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はじめに
こんにちは!テラスカイ謎のエンジニア、テラスケイです。
Salesforceの「オムニチャネルフロー」は、顧客対応の効率化に欠かせない強力なツールです。
柔軟なルーティング設定が可能になり、適切なエージェントに問い合わせを割り振ることができます。
しかし実際に設定しようとすると、「思った通りに動作しない」「ルーティングの条件をどう組めばいいのか分からない」といった悩みに直面することもあるでしょう。
本記事ではオムニチャネルフローのルーティング設定にフォーカスし、各ルーティング方法の詳細、および活用シーンや注意点を紹介します。
尚、オムニチャネルフローの全体的な概要や設定については、以下の過去記事がありますので参考にしてください。
Salesforceの「オムニチャネルフロー」は、顧客対応の効率化に欠かせない強力なツールです。
柔軟なルーティング設定が可能になり、適切なエージェントに問い合わせを割り振ることができます。
しかし実際に設定しようとすると、「思った通りに動作しない」「ルーティングの条件をどう組めばいいのか分からない」といった悩みに直面することもあるでしょう。
本記事ではオムニチャネルフローのルーティング設定にフォーカスし、各ルーティング方法の詳細、および活用シーンや注意点を紹介します。
尚、オムニチャネルフローの全体的な概要や設定については、以下の過去記事がありますので参考にしてください。
オムニチャネルフローを使ってみよう! - TerraSkyBase | テラスカイを支える人とテクノロジーの情報を発信する基地局

Service Cloudの機能のひとつである「オムニチャネルフロー」の設定方法、テンプレートの使い方について説明した記事です。
オムニチャネルフローとは?
オムニチャネルフローは、Salesforceのオムニチャネル機能を拡張するルーティング機能です。従来のオムニチャネルではキューを用いたシンプルなルーティングが主でしたが、オムニチャネルフローを使うことで、複雑な条件に基づいたルーティングが可能になります。
たとえば、以下のような条件を組み合わせて、適切なエージェントやキューに案件を割り当てることができます。
・現在ログインしているエージェントの数
・キュー内の作業項目数
・案件の優先度や内容
・エージェントのスキルセット
ルーティング方法によって、問い合わせの割り振られ方が変わるため、適切な設定が重要になります。
たとえば、以下のような条件を組み合わせて、適切なエージェントやキューに案件を割り当てることができます。
・現在ログインしているエージェントの数
・キュー内の作業項目数
・案件の優先度や内容
・エージェントのスキルセット
ルーティング方法によって、問い合わせの割り振られ方が変わるため、適切な設定が重要になります。
オムニチャネルフローのルーティング方法と違い
① エージェントに直接割り当てる場合
エージェントの対応可能状況を直接確認し、問い合わせを割り当てる方法です。
「対応可能状況を確認」要素の「入力値を設定」セクションにて、「対応可能か調べる」に"エージェント"を選択し確認したいエージェントを設定します。出力値の「オンラインエージェント数」は対象のエージェントがオンライン状態かどうかを 0 or 1 で、「キューにある作業項目数」は対象のエージェントに割り当てられた待機中の作業数を返します。
設定のポイント
・エージェントの作業負荷を確認し、余裕がある場合に割り当てる
・オンラインかどうかを判定し、ログインしているエージェントのみにルーティングする
活用シーン
・特定のエージェントに優先的に案件を割り当てたい場合
・エージェントの負荷を均等に分散させる場合
「対応可能状況を確認」要素の「入力値を設定」セクションにて、「対応可能か調べる」に"エージェント"を選択し確認したいエージェントを設定します。出力値の「オンラインエージェント数」は対象のエージェントがオンライン状態かどうかを 0 or 1 で、「キューにある作業項目数」は対象のエージェントに割り当てられた待機中の作業数を返します。
設定のポイント
・エージェントの作業負荷を確認し、余裕がある場合に割り当てる
・オンラインかどうかを判定し、ログインしているエージェントのみにルーティングする
活用シーン
・特定のエージェントに優先的に案件を割り当てたい場合
・エージェントの負荷を均等に分散させる場合
② キューベースルーティングの場合
キューに割り当てられたエージェントの対応可能状況を確認し、問い合わせをルーティングする方法です。
「対応可能状況を確認」要素の「入力値を設定」セクションにて、「対応可能か調べる」に"キュー"を選択し確認したいキューを設定します。出力値の「オンラインエージェント数」は対象のキュー内のオンライン状態のエージェント数、「キューにある作業項目数」は対象のキューに割り当てられた待機中の作業数を返します。
設定のポイント
・キュー内の待機中の総作業数をチェック
・キュー内のオンライン状態のエージェント数を基にルーティングを決定
活用シーン
・複数のエージェントで対応するサポートチーム
・特定のキューへの問い合わせの偏りを防ぎたい場合
「対応可能状況を確認」要素の「入力値を設定」セクションにて、「対応可能か調べる」に"キュー"を選択し確認したいキューを設定します。出力値の「オンラインエージェント数」は対象のキュー内のオンライン状態のエージェント数、「キューにある作業項目数」は対象のキューに割り当てられた待機中の作業数を返します。
設定のポイント
・キュー内の待機中の総作業数をチェック
・キュー内のオンライン状態のエージェント数を基にルーティングを決定
活用シーン
・複数のエージェントで対応するサポートチーム
・特定のキューへの問い合わせの偏りを防ぎたい場合
③ スキルベースルーティングの場合
エージェントのスキルセットを考慮し、適切なエージェントに問い合わせをルーティングする方法です。
「対応可能状況を確認」要素の「入力値を設定」セクションにて、「対応可能か調べる」に"スキル"を選択し対象のスキル要件を設定します。出力値の「オンラインエージェント数」は指定されたスキルセットを持つオンライン状態のエージェントの総数、「キューにある作業項目数」は指定されたスキル要件を必要とする待機中の総作業数を返します。
設定のポイント
・スキル要件を満たすエージェントを検索
・該当エージェントの作業負荷を考慮し、ルーティング
活用シーン
・技術サポートなど、専門知識が必要な問い合わせ対応
・多様なスキルを持つエージェントが在籍するチーム
「対応可能状況を確認」要素の「入力値を設定」セクションにて、「対応可能か調べる」に"スキル"を選択し対象のスキル要件を設定します。出力値の「オンラインエージェント数」は指定されたスキルセットを持つオンライン状態のエージェントの総数、「キューにある作業項目数」は指定されたスキル要件を必要とする待機中の総作業数を返します。
設定のポイント
・スキル要件を満たすエージェントを検索
・該当エージェントの作業負荷を考慮し、ルーティング
活用シーン
・技術サポートなど、専門知識が必要な問い合わせ対応
・多様なスキルを持つエージェントが在籍するチーム
オムニチャネルフローを活用するシナリオ
オムニチャネルフローを利用すると、以下のようなシナリオで効果を発揮します。
シナリオ①:問い合わせ過多時のルーティング最適化
エージェントの負荷を均等化し、問い合わせの遅延を防ぐ
設定例
・キューの作業項目数が20件以上の場合、別のキューやエージェントにルーティングする
・オンラインエージェントが5人未満の場合は、チャットボット対応に切り替える
設定例
・キューの作業項目数が20件以上の場合、別のキューやエージェントにルーティングする
・オンラインエージェントが5人未満の場合は、チャットボット対応に切り替える
シナリオ②:スキルベースのルーティング
エージェントの専門分野に応じて問い合わせを割り振る
設定例
・問い合わせ内容に「技術的な質問」が含まれる場合、上級エージェントにルーティング
・一般的な問い合わせは、初心者エージェントへ割り振る
設定例
・問い合わせ内容に「技術的な質問」が含まれる場合、上級エージェントにルーティング
・一般的な問い合わせは、初心者エージェントへ割り振る
シナリオ③:ボットへのルーティング
オンラインエージェントがいない場合はボット対応へ切り替える
設定例
・エージェントがログインしていない場合は、ボットに転送する
・営業時間外の場合は自動応答ボットが対応し、翌営業日にエージェントへ通知
設定例
・エージェントがログインしていない場合は、ボットに転送する
・営業時間外の場合は自動応答ボットが対応し、翌営業日にエージェントへ通知
オムニチャネルフローの設定時の注意点
オンラインエージェント数について
「オンラインエージェント数」は、必ずしも対応余力のあるエージェントの数を返すわけではありません。
あくまでエージェントがオンラインであるかの結果を返します。
既に待機中の作業項目について
「キューにある作業項目数」を判定条件にルーティングする場合、既にキューに待機している作業項目はそのまま待たされることになります。
つまり「キューにある作業項目数」を超えて後から入ってきた問い合わせが、待機中のものより先に対応される挙動となってしまいます。
予想待機時間 (秒)について
ルーティングの判定に使用する出力値として、「オンラインエージェント数」と「キューにある作業項目数」の他に「予想待機時間 (秒)」というのもあります。
問い合わせの待機時間を予測しルーティング条件に活用できますが、不確定要素が強いためあまり実用的でないケースもあります。
やはりリアルタイムで正確な待機時間を測定するのが難しいため、あくまで補助的な活用が望ましいです。
上記に挙げた問題についても、今後改善を期待したいですね。
「オンラインエージェント数」は、必ずしも対応余力のあるエージェントの数を返すわけではありません。
あくまでエージェントがオンラインであるかの結果を返します。
既に待機中の作業項目について
「キューにある作業項目数」を判定条件にルーティングする場合、既にキューに待機している作業項目はそのまま待たされることになります。
つまり「キューにある作業項目数」を超えて後から入ってきた問い合わせが、待機中のものより先に対応される挙動となってしまいます。
予想待機時間 (秒)について
ルーティングの判定に使用する出力値として、「オンラインエージェント数」と「キューにある作業項目数」の他に「予想待機時間 (秒)」というのもあります。
問い合わせの待機時間を予測しルーティング条件に活用できますが、不確定要素が強いためあまり実用的でないケースもあります。
やはりリアルタイムで正確な待機時間を測定するのが難しいため、あくまで補助的な活用が望ましいです。
上記に挙げた問題についても、今後改善を期待したいですね。
まとめ
オムニチャネルフローはまだまだ改善の余地がある機能ですが、適切なルーティング設定を行うことで問い合わせ対応を大幅に効率化できます。
特に「キューにある作業項目数」や「エージェントのログイン状況」をうまく活用すれば、より柔軟なルーティングが可能になります。
今後も新機能のアップデートが期待されるオムニチャネルフロー。
最適なルーティングを設計し、よりスムーズな顧客対応を実現しましょう!
特に「キューにある作業項目数」や「エージェントのログイン状況」をうまく活用すれば、より柔軟なルーティングが可能になります。
今後も新機能のアップデートが期待されるオムニチャネルフロー。
最適なルーティングを設計し、よりスムーズな顧客対応を実現しましょう!
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