目次
はじめに
顧客志向の徹底とデジタル技術の活用が、DXを進める上での鍵になってきます。
市場ニーズをいち早くとらえ、ビジネスモデルやシステムに適応するために、ITシステムの設計概念(SoI、SoE、SoR)をベースとした開発手法や技術要素の関係性について紹介します。
市場ニーズをいち早くとらえ、ビジネスモデルやシステムに適応するために、ITシステムの設計概念(SoI、SoE、SoR)をベースとした開発手法や技術要素の関係性について紹介します。
ITシステムの設計概念
システムを設計する上でSoI、SoE、SoRの3つの概念があります。
特徴 | ツール | 技術要素 | |
SoI | 情報を分析し、洞察する (Insight) | BIツール | データ分析、デザイン思考 |
SoE | 顧客とのつながり重視(Engagement) | SFA、CRM、顧客接点 | アジャイル開発、DevOps |
SoR | 正確に記録(Record) | ERP、基幹システム | ウォーターフォール開発 |
今回は以下の3点について紹介します。
1. 市場や消費者のニーズをとらえるSoI領域でのデータ活用基盤とデザイン思考
2. SoEを支えるアジャイル開発、DevOps
3. レガシーシステムをモダナイズする手法としてのマイクロサービスアーキテクチャー
1. 市場や消費者のニーズをとらえるSoI領域でのデータ活用基盤とデザイン思考
2. SoEを支えるアジャイル開発、DevOps
3. レガシーシステムをモダナイズする手法としてのマイクロサービスアーキテクチャー
1. SoI領域でのデータ活用基盤とデザイン思考
データの活用ステップと必要基盤
市場や消費者の変化についていき、競争力を維持するためにはデータを分析し、リスクの低減や業務改善に加え、新たな価値を創造する必要があります。
活用ステップと必要な基盤(下図)を紹介します。
活用ステップと必要な基盤(下図)を紹介します。
①データ送信
社内の既存システムのデータを収集・蓄積し、データを活用する基本的な環境を整える
②バッチでのデータ分析
初期の段階ではデータを蓄積した上でデータ形式の変換、表記のバラつき調整、重複除去などの
加工が必要である。エンドユーザーでも整形できる環境を用意する。
③リアルタイムでのデータ活用
さらに活用が進んだ段階でWebサイトのデータをAIで分析し、ユーザへのリコメンデーションを
提供したり、IoT機器のデータを監視し、自動でエラー等を通知する。
社内の既存システムのデータを収集・蓄積し、データを活用する基本的な環境を整える
②バッチでのデータ分析
初期の段階ではデータを蓄積した上でデータ形式の変換、表記のバラつき調整、重複除去などの
加工が必要である。エンドユーザーでも整形できる環境を用意する。
③リアルタイムでのデータ活用
さらに活用が進んだ段階でWebサイトのデータをAIで分析し、ユーザへのリコメンデーションを
提供したり、IoT機器のデータを監視し、自動でエラー等を通知する。
データレイク | 生データをそのまま蓄積する |
データウェアハウス | 加工済みのデータを目的別に格納する |
データカタログ | データの意味や構造、作り方などのデータに付随するメタデータの管理 |
ETLツール | Extract(抽出)、Transform(変換)、Load(格納)の略であり、活用しやすい形へデータを変換し、格納する処理をバッチで実行する |
デザイン思考
消費者がほしい製品やサービスを提供するためには、消費者視点での企画が必要です。
相手の境遇や立場に自分を重ね合わせ、感情移入し、相手の感情や行動を理解します。
消費者が気づいていない真の問題を類推し、解決策を具現化する製品を試作し、フィードバックを繰り返します。
デザイン思考は、以下のフレームワークと相性がよいです。
相手の境遇や立場に自分を重ね合わせ、感情移入し、相手の感情や行動を理解します。
消費者が気づいていない真の問題を類推し、解決策を具現化する製品を試作し、フィードバックを繰り返します。
デザイン思考は、以下のフレームワークと相性がよいです。
2. SoEを支えるアジャイル開発、DevOps
アジャイル開発
ゴールが明確なもの(ERPシステムの構築など)には、ウォーターフォール型の開発が向いています。
それに対し、一般消費者を対象としたWebサービスのように最適解が明確でなく、ユーザーの要望が頻繁に変化するケースでは、アジャイル型の開発が適しています。
小さい単位で計画、設計、実装、テストを繰り返し、ユーザーのニーズを取り入れながら、進めます。
それに対し、一般消費者を対象としたWebサービスのように最適解が明確でなく、ユーザーの要望が頻繁に変化するケースでは、アジャイル型の開発が適しています。
小さい単位で計画、設計、実装、テストを繰り返し、ユーザーのニーズを取り入れながら、進めます。
DevOps
DevOps(デブオプス)とは開発を意味する「Development」と、運用を意味する「Operation」を組み合わせたDevelopment and Operationsの略語です。
システムの価値を継続的に向上させるために開発担当者と運用担当者がツールを活用し、協調して開発や運用をすすめます。
システムの価値を継続的に向上させるために開発担当者と運用担当者がツールを活用し、協調して開発や運用をすすめます。
3. レガシーシステムをモダナイズする手法としてのマイクロサービスアーキテクチャー
レガシーシステムで構築されたECサイトを機能別に分割し、APIで接続します。
用途・目的別に小さな(マイクロ)サービスに分割し、移行する概念をマイクロサービスと呼びます。
用途・目的別に小さな(マイクロ)サービスに分割し、移行する概念をマイクロサービスと呼びます。
マイクロサービスアーキテクチャー
世の中には、1つのプログラムで複数のシステムを密結合したレガシーシステムが数多く存在します。
改修には影響調査やテストに時間がかかり、費用がかさみます。
この課題を解決するコンセプトが、マイクロサービスアーキテクチャーです。
大きなシステムを複数の小さなプログラムに分割し、複数のサービスを組合せてシステムを実現します。マイクロサービスは移行時に威力を発揮します。
段階的に旧システムから機能を少しずつ切り出し、新サービスを拡張し、最終的に完全移行します。
改修には影響調査やテストに時間がかかり、費用がかさみます。
この課題を解決するコンセプトが、マイクロサービスアーキテクチャーです。
大きなシステムを複数の小さなプログラムに分割し、複数のサービスを組合せてシステムを実現します。マイクロサービスは移行時に威力を発揮します。
段階的に旧システムから機能を少しずつ切り出し、新サービスを拡張し、最終的に完全移行します。
ヘッドレスコマース
SoEとSoRを分ける応用編としてヘッドレスコマースがあります。
Eコマースの領域では改修の多いフロントエンドと改修の少ないバックエンドを、分離して開発・運用するヘッドレスコマースという設計思想があります。
ヘッド=利用者・顧客との接点であるユーザーインターフェース部分、身体=ECを動かすバックエンドのシステムです。
ヘッドとボディを独立させることで顧客の購買行動に合わせたチャネルの変更が容易になります。
Eコマースの領域では改修の多いフロントエンドと改修の少ないバックエンドを、分離して開発・運用するヘッドレスコマースという設計思想があります。
ヘッド=利用者・顧客との接点であるユーザーインターフェース部分、身体=ECを動かすバックエンドのシステムです。
ヘッドとボディを独立させることで顧客の購買行動に合わせたチャネルの変更が容易になります。
まとめ
デザイン思考、アジャイル開発、DevOpsといったキーワードだけだと、なかなか頭に入りませんが、ストーリーとしてイメージすると、流れを理解しやすいと思います。
一連の仕組みを回し、適切なデジタル技術を活用し顧客志向の徹底をはかることが競争力の強化につながります。
一連の仕組みを回し、適切なデジタル技術を活用し顧客志向の徹底をはかることが競争力の強化につながります。
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