はじめに
SFDC歴は4年とまだまだ短いですが、縁があって複数のGlobal Projectに参画してきました。
今回は、自分の得意分野(?)グローバル案件について少し書いてみたいと思います。
経験豊富な方には当たり前のことも多いかと思いますが、その辺はご容赦ください。
Global Projectのサポート体制
Global Projectにおいては、拠点の要件の要否・優先度を審査するには、COEとPMOは不可欠な存在です。
COEの定義については、COEってご存知ですかの記事をご参照ください。
個人的に、特にCOEに期待したいのは、
> 「プロセス/ソリューション/技術レビュー」
> 「課題対応/ナレッジ/ベストプラクティス蓄積・共有・適用」
です。
例えば、保守作業の中によく発生する依頼について、対応方法をテンプレート化します。そして、各システムサポートチームと各拠点のIT担当者へその内容を共有します。
そうすることで、問い合わせへの対応工数が減り、システムの安定運用が期待できます。
PMOの重要性は言わずもがなですが、個人的にPMOに期待したいのは、
> 「課題管理」の優先度づけ
です。
そして、その優先度を全拠点及びシステムサポートチームに共有すべきです。
ビジネス面・システム面の影響調査が済んだら、予算・リソースを含めて、再度優先度を見直すことがあるでしょう。
その都度の調整結果を全員共有することで、自分たちの課題は今どのような状態かが明確になるでしょう。
各システムサポートチームが安心して課題対応スケジュールを立てることができます。
Global Projectあるある事例
ケース1
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事象
既存のProfileが百個以上ありました。 -
課題
既存Profileの違い、作成された背景及び用途は誰もわからなくなりました。 -
対応策
1. 利用されていないProfile(有効なユーザに付与していないもの)をお客様に削除してもらいます。
2. 日本ユーザのプロファイル一覧をリストアップします。
3. ビジネス側にそれぞれの業務担当を確認して、プロファイルを寄せるように整理しました。
4. 既存のプロファイルをコピーして、日本専用のプロフィールを新規作成しました。
5. 今後は海外拠点でも同じ手順で実施していきます。
6. 最後は不要なプロファイルを削除する予定です。 -
個人的な経験
職種別国別でプロファイルを設定しておくと、ページレイアウトの改修などシステムの拡張がしやすくなります。
プロファイルの名前に職種名_国名で明示的に定義するおすすめします。
ケース2
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事象
それぞれの拠点に運用を任せたため、用途不明なパッケージがインストールされています。
しかも、個別拠点がさらにAppExchangeより新しいアプリケーションをインストールするように要求してきます。 -
課題
当時の担当者が退職したため、パッケージインストールの背景及び目的は誰もわからなくなりました。 -
対応策
1. パッケージの利用箇所を調査します。 業務に影響を与えるような重要なアプリをリストアップします。
2. そのインストール手順、利用箇所もドキュメントに残します。
3. 新しいパッケージのインストール要求に対して、ソリューションのレビューを行います。その時、新しいSandboxを使って検証します。 -
個人的な見解
アプリケーションインストールする際、不適切なプロファイルを選択すると、他拠点に影響を与えたりすることがあります。
インストール済みパッケージと利用拠点・プロファイルのマトリックス表を整理した方が良いと思います。
おわりに
21世紀のDX時代、ITシステムの複雑さがどんどん増しています。そんな中、Global Projectもどんどん増えていくと思います。インターナショナルチームが一緒に新しいソリューションをレビューしたりするケースも増えていくでしょう。
SalesforceのスペシャリストとしてYou are the bestと言われように日々邁進していきたいと思います。