2019.12.06

Salesforce最難関資格CTAホルダーに聞く、合格の極意!

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本記事はSalesforce Platform Advent Calendar 2019の6日目の投稿となっております。
こんにちは、認定テクニカルアーキテクト(CTA)に合格したい讃岐です。
Salesforceには様々な認定資格が存在しており、その中でもっとも難しいのが認定テクニカルアーキテクトの試験だと言われています。(讃岐調べ)
CTAに求められるのは、Salesforce Platformを中心として、その周辺まで含めたシステム全体のアーキテクチャを設計・評価できるスキル、安全かつ高パフォーマンスなテクニカルソリューションの設計、各ソリューションのトレードオフを関係者に説明するためのコミュニケーション能力、品質を確保して継続的にデリバリーするためのフレームワークへの知識など、システム構築に関する様々な知識と実際の経験が必要となります。
また受験するための前提として、Platformアプリケーションビルダー、Platformデベロッパー、各種デザイナー資格など、最低7個の資格(通称ドラ○ンボール)を保持していなければならず、CTAの取得はカリン塔並の高いハードルになっています。
その証拠にCTAを保有しているSalesforceの日本国内のパートナーは、執筆時点で7社(11名)のみであり、ここ数年は年に1人合格者が出るかどうかといった状況になっております。
かくいう私も何度か最後のハードルである「レビューボード」と呼ばれる試験を受けてはいるのですが、残念ながらクリアできておりません。

そんなテクニカルアーキテクトですが、実はテラスカイには4名ものCTAホルダーが在籍しています

そこで、現役のテクニカルアーキテクトの皆さんに、CTAに合格するための心構えや必要となる知識などを、わたくし讃岐が(自分のために)インタビューした内容を公開したいと思います。
この内容をご覧になって頂き、一人でもCTAに合格する人が増えてもらえれば幸いです。
それではご覧ください。

自己紹介

左から岩井、横山、今岡、山田

讃岐:今日はSalesforce資格の中でも最難関と言われている「認定テクニカルアーキテクト(以下、CTA)」資格保持者のみなさんに集まってもらいました。よろしくお願いします。

全員:よろしくお願いします。

讃岐:「試験が難しい」「受験料が高い」と言われることが多いCTA資格ですが、まだまだどのような資格か知らない人も多いと思います。そこで今回みなさんにいろいろとお話を伺えたらと思っています。

讃岐:でははじめに簡単な自己紹介も兼ねて、好きなSalesforceの機能をお願いできますか。

今岡:好きな機能・・・2つでもいいですか?

讃岐:もちろん

今岡:カスタムオブジェクトとSOAP APIですね。

讃岐:おお、カスタムオブジェクトはSalesforceの基本とも言えるベーシックな機能ですね。

岩井:私も好きな機能が2つあるんですけど、プラットフォームイベントとSalesforce Connectです。

讃岐:なるほど、岩井さんは連携系が好きなんですね。

横山:僕は、Einstein Analyticsと・・・変更セット

讃岐:変更セット・・・リリース・・・いいんですか変更セットで(笑)

横山:はい!(ちらっと山田さんを見る)

山田:私は全部好きなんですけど、前職の経験もあって特に好きなのはBulk APIですね。あと、嫌いな機能は変更セットです(笑)

全員:(笑)

山田:変更セットよりもぜひFlosumを使ってほしいですね。

(補足:FlosumはSalesforceのリリース管理ができるAppExchange。担当が山田なのでこのようなやり取りになっています。)

讃岐:ちなみにFlosumのいいところってどんなところですか?

山田:リリースが簡単!ボタンひとつでできます。検索機能もありますし。 

岩井:なんか外向けのコメントだなあ(笑)

讃岐:ここでFlosumのリンクを貼っておきましょうか(笑)

サンプルシナリオからソリューションを提案する試験「レビューボード」

讃岐:では本題のCTAについて、具体的にうかがっていきたいと思います。

まず前提として2つのドメインアーキテクトの取得者だけが受験できるということですが、試験内容は「レビューボード」というプレゼンテーション形式なんですよね?

(補足:ドメインアーキテクトとは認定アプリケーションアーキテクトと認定システムアーキテクトのこと。前提となる7つの試験を取得していくと認定されます。)

今岡:そうですね。僕が受けたときは筆記試験もあったのですが、今はレビューボードがメインになっています。

讃岐:具体的に何をするんですか?

岩井:RFPをつまんだようなサンプルシナリオがあって、それを元に提案書を作り、プレゼンするという流れです。

提案内容がSalesforceや連携する外部システムも含めて合理性があるか、理想的な形で作り上げられたソリューションかどうかをレビューされるというものですね。

讃岐:審査員はどのような人なんでしょうか。

岩井:3名以上のCTAホルダーがレビュアー(審査員)になります。今岡さんもよく呼ばれていますね。昔は海外からホルダーの人がきて、通訳を挟んでレビューしたりすることもあったんですよ。

讃岐:なるほど。今岡さん、採点ってどのようにされるんですか?

今岡:採点そのものは、スタディガイド(こちら※PDF直リンク)に記載されているカテゴリ通りです。仮想シナリオを通して各カテゴリの理解度が審査されますね。

讃岐:ちなみにレビューボードって、シナリオを提示されてから2時間でプレゼンとなるわけですが、実際に受けてみてそのあたりの難易度はどうでしたか?

山田:とにかく時間が短かったですね。2時間と聞くと長い印象ですが、シナリオだけで10数ページあるので、それを隅から隅まで読むだけで30分くらいかかるんです。で、残りの1時間半で提案をまとめないといけないという。

RFPに出てくる要件はスタディガイドの内容すべてを網羅しているので、技術的な難易度はもちろんですが、相当な集中力も必要でしたね。

讃岐:どんな内容が出題されるんですか?

山田:あまり細かくは話せませんが、だいたい本社と海外の拠点があるグローバル企業のシナリオですね。

(補足:オンラインCommunityにサンプルのシナリオが落ちています。)

今岡:基本的に、スタディガイドでアナウンスされている情報が全て含まれています。外部のコミュニティは必ず登場しますし、LDVとか外部とのシステム統合とか、ID管理まわりなどが網羅的に含まれたものになりますね。

苦戦しやすいセキュリティ

Architect Wheel

讃岐:こちらはアーキテクトホイールと呼ばれる図なんですが、中心の濃い色の部分6個が含まれたシナリオということでしょうか。

今岡:そうですね、これはスタディガイドに書かれている文言が図解されたものなので、よりわかりやすくなっていると思います。

横山:このホイールができたのがここ最近なんですが、もっと早くほしかったなあと思いました。

山田:外側のグレーの部分について読み込んで、それを盛り込んでプレゼンする・・・と思った方がいいかもしれません。それができないと受からないと思います。

讃岐:なるほど。それぞれのカテゴリをまんべんなく理解することが大切だと思いますが、特に受験者が苦戦するセクションってありますか?

今岡:いちばん多いのはセキュリティじゃないかな。セキュリティモデルを間違えてしまうケースがとても多い印象です

讃岐:セキュリティというと、共有ルールとかロールとか?

今岡:それももちろん含まれます。共有でいうと内部・外部の共有で、ライセンスの選択を誤ったことから破綻してしまうケースが多いですね。そこからソリューションを訂正しきれずに終わってしまったり。

岩井:外部ロールとの組み合わせとか。

山田:コミュニティライセンスとか。

今岡:あとはデータモデルとの主従関係がセキュリティモデルに合っていない、という理由で落とすことが多いです。

讃岐:あー、主従か参照かによっても従オブジェクトへの共有は変わってきますよね。

山田:ライセンスの選択って、普段開発だけしている人はあまりやる機会がないと思うんです。でもその選択が全ての入り口になってくるので、間違えないよう注意が必要ですね。

讃岐:プロジェクトによっては先にライセンスやエディションが決まっていることもありますよね。

横山:そのフェーズが終わってることもあるからね。

讃岐:ライセンスに限らないですが、人によっては普段やらないところも理解しないといけない、ということですね。

ちなみに開発ライフサイクルのセクションで注意したほうがいいことはありますか?

今岡:例えばリリース方式を例に出すと、いわゆるシンプルな変更セットを使ってやることも外れてはいないんだけど、当然いろいろな種類があって。よしあしを含めたトレードオフをきちんと説明できるかどうかが重要なんじゃないかな。

讃岐:お客様の要件によって、いろんな選択肢を理解したうえで最適なものを説明できるという力が必要ということですね。

山田:要件によりますよね。例えば変更セットとFlosumの話でいうと、さっきはFlosumを推したけど、全部それでいいわけではないんです。当然お金もかかるので、ROIというか、コストをリカバリするだけの効果があるかどうかを理解したうえで提示しなければいけない。まあ、全てにおいてそうなんですが。

讃岐:そうですね、小規模の場合や管理者の方がやる場合には変更セットも悪い選択ではないわけですし。

今岡:CTAのテストでいうと基本的にシナリオは大規模開発のものなので、それに耐えうるものかどうかを判断するという感じですね。

岩井:そういう意味では、CIやバージョンコントロール含めた、大きな規模の開発を経験していると有効だと思います。

CTAの特典!CTAだけが参加できるイベントも?

讃岐:ちなみにCTAを取得すると、どんないいことがありますか?

岩井:会社によるのでしょうが、テラスカイでは報奨金がもらえたり、ホルダーは隔年でDreamforceに参加できますよ

讃岐:2年に1回、海外のカンファレンスに参加できるっていうのはエンジニアとして魅力的ですよね。

横山:我が家では参加する年が子供の七五三とかぶるのが課題です・・・毎回Dreamforceのときに七五三の日程でモメるっていう(笑)

讃岐:それは・・・今後何年か続きそうですね(笑)

あとDreamforceでは、CTAだけが集まるパーティーもあると聞きました。

山田:去年ブログに書きましたよ!(山田のブログはこちら)2年前はパーティーだけだったんですが、去年はパーティーの他に「CTAサミット」というものもあったんです。CTAホルダーだけ参加できる、特別ゲストが登壇したり、クローズドな情報が聞けるイベントです。

横山:今年(2019年)もあるんですけど、Dreamforce前に開催されるので前乗りしないとCTAサミットには間に合わないんですよね・・・。丸二日かけて開催されるので。

讃岐:何名くらい参加するイベントなんですか?

山田:去年はセッション参加者が30人くらいでしたね。パーティーはSalesforce社内の人も参加するのでさらに多かったです。

讃岐:グローバルのCTAの人たちとコミュニケーションがとれる機会は貴重ですね。

山田:普段の業務ではあまり感じませんが、そういう場に行くとCTAホルダーとしての特別感がありますよね。

受験対策にはテラスカイブログ!

讃岐:レビューボードをクリアするために、普段の業務で意識することや具体的な試験対策などはありますか?

今岡:知識と経験を結びつけることですね。知識に関しては、CTA受験までに獲得したドメインアーキテクトの資格などを通じて得ることができるけど、それはあくまでも点でしかなくて。点を結んで線にすることが経験で、それを課題に活かせるかどうかがレビューボードで試されるんだと思います。

岩井:そうですね。知識ってツールを手に入れただけの状態で、それを使ってモノを作るのが経験。レビューボードはそのモノ作りの部分を細かく問われるものなので、ちゃんと完成させるためには日頃の経験が必要だと思います。

讃岐:いちばん直近で合格された、山田さんの対策法は?

山田:そうですね、とにかく自分が知らない部分をヘルプなどでひたすら検索して調べて、別の場所にコピペしたりリンクを貼ったりして知識のストックにしていました。特にID管理は自分でやったことがなかったので、自分でフローをまとめたり。

讃岐:どんなサイトが役に立ちました?やっぱりSalesforceの公式のドキュメントやTrailheadでしょうか。

山田:今岡さん、岩井さん、横山さんの3人が昔書いてくれたブログがとても役に立ちましたね。ブログを読むとどういう問題が出るのかわかりますし、その中で自分に足りない知識を調べたり。自分は前職で大きいプロジェクトしかやったことがなかったので、細かい部分をたくさん勉強しましたね。

讃岐:たしかにテラスカイのブログって、CTAに求められる知識とかインテグレーションのこととかいろいろ役に立つ情報がありますよね。

今岡:もともと初期の頃のブログネタはCTAを目指す人に読んでもらうことを念頭に書いていたので、もし読んでもらえていないとするとちょっと寂しいですね・・・。

岩井:僕がレビューボードを終えたくらいに、今岡さんが連載を始めたんです。大事なポイントが詰まっていたので、もっと早く読みたかったですね・・・

★旧ブログはこちらから読めます!
今岡の記事一覧
岩井の記事一覧
横山の記事一覧

オトクな情報が聞ける!コミュニティへの参加もおすすめ

讃岐:最近はコミュニティの中でアーキテクト系のものも立ち上がっています。

横山:前回参加しましたが、面白かったですよ。個々のスキル・・・最新のSalesforceのトレンドをキャッチしている人はたくさんいると思うんです。そういう人たちに対してコミュニティが経験という部分をサポートすることで、近い将来アーキテクト資格を持つ人がたくさん生まれるんじゃないかと思ってます。

讃岐:横山さんは隠れCTAとして参加されていましたね(笑)

横山:まぁでも、ああいうところでオフレコの話を聞けることもあるので、参加すると良いと思います!

コミュニティ紹介→ Salesforce Architect Group

これからCTAにチャレンジする方へ

讃岐:では最後に、これからCTAにチャレンジする方へのメッセージをお願いできますか。

横山:とりあえず、ひたすらトレードオフを検討することになると思います。カードをもれなく出してトレードオフを検討したうえで、シナリオに最適なものを提示する。これをすべてのカテゴリで繰り返すだけなんですよね。

経験が必要というのはこのトレードオフのバランスという意味もあるので、普段から決められたことをそのままやるより、アーキテクチャや技術系のものを見てみることも大事だと思います。その積み重ねかなあ、と。

岩井:横山さんの話とも重なりますが、レビューボードではCTAホルダーに対して、自分の考え方の妥当性を訴えなければいけないんですなので、何を持って妥当と判断するかのものさしを鍛えることが一番必要な勉強ですね。そこに経験が生きてくるのかなと思っています。普段の業務の中でも、たくさんの選択肢から選んだものの妥当性を、常に周りの人に説明できるよう意識することが大事だと思います。

山田:大規模案件の経験が必要と言いつつも、個人的には若い人にチャレンジしてほしいんですよね。自分は50歳を過ぎてから取得したので、別の意味で「すごいですね!」と言われることもあるんですけど。

技術的なスキルアップや社内のポジションにも効果的ですが、やっぱり資格というのは自分が仕事をしていくうえでのスーパーバッジであり、社内社外問わずアピールになります。なので20代ではまだ難しいかもしれませんが、例えば30代の人が大きい案件を経験したときに、CTAにチャレンジしてみようかなと思うくらいになってほしいですね。

今岡:自分はCTAに合格できたのがとても嬉しかったんです。めちゃくちゃキツかったレビューボードの中で、自分の知識と経験が認められたことが嬉しかった。合格することがゴールではないんだけど、今まで培ってきたものがわかりやすい形で認められた感覚でした

知識がきちんとあることを対外的にわかりやすい形にすることは、エンジニアにとって意味や価値があることなんじゃないかなと思うので、ぜひチャレンジしてほしいです。

讃岐:ハードルが高いCTAのレビューボードですが、私も今日の話を聞いてモチベーションが上がってきました。次こそは合格したいと思います!

みなさん、本日はお忙しい中ありがとうございました!!
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