2022.09.22

【初~中級者向け】Salesforce開発を効率化する拡張機能(Google Chrome)

はじめに

Salesforceで開発をしている方は、現在何かの拡張機能をブラウザにインストールしていますか?
拡張機能とは、ブラウザに追加することで、操作性を向上してくれるツールのことです。

この記事では、「何もインストールしてない」、「拡張機能って何?何ができるの?」という人向けに、Salesforce開発を効率化する無料で利用できる拡張機能を、2つピックアップして、利用できるケースと方法をご紹介します。

作業時間を短縮できる機能が様々ありますので、この記事を見て興味を持っていただけたら、利用してみてください。

Google Chrome拡張機能

Google Chromeウェブブラウザでは、Chromeウェブストアという、iPhoneでいうApp Storeのようなオンラインストアがあります。ウェブストア上には多種多様な拡張機能があり、その中にはSalesforce向けのものも多くあります。

その中から、よく利用されているSalesforce向けの拡張機能を、2つピックアップしてご紹介します。

拡張機能のインストール方法に関しては、Chromeウェブストアのヘルプに記載してありますので、本記事ではリンクのみの記載とさせて頂きます。

1.Salesforce inspector

1-1.Salesforce inspectorの機能

1つ目に紹介する拡張機能は、「Salesforce inspector」というもので、Salesforce組織のデータやメタデータの確認を素早く簡単に行うことができま

Salesforce inspectorをインストールすると、Salesforce画面の右側に三角のマークが表示され、それをクリックすることで、同ページ上でSalesforce inspectorのメニュー画面を表示できます。

Salesforce inspectorの主な機能として以下のようなものがあります。

・オブジェクトの項目定義の参照、編集
・ログイン、他ユーザの情報確認、代理ログイン
・SOQLでのデータの絞り込み、出力
・データのImport、Update、Upsert、Delete
・組織の制限値の参照

これらの機能から、Salesforce inspectorを利用することで、特に作業が効率化する機を、実際の利用ケースを含めてご紹介していきます。

1-2.オブジェクトの項目定義の参照、編集

Salesforce inspectorメニュー画面の”Objects”で、任意のオブジェクトを入力して、”Show All Data”をクリックすると、オブジェクトの全ての項目や、紐づいている子オブジェクトを表示することができます。
項目表示の画面では、項目定義を確認するまでの時間を短縮できます。

標準の動線で項目の確認を行うには、
設定→オブジェクトマネージャー→対象のオブジェクト→項目とリレーション→対象の項目
という順でクリックする必要があり、クリックする度にページ遷移が4回あるので煩わしく思うこともあるかと思います。

対して、Salesforce inspectorからの動線だと、
矢印ボタン→対象オブジェクト入力→”Show All Data”→対象の項目
という順で、ページ遷移1回で、表示ラベル、項目名、データ型、説明、ヘルプテキストまで確認可能です。実際に編集する際は、項目右の下三角ボタン内の”Field setup (Lightning)”で編集画面を表示できます。

他にも下記のような場合も、Salesforce inspectorの力を発揮します。
・ページレイアウトに表示されていない内部的な項目の確認(例:内部で自動更新しているフラグ項目)
・表示ラベルに加えて、項目名、データ型、ヘルプテキスト、説明でのクイック検索、絞り込み(例:テキスト→string(文字数の絞り込みも可能)、必須項目→”required”、選択リスト型の制限付き→”restricted”)

項目が表示されている画面の下部、または、”Relations”タブをクリックすると紐づく子オブジェクトと、参照項目を確認できます。また、青文字になっているオブジェクト名をクリックすると、そのオブジェクトの項目画面に遷移できます。

1-3.ログイン、他ユーザの情報確認、代理ログイン

Salesforce inspectorメニュー画面の”Uses”をクリックして、組織のユーザのユーザーネーム、プロファイル、ロール、メール、言語を簡単に確認することができます

拡張機能なしの場合は、
設定→ユーザ→対象のユーザを探す
という順でクリックする必要があります。

対して、Salesforce inspectorでは、
メニュー画面にユーザ名などを入力するのみです。ページ遷移なしで、プロファイルやロールを確認できます。

”Uses”をクリックした際は、デフォルトで、現在ログインしているユーザの一部の項目が表示されるので、ログインユーザのプロファイル確認は2クリック、ページ遷移なしで行うことができます。

”Uses”で他のユーザを選択し、そのユーザに代理ログインできる場合には、画面遷移なしですぐに代理ログインすることができます。この機能は、異なるプロファイル、ロールのユーザでテストを行う必要があるときには、クリック数が圧倒的に減り、ユーザ切り替えが容易に出来ます

1-4.SOQLでのデータの絞り込み、出力

Salesforce inspectorメニュー画面の”Data Export”をクリックすると、SOQLを使用してデータを絞り込むことができます

開発者コンソールでもSOQLでデータを絞り込むことはできますが、Salesforce inspectorの機能ではさらに、以下の機能を利用できます。
・項目の候補が表示され、クリックのみでSOQLに項目を挿入できる
・絞り込んだデータをさらに、クイック検索のような入力欄で、容易に絞り込める
・絞り込んだデータをExcel、CSV、JSONファイルで出力できる

Salesforce inspectorの”Data Export”では、開発者コンソールより、簡単にSOQL文を書くことができ、さらに、絞り込んだデータをそのままデータローダなしですぐにファイル出力できる機能が盛り込まれています。

2.Salesforce DevTools

2-1.Salesforce DevToolsの機能

2つ目の拡張機能は、「Salesforce DevTools」というもので、Salesforce組織の設定内容をファイルに容易に生成、出力することができます

Salesforce DevToolsの主な機能は以下の通りです。

・オブジェクトの定義書、設計書の生成、出力
・ER図の生成、出力
・SOQLでのデータの絞り込み、出力
・デバッグログの検索、参照
・API参照名の表示

これらの機能から、Salesforce DevToolsで利用すべき、特に作業が効率化する機能を、実際の利用ケースを含めてご紹介します。

2-2.オブジェクトの定義書、設計書の生成、出力

Salesforce DevToolsで、簡単にオブジェクトの定義書、設計書を作成することができます

Chrome右上のタスクバーより、Salesforce DevToolsをクリックすると、メニュー画面が表示されます。
メニュー画面で定義書などを作成したいオブジェクトを選択して、”Export”をクリックすると、以下のボタンが表示され、それぞれの種類のファイルが作成できます。

・Objects Definition(FULL)→オブジェクト定義書(項目定義、項目権限、入力規則、ワークフロー、
 トリガー内容含む)
・Object Fields Definition→項目定義書
・ERDs(svg)→ER図
・Page Layout→画面設計書
・List Views→リストビュー設計書

Object Fields Definitionでは、下図のような項目定義書をExcelファイルで出力できます。

オブジェクトを複数選択して、一度に定義書の出力をすることも可能なので、プロジェクトの初めに利用している全てのオブジェクト定義書が必要な場合もSalesforce DevToolsが活用できます。

ERDs(svg)では、下図のようなER図をSVGファイルで出力できます。オブジェクト間の関係を、任意のオブジェクトを選択して表示することができます。リレーションを整理してお客様にお見せする際にも重宝できる機能です。

2-3.API参照名の表示

レコード詳細画面上で、Salesforce DevToolsメニュー画面を表示し、”Show Object API Name”をクリックすることで、項目名横にAPI参照名を表示することが可能です。

要件定義の詳細資料を参照しながらApexクラスを作成、編集している時や、打合せ時に表示ラベル名で項目を呼んでいる時など、どの項目とAPI参照名が対応しているか一度確認したい時があると思います。そのような場合に、1クリックでAPI参照名を表示できるので、項目設定画面に遷移するよりも、確認作業の時間を大幅に短縮することができます。

まとめ

今回は、Salesforce開発を効率化するChrome拡張機能を2つ紹介しました。

「Salesforce inspector」は、項目定義、ユーザ情報の確認や、SOQLでのデータの絞り込み、出力ができ、
「Salesforce DevTools」では、定義書などの作成、出力や、ER図、デバッグログ、API参照名の確認できる機能が利用できます。

この2つの拡張機能の他にも、様々な用途の拡張機能が提供されています。Salesforce設定をしていて不便と思った際に探してみると、最適な拡張機能があるかもしれませんので、ぜひ探してみてください。
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