2021.12.02

【イベントレポート】金融変革を推し進めるSMBCのリテール向けインサイドセールス戦略-TerraSkyDays 2021 Online講演レポート

はじめに

「Fly Ahead to 2030 次のパラダイムシフトに備えよ」をテーマに、2021年11月25日(木)・26日(金)の2日間で開催した「TerraSkyDays 2021 Online」。「DXの最新事例」や「次世代の働き方」に関する20のセッションをお届けし、好評をいただきました。
本記事では、「金融変革を推し進めるSMBCのリテール向けインサイドセールス戦略」をテーマに、株式会社三井住友銀行 リテールマーケティング部 部長代理 石﨑孝氏にご登壇いただいたセッション内容をご紹介します。

テラスカイ 児子(左)、三井住友銀行 石﨑氏(右)

新しいシステムの導入を決めた背景

石﨑氏が所属するリモートマーケティンググループでは、個人向けのリテールマーケティングにおいて、「リモート営業部の組織運営の企画」や「コールセンターで利用するシステムの企画」などを担当しています。

今回、新たなシステム導入を決めた背景について、石﨑氏は次のように語りました。

「従前の店舗での営業だけでなく、リモート営業の拡大に注力しています。
そのため、『顧客数が10倍に増えても対応できる』『マーケティング分析基盤やビデオチャットなどの新たなチャネルとも柔軟に連携できる』といった、拡張性の高いシステムを導入したいと考えました」

Salesforceおよびテラスカイを選んだ理由

従来のオンプレミスのシステムでは、「柔軟に規模が拡大できない」という課題を抱えていました。この課題を解決するために、柔軟性・拡張性の高いクラウドシステムの採用を検討したとのことです。

クラウドの導入にあたって、一番心配していたことは「セキュリティ」。石﨑氏は、社内の別プロジェクトを通じて、Salesforceはセキュリティについて一定の担保がされていること、また定期的に外部から評価を受けていることを把握していました。また、セールスフォース社のモック画面を使った説明により、オンプレミスからクラウドへ移行できると感じられたため、Salesforceの採用を決定しました。

また、ナビゲーターのテラスカイ 児子より「テラスカイを選んだ理由」をお伺いしたところ、石﨑氏は以下の2点を挙げられました。

1つめは、豊富な実績です。
セキュリティが担保できないという事態を避けるために、認定エキスパートが多く在籍していて多くの導入事例がある点が評価されました。

2つめは、開発手法です。
石﨑氏は、利用者のニーズに迅速に反映できるアジャイル型の開発プロジェクトを実施していきたいと考えていたため、アジャイル開発を主とするテラスカイはイメージにぴったりでした。

システム導入時の苦労

今回、三井住友銀行ではSalesforceのCRMの機能を利用し、アウトバウンドの架電、インバウンドの問い合わせ受け付けやユーザー管理ができるシステムを構築しました。

このシステム導入において、以下のような苦労があったと石﨑氏は振り返ります。

<コミュニケーション>
三井住友銀行にはSalesforceに知見のあるメンバーがいなかったため、Salesforceの用語や仕組みを覚えるのが大変でした。石﨑氏も、Trailheadでかなり勉強されたとのこと。
反対に、テラスカイも銀行用語や銀行業務について理解をする必要がありました。
また、コロナ禍ということもあり、オンラインでの打ち合わせも実施しました。対面と比べてやりづらい点もありましたが、画面で資料を共有して効率的に打ち合わせができたとのことです。

<セキュリティ>
今回のシステム導入において、音声基盤とSalesforceの連携のため、ブラウザの拡張機能の導入が必要となりました。しかし、セキュリティ上の懸念があり、導入することができませんでした。
セキュリティを確保しつつ、特定のアプリケーションのみを利用できるようにするために個別にセキュリティ部門と調整したり、一つ一つ確認をしながら進めたりすることが大変だったということです。

<開発手法>
石﨑氏は、銀行の凝り固まった業務をそのままSalesforceで実施できるようにするのではなく、銀行の業務を極力Salesforce側に合わせるということができないかということを重視し、プロジェクトを進めました。
以前のシステムにあった機能については、「この機能は本当に必要かどうか。実装することで利便性は上がるのか」ということを確認したうえで、Salesforceに実装するかどうかを判断しました。このように進めたことにより、約半年という短期間での開発を実現したとのことです。

<事件>
今回の導入プロジェクトでは、テラスカイのプロジェクトマネージャーが離任するという事件が起こりました。この事件について、石﨑氏は次のように語ります。

「プロジェクトマネージャーが辞めてしまったので、私としては大変なショックでした。しかし、あとを引き継いたプロジェクトマネージャーの方は元々プロジェクトに参画していただいていたということもありますし、追加でアサインされた若手の方が非常に頑張ってくださいましたので、プロジェクトが滞りなく進みました。改めて、テラスカイさんの層の厚さに驚くとともに、テラスカイさんに任せてよかったと思った次第です」

また、リリース後のトラブルについても、次のように石﨑氏は振り返ります。

「Salesforceを導入したばかりの頃は、極力エラーは出ないようにしたいという思いが銀行側にはありました。
ある時、思った通りの挙動をしないというエラーが発生したのですが、急遽プログラム修正をテラスカイさんに実施していただき、解決しました。Salesforceのリリースの仕方がオンプレシステムとちょっと違うということも分かり、トラブルを通じてSalesforceへの理解がより深まりました。復旧に向けて迅速にご尽力いただいたことを、大変感謝しております」

システム導入後の変化や今後の展望

Salesforceを導入後、三井住友銀行では以下のような変化があったということです。
・ダッシュボードやレポート機能によって、管理職がオペレーターの活動量を把握できるようになった
・オペレーターがお客様のニーズを吸い上げることができるようになってきた

最後に、石﨑氏に今後の展望をお話しいただき、本セッションは終了しました。

「今後は、今回導入したSalesforceをもとに、ビデオチャットの導入等、新たなオムニチャネル対応を進めています。また、お客様が見たWebページの閲覧状況や興味のあるものに対して、お客様のサポートができるように架電のサポート体制を整えていくということを推進していきます。お客様の困ってることに対して、付加価値をつけてサービスを提供していきたいと思っております」

まとめ

テラスカイでは、銀行や証券をはじめ、金融業界でのSalesforce導入を支援しています。
セキュリティ面で高い評価を受けるSalesforceは、金融業界で今後も導入が進むでしょう。

残念ながら本セッションのアーカイブ配信はありませんが、TerraSkyDaysの他のセッションは、12/20(月)までアーカイブ動画をご視聴いただけます。
DX事例や次世代の働き方に興味がある方は、ぜひお申し込みのうえ、アーカイブ配信をご覧ください。
2021年12月21日 追記
本イベントは終了しましたが、特設サイトでKeynoteの動画を公開しております。
残念ながらご参加が叶わなかった方はもちろん、当日のセッションを改めてご参考にしたい方もぜひご覧ください。
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