はじめに
こんにちは、川瀬です。
みなさんはSalesforceでレポートのためだけに数式項目を新たに作ること、ありませんか?
わざわざオブジェクトに新しく数式を作成するのは結構手間ですよね。
項目レベルセキュリティを設定する必要もありますし、その都度項目が増えて煩雑になるのはいただけません。
今回はレポートの機能にフォーカスして、「新しく項目を作成」しなくてもよくなる、以下3つの機能をご紹介します。
・値のユニーク数
・行レベルの数式
・項目間の検索条件を使用した項目の比較によるレポートの絞り込み
シンプルで今日から実践できるのですぐに役立つと思います。
みなさんはSalesforceでレポートのためだけに数式項目を新たに作ること、ありませんか?
わざわざオブジェクトに新しく数式を作成するのは結構手間ですよね。
項目レベルセキュリティを設定する必要もありますし、その都度項目が増えて煩雑になるのはいただけません。
今回はレポートの機能にフォーカスして、「新しく項目を作成」しなくてもよくなる、以下3つの機能をご紹介します。
・値のユニーク数
・行レベルの数式
・項目間の検索条件を使用した項目の比較によるレポートの絞り込み
シンプルで今日から実践できるのですぐに役立つと思います。
値のユニーク数
機能概要
この機能はSpring '20で追加された比較的新しい機能です。
重複を排除して一意の値の数を表示してくれます。
用途は限られるものの、痒い所に手が届く機能になっています。
重複を排除して一意の値の数を表示してくれます。
用途は限られるものの、痒い所に手が届く機能になっています。
使いどころ
この機能は、重複を排除した個別のレコード数を知りたい時に使用します。
例えば商談レポートにおいて、たくさんの商談の中からいくつの取引先と商談があるのか求める際に使用できます。
また、売上明細などの重複が許されないレコードを表示する際にチェック項目としても使用できるかと思います。
今まではユニークな数を求めるためにはオブジェクトに「1を返す数式項目」を作成して、レポートで項目数合計を集計していました。
これは"Power of One"というTrailheadでも公式で推奨されている方法でした。
"Power of One"について知りたい方は下記リンクをご参照ください。
例えば商談レポートにおいて、たくさんの商談の中からいくつの取引先と商談があるのか求める際に使用できます。
また、売上明細などの重複が許されないレコードを表示する際にチェック項目としても使用できるかと思います。
今まではユニークな数を求めるためにはオブジェクトに「1を返す数式項目」を作成して、レポートで項目数合計を集計していました。
これは"Power of One"というTrailheadでも公式で推奨されている方法でした。
"Power of One"について知りたい方は下記リンクをご参照ください。
数式項目の使用 単元 | Salesforce Trailhead
ポイント & クリックロジックを使用して、コードを記述せずにアプリケーションをカスタマイズします。
使い方
今回は下記のシンプルな商談レポートで、いくつの取引先と商談があったかを表示させてみましょう。
レポート編集画面で、重複を排除したユニーク数を知りたいレポート列の▼を押下し、「ユニークカウントの表示」ボタンを押すだけです。
今回は取引があった取引先の数が知りたいので取引先IDを使用します。
今回は取引があった取引先の数が知りたいので取引先IDを使用します。
保存実行すると、重複を排除した取引先IDの数がレポートに表示されます。
制限事項
「値のユニーク数」は下記の制限がありますのでご注意ください。
・ユニーク数の表示は1レポートにつき3つまで
・Lightning テーブルダッシュボードコンポーネントではユニーク数は表示されない
・「Blob」「Clob」「暗号化項目」「複数選択リスト」「テキストエリア」のデータ型の項目では使用できない
・ユニーク数の表示は1レポートにつき3つまで
・Lightning テーブルダッシュボードコンポーネントではユニーク数は表示されない
・「Blob」「Clob」「暗号化項目」「複数選択リスト」「テキストエリア」のデータ型の項目では使用できない
行レベルの数式
機能概要
「行レベルの数式」はWinter'20で正式にリリースされた機能です。
レポートの中で数式項目を作成することができます。
集計項目と違いIFやADDMONTHなどの関数も使用することができるので汎用性が高く、知っていると便利な機能です。
レポートの中で数式項目を作成することができます。
集計項目と違いIFやADDMONTHなどの関数も使用することができるので汎用性が高く、知っていると便利な機能です。
使いどころ
「計算して表示させたい値がある」「レポート内で使用するだけでいい」という場合、行レベルの数式項目が役立ちます。
文字列、日付項目にも対応していますので、計算式だけではなく項目同士で結合した文字列を表示させたり、現在日時から完了日時までの日数を計算したりすることも可能です。
文字列、日付項目にも対応していますので、計算式だけではなく項目同士で結合した文字列を表示させたり、現在日時から完了日時までの日数を計算したりすることも可能です。
使い方
今回は商談レポートからインセンティブを算出するレポートを作成してみましょう。
インセンティブの条件
取引先の規模が300人以上・・・10,000+商談金額の1%
取引先の規模が300人未満・・・5,000+商談金額の1%
まずは成約済みの商談レポートを作成します。
インセンティブの条件
取引先の規模が300人以上・・・10,000+商談金額の1%
取引先の規模が300人未満・・・5,000+商談金額の1%
まずは成約済みの商談レポートを作成します。
編集画面で列の▼を押下すると「行レベルの数式の追加」ボタンが出てくるので、こちらを押下します。
数式を入力する画面が出てきます。今回の数式は下記です。
「適用」を押すと行レベルの数式の列が追加されます。
「適用」を押すと行レベルの数式の列が追加されます。
IF (EMPLOYEES > 300 , 10000 + (AMOUNT/100), 5000 + (AMOUNT/100) )
インセンティブ算出数式
追加された列の集計方法も選択できます。
今回は、商談所有者ごとにインセンティブを合計したいので、集計方法はデフォルトで「合計」のままとします。
今回は、商談所有者ごとにインセンティブを合計したいので、集計方法はデフォルトで「合計」のままとします。
「インセンティブ」列が追加した行レベルの数式です。
商談ごとに取引先の従業員数に応じてインセンティブが計算されています。
商談所有者ごとのインセンティブ合計も算出されています。
商談ごとに取引先の従業員数に応じてインセンティブが計算されています。
商談所有者ごとのインセンティブ合計も算出されています。
制限事項
「行レベルの数式」の主な制限は下記の通りです。
・「行レベルの数式」は一つのレポートに1つのみ
・Boolean型の項目は使用不可
・Classicでは使用不可
・「行レベルの数式」は一つのレポートに1つのみ
・Boolean型の項目は使用不可
・Classicでは使用不可
項目間の検索条件を使用した項目の比較によるレポートの絞り込み
機能概要
この機能も「値のユニーク数」と同じくSpring '20で追加された機能です。
日付項目や数値項目を比較して、条件に合致するレコードで絞り込みができます。
日付項目や数値項目を比較して、条件に合致するレコードで絞り込みができます。
使いどころ
今まで項目同士を比較してレポートの絞り込むためには、2つの項目を比較した項目を別で作成する必要がありました。
しかし、この機能は通貨や日付項目でも使用できるため、使用頻度は高いと思います。
例えば「期待収益」より「金額」が高い商談で絞り込んだり、日付の比較で絞り込んだりすることも可能です。
しかし、この機能は通貨や日付項目でも使用できるため、使用頻度は高いと思います。
例えば「期待収益」より「金額」が高い商談で絞り込んだり、日付の比較で絞り込んだりすることも可能です。
使い方
それでは商談レポートで「期待収益」より「金額」が高い商談で絞り込んでみましょう。
レポート編集画面の「検索条件」のから比較したい項目の一つを選択し追加。
種別に項目を選択し、値に比較対象の項目名を選択し適用します。
種別に項目を選択し、値に比較対象の項目名を選択し適用します。
レポートの表示結果。
期待収益を上回る金額の商談で絞り込みが行われていることが確認できます。
期待収益を上回る金額の商談で絞り込みが行われていることが確認できます。
制限事項
「項目間の検索条件を使用した項目の比較によるレポートの絞り込み」の主な制限です。
・一つのレポートを使用できるのは4つまで
・Salesforce Lightningのみ対応
・結合レポートには非対応
・外部オブジェクトを参照しているレポートには非対応
・一つのレポートを使用できるのは4つまで
・Salesforce Lightningのみ対応
・結合レポートには非対応
・外部オブジェクトを参照しているレポートには非対応
まとめ
いかがでしょうか。
「値のユニーク数」「行レベルの数式」「項目間の検索条件を使用した項目の比較によるレポートの絞り込み」の3つの機能を使えば、新たに項目を作成する手間を削減して、項目をすっきり整理できるかもしれません。
最近のリリースでレポートがとても便利になってきています。
現在「インライン編集を使用した [レポート実行] ページからの項目の更新 」もベータ版がリリースされており、まだまだ便利になる予感がします。
これからのリリースも楽しみですね。
「値のユニーク数」「行レベルの数式」「項目間の検索条件を使用した項目の比較によるレポートの絞り込み」の3つの機能を使えば、新たに項目を作成する手間を削減して、項目をすっきり整理できるかもしれません。
最近のリリースでレポートがとても便利になってきています。
現在「インライン編集を使用した [レポート実行] ページからの項目の更新 」もベータ版がリリースされており、まだまだ便利になる予感がします。
これからのリリースも楽しみですね。
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