2020.09.23

SFAの定着化を進めるための4つのSTEP

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はじめに

はじめまして、DXコンサルティング部の齋藤です。

すでに語りつくされたSFA(Sales Force Automation:営業支援)の定着化ですが、依然として定着化せずに困っていらっしゃる企業が多いのも確かです。
今回はSFAの定着化について整理したいと思います。

定着化とは?

そもそも定着化とは何でしょう?

例えば、営業がSFAに面談結果などの情報・データを入力していれば定着化したといえるでしょうか?
真の定着化とは、「企業価値向上に向けたPDCAサイクルの運用ができている状態」であると考えています。
これは日々のデータの入力はもちろんですが、そこからさまざまな課題やお客様ニーズを明確にし、業務及びシステムの改善・改革を繰り返すことを指します。

例えば、
 (PLAN)お客様の声をもとに、新たなSNSのチャネル開設を計画
 (DO)業務整理とSFAシステムの改修を実行
 (CHECK)レポート・ダッシュボード等でお客様の反応を確認、分析
 (ACTION)SFAに蓄積された情報から新たなサービスの企画

定着化とは、定まって動かないことではなく、進化し続ける状態のことなのです。

現状を理解する

SFAを定着化させるためには段階を踏んで進めていく必要があります。
まずは自社が今、どの段階にいるかを理解しましょう。
定着化までの各ステップは以下の通りです

Step1 認知:
現場にてSFAが導入されたことが認知され、利用し始めた状態です。
ここでよく聞くお困りの声としては、「現場にてSFAが利用されていない」「導入目的やメリットが理解されていない」「運用ルール等が不明確」などです。

Step2 利用:
SFAを利用して、データが徐々に蓄積されている状態です。
ここでもよく聞く声として、「SFAは利用されているが、意味のあるデータになっていない」「単に入力しているだけで、上長と部下がSalesforceを利用したコミュニケーションが取られていない」などがあります。

Step3 分析:
SFAに蓄積されたデータをもとに、お客様のニーズや営業の課題等を分析する状態です。
「データが蓄積されていくだけで活用できていない」「データの分析や現場の意見等を吸い上げる担当がいない」といった声も良くお聞きします。

Step4 改善:

分析された課題などから、業務の効率化、新たなサービスや製品開発等へ活用されている状態です。
「レポート等で定例的な分析・報告に留まり、改善にはつながらない」といった課題もお聞きします。

これらの問題、課題は複合的に同時進行で発生することが良くありますが、ステップごとに現状を整理し、個々に対策を練る必要があります。
現状を整理・認識するポイントは、極力現状を数値化することです。

例えば、現場でのSFAの利用が進まない場合、具体的にログイン率や入力件数等をカウントします(レポートやダッシュボードを利用)。
これは後々、改善の目標値(KPI)にも使用できます。

定着化するための施策

自社の現状を理解した上で、各Stepにあった改善施策を実施することが大切です。
また、改善施策は大きくシステム面の改良と業務運用面の改良の2つの観点があります。
システムの改良では、営業の入力負担を軽減するために「テキスト入力項目を選択項目へ変更する」「多すぎる項目を整理する」「複雑な画面動線をシンプルにする」など、利用する営業担当者のITリテラシーに合わせたUI設計とする方法があります。
ここでは、業務運用面に注目し、各Stepの狙い、ポイントについてお話しします。

Step1 認知:

このStepは、SFA推進者の方が一番体力のかかるStepです。
まず、現場にてSFAが使われない原因というのは、心理的な面が多いのです。
「なぜ今までのやり方やシステムではだめなのか?」「新しくなって何かいいことがあるのか?」
これらは、新しいものや変化に対しての心理的な不安から来るものです。
このStepのポイントは現場に寄り添って、変化への不安を取り払ってあげることです。

そのためには、説明会(操作説明会やレポート説明会など)やマネージメントに関する研修会(ディスカッション)等を複数回開催し、粘り強くSFAの認知度を上げていきます。
操作でつまづいた時のためにサポート体制も充実させましょう。困った時に気軽に聞ける環境は大切です。

実は、これらの対応は主にマネージャ向けに重点的に実施することが重要となります。マネージャが使い始めれば、配下のメンバーは自ずと使うようになることが多いからです。

マネージャへの説明会、説得には経営者、役員にも参加してもらうことが有効です。
説明会を通して、経営層の想いや危機感などをマネージャ、現場へ伝えることが、SFA定着化の推進につながります。

マネージャが前向きになれば、推進者は業務のなかで使わざるをえない仕組みの構築(会議資料にレポートを使用する、業務連絡はChatterを使用するなど)を検討しましょう。

Step2 利用:
このStepでつまづくのは、マネージャに原因がある場合が多々あります。
そもそもSFAの導入の目的や意義、メリットをマネージャが理解、腹落ちしていれば、内容の薄い面談記録などはマネージャから部下メンバーへコメント、指導が入るはずです。

一番危惧するのは、「せっかく部下メンバーが毎日入力しているのに、マネージャが重要視していない」または「マネージャが見ていないために、メンバーは次第に入力することをやめてしまう」ということが起こることです。推進者はマネージャの利用状況を注視し、必要に応じて個別にフォローアップしましょう。

その他、推進者はあいまいな入力ルールの改正やガイドラインの作成などで現場をフォローします。入力されたデータの質(文字揺れやデータの欠損等)が悪かったり、部署毎に入力内容や粒度が異なったりすると、クロスセルのように全社的な分析の際にデータクレンジングに多大な労力がかかります。

Step3 分析:
この分析Stepには、業務にもシステムにも理解のある人材が必要となります。
分析では蓄積されたデータをさまざまな切り口で集約し、お客様のニーズや業務的な課題を明確にし、マネージャや経営層へ報告する必要があります。
これらを一人で実行しようとすること自体無理があります。
このStepで滞る原因は、体制・人材が主たる要因です。これを改善するためには経営者、役員の関与が必須となります。お客様の声、現場で起きていることに興味のない経営層はいませんので、分析、報告があがってこないとなると大問題です。
推進者としてはいち早く経営層へ体制構築の相談をしましょう。

体制が整ったうえで、マネージャや現場からの意見を吸い上げ、新たなレポートやダッシュボードの構築を進め、お客様ニーズや課題を明確にしていきます。

Step4 改善:
推進者としてこのStepを解決するためには、業務改善に関する各種会議や各部署へSFAのレポートやダッシュボードの分析結果を積極的に提供し、SFAの情報を使ってもらうように働きかけることが必要です。

ここでも経営層の関与が必須となります。今後は、従来の経験や勘による業務改善、経営判断ではなく、「データドリブン経営」と呼ばれるように、データに裏付けされた、よりダイナミックかつリスクを明確にした経営が重要になります。
SFAは経営に必要な非常に多くのデータ、情報、気づきを提供してくれます。
経営層向けにデータの見かた、意味することを解説する場などを定期的に開催することも有効です。

このStepが定着することで継続的な企業価値向上につながり、真にSFAが定着化した状態と言えます。

これまでの各Stepの主な施策を取りまとめてみました。

具体的な施策の詳細については、是非弊社までお問合せください。
これらの施策は、SFAを利用する特定の部門(または特定の機能)からスモールスタートし、徐々に範囲を広げていく方法もあります。

また各施策を成功に導くポイントは、それぞれにKPIを設定することです。
各施策の目標等を数値化することで、進捗や成功・失敗の評価もしやすくなります。
一つ一つの施策を確実に進めることが、真の定着化へつながります。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

今回、弊社がこれまで培った経験に基づき、SFAの定着化に向けた取り組みについて体系的に整理してみました。SFAの定着化は一朝一夕に実現できるものではありません。説明会やディスカッションなどを重ね、粘り強く現場とコミュニケーションを取り続けることが非常に重要となります。このコミュニケーションにより、現場、推進者、経営のそれぞれの意思疎通ができるようになり、より確実に定着化が進められるようになります。

最後に一言。
お客様の環境変化や新型コロナウィルスに端を発した営業方法の変更など、強制的に業務改革が求められています。DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進していくうえでも、お客様・現場の声を集約するSFAはますます注目されています。

本稿が、いち早くSFAを定着化させ、企業価値向上を実現する一助になれば幸いです。
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