2023.05.30

コミュニティの変更セットリリースをスムーズに行うために

はじめに

こんにちは。
今回はコミュニティサイト(クリックパスはデジタルエクスペリエンスに変更されていますね)の変更セットリリースについて記載していこうと思います。
主に注意点と、検証時に表示されるエラー内容と対策について書いていきますので、お困りの方やエラー文面で検索してここへ辿り着いた方のお力になれれば幸いです。
また、変更セットを使用してのリリースについてはSalesforceのヘルプがあります。
まずはこちらを確認しておきましょう!

 →変更セットによるサイトまたは Experience Cloud サイトの移行
 →変更セットを使用した完全な Experience Cloud サイトのリリース
 →変更セットを使用した Experience Cloud サイトのリリースの考慮事項

①リリース先環境に同名コミュニティサイトがあることを確認

■設定がなされていない場合、検証時に以下のようなエラーになります。

①In field: Site - no CustomSite named 「サイト名」 found
 ・種別:ネットワーク
 ・資材:変更セットに追加したコミュニティサイト名

②No Network named 「ネットワーク名」 found, needed to associate this Site 「サイト名」, which is 「サイトID」
 ・種別:Site.com
 ・資材:変更セットに追加したコミュニティサイト名

■対応
 ・先に、リリース先環境に同名のコミュニティサイトを作成しておきます。
 ※この際、詳細な設定は不要です。
  テンプレートを選択し、作成完了したところまででOKです。​
 ・その後再度検証を行うと、検証は通ります。

 こちらはSalesforceのヘルプにも記載がありますが、本当に初めてリリース実施する際には見落としがちなポイントであると思います。
前提:変更セットのリリース先に、送り元と同名のサイトまたは Experience Cloud サイトがある事が前提となります。

②コミュニティサイト名が半角英数字であることを確認

■設定がなされていない場合、検証時に以下のようなエラーになります。

Network 「コミュニティサイト名」 is linked to site 「SalesforceID」, which differs from site 「変更セットに追加されたサイト名」, which is null
 ・種別:Site.com
 ・資材:変更セットに追加したコミュニティサイト名

■対応
 ①コミュニティサイトのリリース時には、サイト名を半角英字にしましょう。
  変更セットをアップロードする前に一度サイト名を修正します。
 ②その後、変更セット資材「Site.com」で該当のサイトを選択し、リリース検証すると成功します。
 ※リリース完了後、リリース元・リリース先環境のサイト名を要望のものに修正すること。

 このようにしないと、Site.comの サイト名 と サイト名1 が変更セットでうまくリリースできないようです。

 例えば以下のように「サンプルサイト」という名称で作成した場合は……

変更セットに追加しようとすると、「サンプルサイト」も「samplesite」も表示されません。

実は画像内の「Site3」の中身自体は「サンプルサイト」ではあるのですが、これを変更セットに追加しリリースしようとすると、検証でエラーになってしまうのです。

というわけで、変更セットのアップロード前にサイト名を半角英数に修正してみます。
そうすると、変更セット上でも想定の名称で表示されるようになりました。

……と記載してきたのですが、実はこちらもSalesforceヘルプに記載がありました。
私は実際にエラーに悩まされたため、こちらの記事を書いているのですが……
つい読み落としてしまわないよう注意が必要ですね。

補足事項として、半角英数にするとしても、サイト名称の最後には「1」をつけない方がよいかもしれません。
「MySiteName1」の形式となる場合に意図しない名称になってしまう可能性が考えられます。
連動関係のリストには 2 つの Site.com 項目 (MySiteName と MySiteName1) が含まれます。MySiteName には、エクスペリエンスワークスペースの [管理] で設定可能なさまざまな Visualforce ページが保持されます。
MySiteName1 には、エクスペリエンスビルダーからのページが含まれます。
日本語でエラーになる場合は、名前を英語に変更してください。
正しくネットワークとSite.comを追加すると、以下のようになりました。

③関連資材がすべて変更セットに入っているか確認

■「自分で登録した覚えがなく、何に使用されているかわからなかったため追加しなかった」
 静的リソースがあった場合、検証時に以下のようなエラーになりました。(体験談)

In field: ServerIsDown - no StaticResource named 「登録した覚えのない静的リソース名」 found
 ・種別:Site.com
 ・資材:変更セットに追加したコミュニティサイト名

  エラーメッセージ内に、登録した覚えのない静的リソース名がありました。

■対応
 ・変更セットに、「コンポーネントの連動関係」資材がすべて入っていない可能性があります。
  資材を確認しましょう。
  Salesforceのヘルプにも、以下のようにあります。
  実際にはリリース不要なカスタムの資材があると、「連動関係のものをすべては選択」したくはないという場合もあるかと思いますが、標準で必要なものがしっかりと含まれているかは要チェックです。
連動する項目を追加するには、[連動関係を参照/追加] をクリックします。表示されたすべての連動関係を選択することをお勧めします。
■補足
 ちなみに今回追加されていなかった静的リソースは、以下で使用されていました。
 ワークスペース>管理>ページ設定の「サービスは利用できません」部分です。

 「独自の静的リソースを使用」を確認してみると、中に値が入っています。
 (エラー文面内の「登録した覚えのない静的リソース名」でした)
 この設定をONにしていなくても静的リソースはリリース対象として必要とされるようでした……!

その他のコミュニティリリース関連事項

ここでは「コミュニティリリースと言えば」というポイントをいくつか記載します。
あわせてご確認いただくとよいかもしれません。


①リリースがSalesforceのバージョンアップ期間と被っていないか?

 コミュニティ資材を含む変更セットは、バージョンが異なるSalesforce間でリリースできません。
 例えばリリース元環境とリリース先環境のバージョンに差異がある場合は、「リリース時期を調整する」もしくは「コミュニティサイトの設定を手動で反映する」等の対応が必要になります。
 Salesforceのバージョンアップ時期は先の予定まで決まっておりますので、確認しておきましょう。
 →バージョンアップに備えましょう(Salesforceサクセスナビ)
以前のリリースバージョンを使用している対象組織にリリースすることはできません。たとえば、ソース組織が Summer '19 (API バージョン 46.0) の場合、Spring '19 (API バージョン 45.0) の対象組織にはリリースできません。
②コミュニティサイトリリース後、「公開」設定はしてあるか?

 初めてのリリースの後には、コミュニティサイトが公開状態であるかを確認します。
 変更セットをリリースしただけでは、サイトは自動で有効化されないためです。
 これではユーザがサイトを参照できませんので、公開を忘れないようにしましょう。


③初めてコミュニティサイトをリリースする場合の手順

 簡単にまとめるとこのようになります。
   →リリース先環境で「デジタルエクスペリエンスを有効化」
    ※こちらも行わずに変更セット検証を行った場合、エラーとなります。
   →リリース元環境のサイト名称が半角英数であることを確認
   →リリース先環境でリリース元環境と名称が同じサイトを作成しておく
   →変更セットに資材を追加(ネットワーク・Site.com)し、アップロード&検証
   →リリース成功後、登録メンバーがサイトを参照できるようコミュニティを「公開」


④コミュニティサイトのさまざまな設定は完了済みか?

 サイトの設定も、内部Salesforceと同じく幅広く行うことができますね。
 いくつか例をあげますので、設定済みであるかの最終確認などにお役立てください。

  ・サイトを使用可能なメンバーは設定されているか
  ・サイトから送信されるメールのテンプレートは設定済みか
  ・サイトから送信されるメールの「送信者」は設定済みか
  ・サイトのログイン画面は設定済みか(もしくはデフォルトのままか)
  ・サイトのナビゲーションメニューは設定済みか
  ・サイト使用者の権限は正しく設定されているか
    共有設定:外部オブジェクト権限
    プロファイル:オブジェクト権限、項目レベルセキュリティ設定など
  ・ホーム画面(Home)や検索画面(Search)、
   レコード参照画面などのサイトページは設定済みか など

おわりに

コミュニティサイト関連資材のリリースでは、少し特殊な設定や事前作業が必要です。

一度大まかに手順化できてしまえばよいのですが、そうでない場合は実際に検証して初めて目にしたエラーの原因がわからないこともあるかと思います。

そんな時に何かこの記事がお役に立てていたら嬉しいです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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