2025.12.08

「Salesforce 認定 Tableau データアナリスト」合格体験記 ~実務経験者が見落としがちな「盲点」5選~

Just a moment... (40426)

はじめに

はじめまして!テラスカイのH.Fと申します!
この度、2025年10月に「Salesforce 認定 Tableau データアナリスト」資格試験を受験し、無事合格することができました!

私は普段の業務でTableauを4年ほど使用しており、主に以下の実務経験があります。

  • Tableau Desktopでのダッシュボード作成
  • Tableau Prep Builderでのデータフロー作成
  • Tableau Serverの定期アップグレードなど、簡単なメンテナンス

今回は、私のような「Tableau実務経験者」の視点から、試験の所感や、実務ではあまり触れないために盲点となりがちなポイントについて解説します。これから受験される方、特に実務でTableauを使っている方の参考になれば幸いです。

受験の動機

私が今回受験しようと思った動機は、会社として認定資格の取得をサポートする制度があり、チーム内でも推奨されていたことです。また、実務経験はありましたが、自分の知識が偏っていないかを確認する良い機会だと考え、受験を決めました。

学習方法

実務経験があったため、基本的な操作は問題ありませんでしたが、試験範囲を改めて確認し、以下の勉強方法で復習や知識の穴を埋める作業を行いました。

  • 勉強方法1: 公式のヘルプドキュメントをNotebookLM に取り込んでテストを作成
  • 勉強方法2: DATA Saber の課題を通してVizを作りこむ(Tableauの画面をベースに出題されることが多かったので、Vizに触れておくのは結構重要)
  • 学習期間: 約1か月間、合計15時間程度(だいぶのんびり)

特に、普段の業務ではあまり使わない機能や、まぎらわしい関数を重点的に復習しました。

試験の全体的な所感

実務経験者(特にDesktopでのダッシュボード作成経験が豊富な方)の視点での所感です。

  • 時間配分: まず、時間切れの心配はまずないと思います。見直しを含めても十分な余裕がありました。
  • 計算フィールド: 受験ガイドにもある通り、関数(計算フィールド)に関する問題は多めでした。特にLOD計算、DATE系関数、表計算(RANK系, RUNNING系, LOOKUP, FIRST/LASTなど)は、実務でダッシュボードを作ってきた人なら「あ、これ知ってる」と心当たりのある問題が多かった印象です。
  • 難易度: 上記の通り、実務で多用する部分はスムーズに解けましたが、実務でもあまり触れない部分がちょこちょこ出題されたので、暗記しておくべきだと感じました。

【本題】実務経験者が見落としがちな「盲点」5選

ここからは、私が「これは試験対策しておかないと即答できなかったな」と感じた、実務経験者(特にDesktopユーザー)が見落としがちなピンポイントな知識を5つ紹介します。

1. 箱ひげ図の見方

ダッシュボードで箱ひげ図を多用する方は少ないかもしれませんが、「箱ひげ図の用途」や「この図から何が読み取れるか」は押さえておきましょう。(ヒストグラムとの使い分けなど)

(箱ひげ図から値のばらつきの大小が読み取れるようにしておきましょう)

2. サブスクリプションとアラート

これらはTableau ServerまたはTableau Cloud(旧Online)の機能です。
Desktopでのダッシュボード作成がメインで、Server管理に関わっていないと、意外と触る機会がありません。

  • サブスクリプション: ビューやワークブックを定期的にメールで受信する機能。登録/解除の方法や、出力形式を押さえておきましょう。
  • データドリブンアラート: データの値が特定のしきい値を超えた(または下回った)場合に通知する機能。アラートを設定できるのは連続数値軸のみです。

可能であれば、それぞれの設定方法を実際の環境で確認しておきましょう。

3. ストーリー機能

ダッシュボードやシートを連続させて、プレゼンテーションのように見せる機能です。
最近はダッシュボード単体やPowerPointに貼り付けて説明することが多く、実務で「ストーリー」機能を使っている方は少ないのではないでしょうか。

(ナビゲーター4種類の見た目と名称を覚えておきましょう!)

4. 細かい「書式設定」

実務では「なんとなく」右クリックや書式設定ペインから設定していることが多い「書式設定」ですが、項目名や、どのタブからどの設定が選べるか、などの細かい点を把握しておきましょう。

  • バンドサイズの設定方法
  • ワークブックの書式設定(フォント、線のみが設定可能)
  • リファレンスラインの書式設定

などなど...

5. 暗黙的なIF文(とCASE文)

計算フィールドを作成する際、IF [条件] THEN [真] ELSE [偽] END と書くのが基本ですが、Tableauには特有の書き方があります。

  • 暗黙的なIF文(ブール値): [売上] > 1000
    これだけで「True/False」を返す計算フィールドになります。
  • IIF関数: IIF([売上] > 1000, "高い", "低い")
    簡易的なIF文です。
  • CASE文: CASE [カテゴリ] WHEN "A" THEN 1 WHEN "B" THEN 2 ELSE 3 END
    IF ELSEIFを繋げるよりもパフォーマンスが良い場合があり、使い分けを理解しているかが問われるかもしれません。

暗黙的なIF文や、IIF関数は使ったことがない方もいらっしゃるのではないでしょうか?

(補足)やはり「頻出」関数は重要

盲点ポイントを挙げましたが、もちろん試験の核となるのは受験ガイドにもある「頻出」の関数群です。
特に以下の項目は、実務経験者であっても、改めて「正確な」構文と動作(特に集計レベル)を理解し直しておくことをお勧めします。

  • LOD計算 (FIXED, INCLUDE, EXCLUDE): 構文や計算結果に加えて、各種フィルターとの実行順序の前後関係も押さえておきましょう。(コンテキストフィルターはFIXEDを使った計算結果にも影響するなど)
  • 表計算 (RANK系, RUNNING系, LOOKUP, FIRST/LAST, INDEX): 「次を使用して計算」で計算方向を変えた場合の計算結果についても確認しておきましょう。
  • DATE系関数: 各DATE関数の意味だけでなく、組み合わせた使い方も考えておきましょう。(前月末日を求める、各月の第一水曜日を算出する、など)

Tableau の操作の順序(クエリ パイプライン)

写真提供:Tableau の操作の順序 - Tableau

おわりに

今回は、Tableau実務経験者の視点で「Salesforce 認定 Tableau データアナリスト」試験の合格体験記と、盲点になりがちなポイントをまとめました。
実務経験があるからこそ「これは使わないから」とスキップしがちな知識が、試験では問われることがあります。ぜひ公式の受験ガイドを隅々までチェックし、知識の穴を埋めて試験に臨んでください。

この記事がこれから受験される方のお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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