2023.07.06

Summer'23で追加されたフロー機能

先日、とうとうリリースがされたSummer'23。
プロセスビルダーとワークフロー機能の廃止に向けての制限も徐々に追加されていく中で、フロー機能の充実が実施されてどんどん使い勝手が良くなっていっています。

今回は、Summer'23で更に使いやすくなったフローの機能のうち、個人的にうれしい機能を紹介いたします。

画面フローで新しく利用できる機能

数式を使用した画面のリアルタイム更新 (ベータ)

サポートされている数式関数を使用して、リアルタイムの数式計算とロジックを実行するように画面コンポーネントを設定できます。数式のいずれかの値の変更がフローで検出されると、画面コンポーネントの値が再計算されて更新されます。

たとえば、ユーザの画面で価格割引、税額、送料がリアルタイムで更新されます。ユーザは前の画面で何を選択したかを覚えておく必要がなくなったため、混乱することなく、クリックの回数が減ります。
こちらの機能はベータ版ですね。
有効化するには、設定>プロセスの自動化設定>反応型画面のベータにオプトインにチェックを入れて保存してください。

画面フローを用意します。
今回は簡単に単価+税の計算結果を自動表示してみましょう。

数値コンポーネントで、単価と税の入力欄と税込価格の表示欄を用意しました。
税込価格は自動計算結果の表示だけしてほしい気もするので、表示ラベルも試してみます。

さて、画面フローで入力欄の項目を用意できたら、ツールボックスから数式項目を作成しましょう。
単価+税の計算を数式項目で行います。

画面フローコンポーネントに戻り、作成した数式項目を税込価格の項目のデフォルト値に設定します。

実際に動かしてみましょう。

単価項目と税の両方に値を入れてみると、自動で税込価格が表示されますね。

なお、残念なことに表示ラベルでの数式の表示は難しいようです。
自動計算項目を編集させない等の場合は、もうひと工夫ができるようになればいいですね。

画面フローでのデータテーブルの結果の検索および表示

ユーザはデータテーブルレコードの結果を検索して絞り込むことができるようになりました。検索では最初の 1,500 個の項目が返されます。最初は 200 件のレコードが表示されます。結果をスクロールすると、追加のレコードが 100 件のグループで徐々に読み込まれます。検索結果には、表示されている項目の数と見つかった項目の総数も表示されます。
使い道は多岐にわたるデータテーブル。
このコンポーネントにも新機能があるようです。
早速使ってみましょう。

今回は取引先を取得して表示しましょう。
まずは、データテーブルに表示するレコードリストを取得します。

先ほど取得した取引先レコード一覧をデータテーブルのソースコレクションにセット。
この時、「検索バーを表示」にチェックを入れることで、検索絞込が可能となります。

実際に動かしてみましょう。

データテーブルの表示に検索バーが表示されています。

検索バーに検索する文字を入力すると、絞り込まれました。
データテーブル上に存在する項目のテキストで絞り込みを行っているようです。
件数も変化していますね。

選択肢ルックアップを使用したユーザが簡単に選択するための選択肢リストの提供 (正式リリース)

[選択肢ルックアップ] フロー画面コンポーネントを追加することで、絞り込まれたリストからユーザが選択できるようにします。たとえば、フローの設定時に絞り込んだ外部データ値、選択リスト値、静的値、またはレコードのリストを作成できます。この機能は、前回のリリースからの変更点を含んでおり、今回正式リリースとなります。最初は 20 件の選択肢オプションが表示されます。スクロールすると、追加の選択肢オプションが 100 件ずつ読み込まれ、最大で 1,020 件まで表示されます。最初の選択肢を読み込んだ後に検索条件を適用すると、表示がリセットされ、新しい 20 件の選択肢が表示されます。
通常のルックアップと選択肢ルックアップを並べて表示します。

通常の場合は、実際にどこかのオブジェクトに作成したルックアップ項目に準拠します。
オブジェクトAPI参照名に「どのオブジェクトの」、API参照名に「実際のルックアップ項目名」を指定します。

次に選択肢ルックアップを表示しますが、こちらは選択肢レコードの設定はフロー内の変数で行っているため、実際のルックアップ項目の指定は不要です。
選択肢を追加が可能ということは、複数の選択肢レコードを作成して追加できそうです。
異なる条件抽出のレコードを掛け合わせて表示できるのであれば、一つ一つの選択肢レコード側では複雑な条件指定をせずに済みそうですね。

レコード選択肢変数を作成しますが、こちらは変数内の設定のみで、レコードを取得と同様の条件での絞込が可能なので、必要に応じて条件や並び替えを指定しましょう。

通常のルックアップは、既にあるルックアップ項目を参照しているので、ルックアップの編集のように最近参照したレコードが選択肢に表示されます。
選択肢ルックアップは、選択肢レコードとして指定されたレコードが選択肢表示されています。

ルックアップ機能をフローで利用することがなかったので、通常のルックアップ機能と何が違うのか、と最初は思ったのですが、レコードが選択肢形式で表示されるという機能でした。
通常のルックアップ項目だと最近参照したリストビューから検索候補が出るのですが、任意の絞り込み結果で選択リスト化できるのはいいですね。
これは活躍の機会が出てきそうな機能です。

まとめ

今回はSumer'23で新しくなったフロー機能の内、個人的に気になる機能を使ってみました。
その他にも機能が追加されているので、気になる方はフローで実際に触って確認してみてほしいです。
まだまだフロー機能に苦手意識を持たれている方もいるかもしれませんが、更新で上記のような使いやすい機能がどんどん追加されています。
カスタムコンポーネントと組み合わせても自由度がさらに上がるので、ぜひぜひご活用してみてください。
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