2019.12.23

2019/12/15 リリース!SkyVisualEditor V12 の新機能を徹底解説

皆さんこんにちは。製品営業本部の山下です。
今回は 2019/12/15 にリリースされた SkyVisualEditor V12​ の新機能について紹介したいと思います。

SkyVisualEditor V12 新機能:ポイントは 2 つ

今回のバージョンアップでは、画面を開発するための Studio が刷新されました。
ポイントはズバリ以下の 2 つ。
脱 Silverlight 化SkyVisualEditor LC の登場 です。
この 2 つのポイントについて、詳しく見ていきたいと思います。

脱 Silverlight 化の経緯

Silverlight とは、Microsoft 社が提供するブラウザ用プラグインで、ざっくりいうとインターネット上で動くアプリケーションプラットフォームです。SkyVisualEditor Studio はこのプラットフォーム上で動くアプリとして構築されていました。
かつてはこの Silverlight が Chrome、Firefox、IE11 と各主要ブラウザで稼働していたのですが、Chrome、Firefox がすでにサポートを終了しており、最後に残った IE11 もとうとう 2021 年 10 月 12 日 でサポート終了が予定されています。
Salesforce ユーザであれば、イメージしやすいのは Flash のサポート終了と Flow Designer の廃止(Flow Builder への移行)でしょうか。これと同じような状況が Silverlight と SkyVisualEditor Studio にも襲ってきたわけです。
そこで今回のバージョンアップで新たに Windows 版 Studio が提供されることになったというのが脱 Silverlight 化の経緯です。
※ Silverlight 版 Studio もしばらくは使えます。

Windows 版 Studio のメリット

それでは、Windows 版 Studio は Silverlight 版とどんな違いやメリットがあるのか見ていきましょう。

Studio 新旧比較

Silverlight(IE) 版 と Windows 版 は見た目もほとんど変わらず、機能差異はない
Windows 版 Studio は、その名のとおり「Windows で動く」アプリとなっています。Silverlight 版がウェブ上で動いていたのに対し、Windows 版はユーザークライアント上で動くアプリです。
そのため、画面開発中の処理速度が格段に早くなるのが一番のメリットです(当社調べで 150 ~ 350% UP だそうです!)。
Silverlight 版と Windows 版の機能差はなく、今まで開発した画面のデザインデータもそのまま引き継がれるため、特に移行作業など必要なく利用できるところもメリットですね。
1 つ注意点としては、ユーザークライアントアプリケーションなので、Studio アプリのインストールは必要です。
それでも、今までの IE11 縛りがなくなる分、Windows 版 を使わない理由はないでしょう。

LC ってどんなことができるの? VF との違いってなに?

さて、次にV12 新機能のもう 1 つの目玉である SkyVisualEditor LC について、どんなアプリなのか詳しく見ていきたいと思います。
今回のバージョンアップで既存ユーザの皆様が一番混乱しがちなところといえば、SkyVisualEditor という 1 つのサービス の中で更にアプリが 2 つ分かれてリリースされたことでしょう。
その 2 つのアプリの 1 つめが SkyVisualEditor VF で、今までずっと SkyVisualEditor と呼ばれていたアプリです。
そして 2 つめのアプリとして登場したのが SkyVisualEditor LC です。こちらは今まで SuPICE という名称で提供されていたサービスが SkyVisualEditor に統合される形で新しく生まれ変わりました。

SkyVisualEditor Studio 起動画面

左が VF で、右が LC
なぜ SkyVisualEditor という 1 つのサービスの中に 2 つのアプリが含まれているのかというと、2 つとも「Salesforce の画面開発ツール」でありながら、生成するリソースが異なるためです。

VF で生成するリソース

VF は Visualforce をノンコーディングで開発するアプリです。そのため、生成するリソースは Visualforce と Apex クラスです。最近のバージョンでは Lightning 対応も進んでおり、Lightning コンポーネントの生成も可能です。

VF で開発した取引先責任者検索ページとコンポーネント

VF で生成した Visualforce をタブで、Lightning コンポーネントをユーティリティ項目で表示しているイメージ

LC で生成するリソース

LC は Lightning コンポーネントをノンコーディングで開発するアプリです。そのため、生成するリソースは Lightning コンポーネントです。 VF のように、Visualforce を生成することはありません。

LC で開発した取引先編集コンポーネント

Lighitning Experience のアクションから LC で開発した取引先編集コンポーネントを呼び出して利用

VF と LC で生成する Lightning コンポーネントの違い

VF と LC、どちらでも Lightning コンポーネントが生成できるって、どういうことなのでしょうか。
実は、同じ Lightning コンポーネントといってもその中身が全然違います。
VF で生成される Lightning コンポーネントは、Visualforce をくるりと Lightning コンポーネントでラップした状態で出来上がります。そのため、Lightning コンポーネントの出力を ON にして画面をデプロイすると、 Visualforce と Lightning コンポーネントの両方が生成され、Visualforce ページがそのまま Lightning コンポーネントとして Lightning ページやアクションなどで使えるようになります。
一方 LC で生成される Lightning コンポーネントは正真正銘のピュアな Lightning コンポーネント (Aura) です。
Lightning コンポーネントは Salesforce の新しいテクノロジーですので、これからどんどん進化していきます。その進化に追随していくのは LC ということになります。
例えば、同じ参照項目でも VF と LC でそれぞれ出力形態が異なります。より新しい UI を求める場合は LC で開発するという選択ができるでしょう。

しかしながら、現時点では VF と LC には大きな機能差があります。
SkyVisualEditor は誕生から 10 年近く経つアプリのため、かなりの高機能を備えていますが、 LC の機能はまだまだミニマムです。V12 の LC でできることは、項目横 3 列以上のシンプルな入力用/参照用コンポーネントの作成です。
ただ、選択リスト・複数選択リストのラジオボタン・チェックボックス化ができますし、Salesforce Lightning Design System が適用されたキレイなコンポーネントを生成できるため、モバイル用途としてはいい画面が作れそうです。

LC で開発したモバイル日報登録画面

従来の SkyVisualEditor らしい検索画面やデータテーブルを使った親子登録画面などを作りたい場合は引き続き VF での開発をおすすめします。

SuPICE から LC へ

今まで提供されていた SuPICE が今回 SkyVisualEditor LC に生まれ変わった話をしましたが、どのように変化したのか説明したいと思います。
SuPICE の開発が始まった当初の開発メンバーの苦労話を聞く機会があったのですが、当時まだ Lightning コンポーネントは黎明期で仕様が安定せず、それこそ昨日まで動いていたものが今日突然動かなくなる、なんてことが日常茶飯事だったようです。そのような状態ではピュアな Lightning コンポーネントを生成するサービスをパッケージ化することは難しく、SuPICE は React ベースで動く Lightning コンポーネントを生成するサービスとして登場しました。
それから数年、やっと Lightning コンポーネントも成熟しライブラリも充実してきたので、今回のバージョンアップで React から Lightning コンポーネント (Aura) への変革を遂げたわけです。
いわば純正対応した LC ですが、まだ Lightning Web Components には対応していません。今後のエンハンスに期待しましょう。

関連情報

V12 バージョンアップの詳細や詳しい使い方等はリリースノート及び公式ヘルプを参照してください。
LC 使ってみたいけど使い方わからない!なんて方はぜひ月イチ開催の「SkyVisualEditor アドミンカフェ」へご参加ください。

SkyVisualEditor アドミンカフェ

写真提供:SkyVisualEditorアドミンカフェ | SkyVisualEditor | Salesforceの画面開発ツール | 株式会社テラスカイ
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