はじめに
Salesforce上でレコード作成後に続けて実行することが決まっている業務や定期的に繰り返し実行したい業務を自動化することで作業時間を節約できるツールとして、Salesforce フローを利用する、というシーンは少なくないかと思います。
さらに作成されたデータに対して入力値の整合性チェックやレコードの重複チェックなどを設けてデータの質を向上させることで、その後のレポートによる分析業務なども効率的に行うことができるでしょう。
ただし、ユーザーが保存ボタンを押した後に実行される自動化処理の中で何らかのエラーが発生したとしても解決する方法が明確に示されなくては、ユーザーは何をどうすれば良いか分からず、かえって作業時間を増やしてしまうこともあるかもしれません。
従来のSalesforceフローではエラーメッセージを好きなようにカスタムすることができず、汎用的なメッセージが表示されるため、複雑なチェックでエラーが起きた際にその内容から、解決方法がすぐには分からないケースもあります。
その悩みを解決してくれる機能が今回のWinter'24で新登場!
レコードトリガーフローに対してのみとはなりますが、カスタムエラー要素が使えるようになりました!
というわけで、前置きが長くなってしまいましたが、「Winter'24 フローにカスタム エラー要素が追加されるので実際に使ってみた。」始めていきましょう♪
さらに作成されたデータに対して入力値の整合性チェックやレコードの重複チェックなどを設けてデータの質を向上させることで、その後のレポートによる分析業務なども効率的に行うことができるでしょう。
ただし、ユーザーが保存ボタンを押した後に実行される自動化処理の中で何らかのエラーが発生したとしても解決する方法が明確に示されなくては、ユーザーは何をどうすれば良いか分からず、かえって作業時間を増やしてしまうこともあるかもしれません。
従来のSalesforceフローではエラーメッセージを好きなようにカスタムすることができず、汎用的なメッセージが表示されるため、複雑なチェックでエラーが起きた際にその内容から、解決方法がすぐには分からないケースもあります。
その悩みを解決してくれる機能が今回のWinter'24で新登場!
レコードトリガーフローに対してのみとはなりますが、カスタムエラー要素が使えるようになりました!
というわけで、前置きが長くなってしまいましたが、「Winter'24 フローにカスタム エラー要素が追加されるので実際に使ってみた。」始めていきましょう♪
まずはWinter'24 プレリリース トライアル組織を作成する。
以下のサイトからWiter'24のプレリリーストライアル組織を作成します。
https://www.salesforce.com/form/signup/scheduler-prerelease-trial/
※今回は簡易的に新機能を試すだけなのでプレリリース組織を作成しますが、実際の環境に新機能を導入するための影響範囲や利点を確認したい場合はSandboxプレビューでお試しいただいた方がイメージしやすいかと思います。
https://www.salesforce.com/form/signup/scheduler-prerelease-trial/
※今回は簡易的に新機能を試すだけなのでプレリリース組織を作成しますが、実際の環境に新機能を導入するための影響範囲や利点を確認したい場合はSandboxプレビューでお試しいただいた方がイメージしやすいかと思います。
レコードトリガーフローを準備する。
上記でプレリリース組織が作成されたら早速フローを作成していきます。
今回は分かりやすいように簡単なフローを用意しました。
「取引先」を新規作成する際に同一名の取引先が既に登録されている場合、レコードを作らせずにエラーメッセージを表示する、というような重複チェックを行うフローを作成しました。
今回は分かりやすいように簡単なフローを用意しました。
「取引先」を新規作成する際に同一名の取引先が既に登録されている場合、レコードを作らせずにエラーメッセージを表示する、というような重複チェックを行うフローを作成しました。
本記事はカスタムエラー要素について説明するものになりますので、カスタムエラーの要素以外はポイントのみ以下に記載させていただきます。
① 開始
「取引先」のレコードが作成されたとき
② レコードを取得:取引先の情報を取得する
取引先名が作成したレコードの取引先名と一致する既存のレコードを取得します。
③ 決定:重複チェック
②で取得したレコードがnullではなかった場合は「既存レコードあり」、nullであった場合は「既存レコードなし」になるよう決定要素を設定します。
④ カスタムエラーの要素を追加して、次のように設定します。
① 開始
「取引先」のレコードが作成されたとき
② レコードを取得:取引先の情報を取得する
取引先名が作成したレコードの取引先名と一致する既存のレコードを取得します。
③ 決定:重複チェック
②で取得したレコードがnullではなかった場合は「既存レコードあり」、nullであった場合は「既存レコードなし」になるよう決定要素を設定します。
④ カスタムエラーの要素を追加して、次のように設定します。
カスタムエラー要素の詳細設定
エラーメッセージを表示する場所:
・レコードページのウィンドウで を選択します。
エラーメッセージ:
「既に同一名の取引先が登録されています。」 を設定します。
※エラーメッセージはひとつのカスタムエラー要素に複数個設定できますので、必要に応じて[+エラーメッセージを追加]をクリックして追加してください。
エラーメッセージを表示する場所:
・レコードページのウィンドウで を選択します。
エラーメッセージ:
「既に同一名の取引先が登録されています。」 を設定します。
※エラーメッセージはひとつのカスタムエラー要素に複数個設定できますので、必要に応じて[+エラーメッセージを追加]をクリックして追加してください。
実際に動かしてみる。
こちらの既に登録済みである取引先情報と同一名の取引先情報を作成してみます。
取引先名を「てすと株式会社」にして・・・・保存!
エラーメッセージ「既に同一名の取引先が登録されています。」、設定したエラーメッセージが表示されました!
エラーメッセージを表示する場所の設定を「レコードページのウィンドウで」 に設定していましたので、ウィンドウの下部に表示されていますが、例えば、エラーメッセージ1の設定をそのままでエラーメッセージ2を追加してみましょう。
こちらのエラーメッセージを表示する場所の設定を「項目のインラインエラーとして」を選択します。
もう一度、取引先名を「てすと株式会社」にして・・・・保存!
先程のエラーメッセージに加えて、指定した項目のインラインエラーでエラーメッセージが表示されました!
ちなみにデータインポートウィザードなどの画面からの登録ではなく、一括登録処理でエラーになる場合は実行後の一括データ読み込みジョブの結果のファイルに設定したエラーメッセージが出力されます。
以下はデータインポートウィザードで同一名の取引先情報を登録しようとした際に出力された結果ファイルの中身です。エラーメッセージ1、エラーメッセージ2、共に設定したエラーメッセージが出力されております。
まとめ
以上がSalesforce Winter'24で追加されるレコードトリガーフローの新要素「カスタム エラー」の実装例についての説明となります。
今回用意したフローではあまり複雑な処理を行っていないのでイメージがつかみづらかったかもしれません。必須入力などの単純な入力値チェックの場合、ユーザーに対してエラーの原因や解決方法が比較的に簡単なメッセージで伝えやすかったりしますが、重複エラーなどのバックグラウンドでエラーが発生するようなものはパッと見てユーザー自身が原因に気づいて解決するというのは難しいのではないかなと思います。
そんな時、このカスタムエラー要素でメッセージ内容を機械的に出力される汎用的なものではなく、利用するすべてのユーザーに寄り添ったメッセージに変えてあげることで何が原因で、どうすれば解決できるのかを迅速に伝えられるのではないかなと思います。
ワークフロールールやプロセスビルダーといった自動化機能の廃止に伴い、需要が高まるフロービルダーの追加機能についてはこれからも注目していきたいと思います!
この記事に興味をもってくださった方、一緒にフロービルダーについて勉強していきましょう!
今回用意したフローではあまり複雑な処理を行っていないのでイメージがつかみづらかったかもしれません。必須入力などの単純な入力値チェックの場合、ユーザーに対してエラーの原因や解決方法が比較的に簡単なメッセージで伝えやすかったりしますが、重複エラーなどのバックグラウンドでエラーが発生するようなものはパッと見てユーザー自身が原因に気づいて解決するというのは難しいのではないかなと思います。
そんな時、このカスタムエラー要素でメッセージ内容を機械的に出力される汎用的なものではなく、利用するすべてのユーザーに寄り添ったメッセージに変えてあげることで何が原因で、どうすれば解決できるのかを迅速に伝えられるのではないかなと思います。
ワークフロールールやプロセスビルダーといった自動化機能の廃止に伴い、需要が高まるフロービルダーの追加機能についてはこれからも注目していきたいと思います!
この記事に興味をもってくださった方、一緒にフロービルダーについて勉強していきましょう!
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