動キャプチャの設定そのものはきちんとウィザードが用意されているので、実際にやってみるとSalesforceの操作にある程度慣れている方なら10分程度で終わってしまうと思います。

カレンダー連携したいという要望が新規で挙がってくることは勿論、Lightning Syncからリプレイスしたいという希望も今後出てくるのではないかと個人的には予想しています。

Developer環境でもEinstein活動キャプチャは使用できますので、まずは自分で使い方を確認しておくと良いのではないでしょうか。

Tips:Einstein活動キャプチャを連携する際に実際につまずいたこと

Microsoft Exchange(2019,2016,2013)を使用する場合は、SalesforceのIPアドレス許可が必要な場合がある

Microsoft Exchangeサーバ側でIPアドレスの制限を行っている場合は、Salesforceが使用するIPアドレスをExchangeサーバ側に追加することが必要な場合があります。
追加するIPアドレスについてはEinstein 活動キャプチャセキュリティガイドの4~5ページに載っていますので、もし正しく設定されているはずなのに連携が上手くいかないという場合は確認してみてください。

ユーザレベルの認証を使用する場合は、Salesforceユーザのメールアドレスと連携サービスのメールアドレスが一致している必要がある

ユーザレベルの認証を使用する際、Einstein活動キャプチャを利用可能としたユーザであっても、そのSalesforceユーザに設定されているメールアドレスと、連携先サービスのメールアドレスが異なっていると連携が行われません。

これは何が厄介かと言うと、管理者側から設定>Einstein活動キャプチャ>ユーザステータスと遷移して接続状況を確認してみても「有効」として表示されるという点です。

複数のメールアドレスを使い分けているという方は少なくないと思うので、ユーザから「連携設定したはずなのに一向に連携されない」という問い合わせがあったら確認してみてください。

また、Officeアカウントの場合はアカウントに設定されているメールアドレスは使えないようになっている場合もあるみたいなので、もし使用しているサービスとメールアドレスも一致しているはずなのに連携されないということがあれば、そちらも確認してみると良いかもしれません。
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