2021.10.19
そうだ、Financial Services Cloud(FSC)のSuperBadge を取ろう!と思った日に読む記事
1. はじめに
こんにちは、テラスカイの平原、吉川、金定、松元、姜、森、岩下です。
みなさんはFinancial Services Cloud(以下、FSC)の勉強していますか?
FSCの勉強をしようと思った場合、まずはTrailheadのバッジを取得するという方は多いかと思います。
特にFSCはSuperBadgeも用意されているため、そこを目標にする方もいるのではないでしょうか。
でも、SuperBadgeって最初は結構難しそうな印象を受けませんか?
私たちの場合、取り組み始めた時は登場人物が多すぎてなかなかシナリオが頭に入ってこず、なにをどう設定すればいいのかピンと来ていませんでした。
今回は、私たちと同じような方のお役に立てるように、FSCのSuperBadgeのシナリオに出てくる人物をわかりやすく相関図で表現するとともに、各チャレンジをクリアする際のポイントをまとめてみました。
本記事を読んでからSuperBadgeに挑戦していただくことで、チャレンジの内容をイメージしやすくなり、どのように設定を行えば解決するのか分かりやすくなると思いますので、ぜひ読んでみてください。
2. SuperBadge取得までの流れ・事前準備
SuperBadgeに挑戦する前に、以下の4つのトレイルを完了させておく必要があります。
いずれもSuperBadgeの課題と関連しているため、前提知識として頭に入れつつ、課題に取り組み始めたものの機能が分からなくなった時にもう1度見てみると良いでしょう。
・Financial Services Cloud のカスタマイズ
・Financial Services Cloud のデータモデリング
・Financial Services Cloud のアクションプラン
・Financial Services Cloud を使用したクライアントリストの拡大
4つのトレイルが完了したら、いよいよSuperBadgeの課題に取りかかります。
FSC SuperBadgeの課題では、あるシナリオをもとに実際に環境構築を行います。
その構築が正しく行えているかの判定をクリアすれば、見事SuperBadge取得となります。
そのため、まずはシナリオの文章を読み込むと同時に、構築用にFSCが有効化されたDeveloper Editionの環境を用意する必要があります。
環境を用意するための方法は、SuperBadgeのトレイル内に詳細な手順が記載されているため、そちらを参照してみてください。
環境作成後、ユーザと組織の言語・ロケールは英語に切り替えておきましょう。
また、FSCの豊富な機能・専門的な用語を理解するためには事前に完了させた4つのトレイルだけでは心もとないため、以下の専用のヘルプページも併せて読んでおく、もしくはSuperBadgeに挑戦しながら参考にすることでスムーズに課題をクリアしていけます!
参照: FSC ヘルプページ3. ステークホルダー相関図
FSCのSuperBadgeシナリオはキュムラス銀行のSalesforceシステム管理者として、クライアントとの関係構築をサポートしていきます。
そのうえでまず、主要なステークホルダーであるクライアント、銀行員たちについて簡単な人物相関図を見ながら、シナリオの登場人物を理解していきましょう。
長くキュムラス銀行を愛用していただいているアダムズ家、またその息子の将来的な家庭までの、資産情報やライフイベントをSalesforce上で管理していくことになります。
さらにはアダムズ家の弁護士や不動産業者まで、世帯管理を行う機能によりこれらを一画面上で確認できるようになります。 時には資産運用アドバイザーなど銀行員の1人としてログインし、実際にタスクの割り当てなどをしていきます。
ここまでで少しでもシナリオを進めるイメージが持てたでしょうか?
4. 要件のポイント
ビジネス要件のポイントに入る前に、本シナリオでFSC導入を目指す「銀行」について確認していきます。
パーソナルバンキングのリーダー的な銀行です。
ハイタッチの顧客体験をサポート・継続的な成長を目的として今回FSCの導入を決めた。
それでは、各ビジネス要件のポイントと想定される実装機能について見ていきましょう。
ビジネス要件 | ビジネス要件ポイント |
---|---|
想定される実装機能 | |
構成の変更 | チームメンバーの情報への適切なアクセスを設定します。 パーソナルバンカー向けのFSC Personal Bankerプロファイルや、住宅ローン担当官向けのFSC Mortgage Officerプロファイルの設定をします。 そして、パーソナルバンカーであるハンク・バルトンと住宅ローン担当官であるスー・ベリーを、ユーザー設定します。 |
・ユーザ作成 ・プロファイルの構成 ・権限セットの適用 ・レコードタイプ作成 ・カスタムメタデータの設定 |
|
Lightningアプリと ページ |
ウェルスマネージャー向け等のLightningアプリを構成します。 ウェルスマネジメントのホームページでトップリファラーが誰であるかを確認できるようにします。 また、取引先レコードページで重要なライフイベントを視覚化することで、個人的でタイムリーな顧客エンゲージメントを 提供できるようにします。 また、パーソナルバンカーの住所変更プロセスを合理化します。 |
・Lightningページの作成・プロファイルとの紐づけ ・アプリケーションの作成・構成 ・フローの有効化および配置 |
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個人アカウントの操作 |
顧客に関わるレコード作成をします。 CGB顧客であるレイチェル・アダムズ、息子のスコット・アダムズ、 そのパートナーのビビアン・トレスの金融情報をCGBバンカーである ハンクがシステム登録していきます。また、 ビビアンのリタイア計画についてウェルスアドバイザーのリャン・ドブソンを紹介し 、リャンはビビアンのリタイア目標を登録します。 その他、バンカーをサポートするアソシエイトのコトリ・ミズノのために、 一部制限付きで金融口座を管理できる環境を設定し、不動産業者のキャロライン・ケイン、 弁護士イヴァン・M・コールを顧客との関係者として登録をしていきます。 |
・個人取引先レコード追加 ・世帯レコード追加 ・金融口座レコード追加 ・連絡先レコード追加 ・目標レコードの追加 ・プロファイルの構成 ・Lightningページの作成・プロファイルとの紐づけ |
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生活上の出来事 |
顧客の人生設計に沿ったライフイベントが登録できるようにします。 ウェルスアドバイザーのリャンはスコットとビビアンの新たなボートを購入計画として登録します。 |
・個人ライフイベント種類追加・画像関連付け |
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行動計画 |
業務プロセスに対して、一貫性のある準拠した顧客エンゲージメントを提供できる仕組みを構築します。 ウェルスアドバイザーのリャンは「ボート」ライフイベントから直接アクションプランを作成します。 |
・アクションプランテンプレートの設定 ・アクションプランの作成 |
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リードと紹介 |
ユーザ間で効率よくリードの紹介ができる仕組みを構築します。 リャンはハンクにスコットの個人ローンを紹介し、ハンクは紹介された内容から商談を作成します。 |
・キューの作成 ・リード割り当てルールの作成 ・紹介レコードの作成 ・リード受入 |
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ドキュメントの 追跡と承認 |
ビジネスプロセスを完了するため、承認プロセスを通じてファイルを追跡できる
、一般的に必要なドキュメントを定義します。 ハンクは、スコットのボート購入のための個人ローン申請書のドキュメントチェックリストを作成します。 |
・ドキュメントチェックリストアイテムコンポーネントの追加 ・ドキュメントタイプの定義 ・プロファイルの構成 ・権限セットの適用 ・ドキュメントチェックリストレコードの作成 |
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レポート |
紹介活動を追跡できるレポートを追加します。 住宅ローン担当官のスーは、上位のリファラーを知るためにレポートを作成します。 |
・Lightningページの作成・プロファイルとの紐づけ ・Lightningページでのレポート配置 |
さすがSuperBadge、実装すべき要件が盛りだくさんですね。
文章も独特の表現が多くありますので、上記表を参考にして頭を整理していただけたら幸いです。
5. Challengeのヒント
チャレンジに取り組む際、
シナリオに沿って組織に設定を加えていきますが、
シナリオを読んだだけでは、どのように設定すればいいのか迷ってしまうチャレンジもあります。
特に「チャレンジ3:リレーション管理」は、シナリオを読んだだけではクリアすることが難しいため、
ヘルプページ「カスタム設定」や「カスタムレコードタイプの作成」を参考に、
設定内容を確認しましょう。また、ユーザの言語設定が英語になっていることを確認しましょう。
各チャレンジに取り組む際、どのビジネス要件を確認すればよいのか、どのヘルプページを参考にしたのかを一覧化しました。 こちらを参考に取り組んでいただけたら幸いです。
6. おわりに
いかがでしたでしょうか。
SuperBadgeの登場人物の関係性、FSCによってどういった業務を改善したいか理解していただけたと思います! これからSuperBadgeを取得しようとしている方、問題文を見て逃げてしまった方へ挑戦していただくきっかけになれば幸いです。
FSCは年3回のアップデートをしており、以前から保険業界向けの機能が追加されており、年々機能が増えています。これによって金融業界の様々な業務に対して最適なソリューションを提供できるようになりました。 ぜひSuperBadgeを取得するだけでなく、最新の機能キャッチアップし、FSCのスペシャリストを目指しましょう!