Dreamforce2025 Day2 - Service Keynote: The Age of Proactive Service Starts Now

Dreamforce2025 Day2 のセッション「Service Keynote」について、ご紹介します。

はじめに

皆さん、こんにちは。
「Dreamforce 2025」にDay1から参加していますが、現地は連日大盛り上がりです!

中でも「Service Cloud」に関して重点的に取り上げられた、
「Dreamforce 2025」Day2のセッション「Service Keynote」に参加したので、本記事では現地の様子を交えつつその内容をお伝えします。

なお「Service Keynote」含め現在行われているセッション・過去のセッションは「Salesforce+」から視聴できますので、気になったものはぜひ自分の目と耳で体感してみてください!
さて「Service Keynote」では、AIとデータを活用することで従来のカスタマーサービスがどのように変革されるのかが語られました。

顧客の要求が高度化し、24時間365日のサポートが求められる現代において、AIと人間のエージェントが協働する新しいモデルケースについて紹介されていましたので、順を追って内容を共有していきますね。

AIと人間の協働による新しい「Service Cloud」

まず冒頭、顧客の要求が高度化・複雑化していて24時間365日の対応が必要になっている社会背景と、それを理解しているが時間やコストの課題があり解消できていないカスタマーサービスの現状について説明されました。

そして、その課題を解決するのが「Agentforce」に基づく新しい「Service Cloud」であることがプレゼンテーションされていきます。

AIエージェントが24時間365日、各チャネルで顧客対応を行い、単純な問い合わせや問題解決を自動化すること。また、複雑な問題や感情的な対応が求められる場面では、AIが収集した情報を基に、人間のエージェントへスムーズに引き継ぎが行われること。
これらによって、エージェントはより価値の高い業務に集中でき生産性が向上する、というロジックですね!

全体像は以上。
さらにここから、以下の4つのセクションで掘り下げて紹介されていきます!

・サービスリーダーのための「Command Center」
・サービス担当者を支援する「Service Console」
・顧客体験を向上させる「Service Portal」
・システム管理者の負担を軽減する「Service Setup」

サービスリーダーのための「Command Center」

まずは「Command Center」の説明と事例紹介から。

「Command Center」はメール、チャット、音声通話など、あらゆる顧客とエージェントとの接点をリアルタイムで可視化します。これにより、カスタマーサービスのリーダーは抽出されたインサイトから、直感ではなくデータに基づいた戦略的な意思決定が可能になり、問題が発生する前にプロアクティブ(能動的)に対応できます。

そして「Command Center」を活用した事例として、「ペプシコ(PepsiCo, Inc.)」の成功体験がシェアされました!

ペプシコは食品・飲料業界最大手の企業の一つであり、スナック菓子や飲料は200カ国以上で1日10億回以上消費されています。
消費者がどこにいてもSalesforceであれば消費者の近くで対応することができる。例えば、顧客の商品の在庫が少なくなりそうだと予測したらテキストメッセージを自動で送ることができ、ボタンをクリックするだけで発注でき誰もが注文のステータスを知ることができると語られています。導入したことで効率が25~30%向上したともプレゼンテーションされていました。

説明や事例紹介のあとはデモのプレゼンテーションもありました!
デモの様子はぜひ冒頭紹介した「Salesforce+」から実際に動画で確認してみていただけると、どのように活用されているか分かりやすいと思います。
やはり「Agentforce Voice」はこういった場で特に印象的で映えますね。

ペプシコは「Agentforce」以外の活用事例も紹介されているのでチェックしてみてください!

サービス担当者を支援する「Service Console」

次の話題は、サービスの担当者に移ります。

簡単なタスクがすべて自動化される中で、担当者がやるべきことは何なのかということにスポットがあたります。それは、複雑な課題に対する適切なエスカレーション、感情的なカスタマーへの応対だということが語られます。

そして、担当者が「やるべきこと」には適切なツールが必要であり、担当者はツールを活用し、何を優先すべきか、複雑な問題や複雑な相関関係をどのように解決すべきか考えることが求められます。
「Agentforce Service Console」でそれが実現できると続きます。既に活用されている方には馴染みのあるコンソールですが、Agentforceを利用する企業向けに再構築されたものになります。
より複雑な問題に1つの画面で対応できるように作られており、Slackとの統合により必要な時にはいつでもメッセージ1つで素早く対応できると語られていました。

デモでは再びペプシコの事例に基づいて、どのように「Service Console」が変化・アップデートされているかを実際に見てみることができました。
「Command Center」のデモでは「Agentforce Voice」が通話を最初から最後まで完了させ顧客の問題を解決することが見られましたが、異なるシチュエーションでのデモが披露されました!

このデモでは、電話をした顧客が同じ問題で何度も電話していることがすぐにコンソール上で分かり、同じ画面上で保証や登録状況を確認し、エラーコードの特定・診断からの過去のケースからの検索、Slackを通して専門家へのナレッジ作成依頼までを一気通貫で行えることが示されていました。

ここでも「Agentforce Voice」が強くピックアップされていたのが印象的です。また、Slackとのシームレスな連携はとてもスマートですね。

顧客体験を向上させる「Service Portal」

Keynoteも終盤に差し掛かり、話は「顧客体験」に移ります。
ここでは、格安航空会社(LCC)のサウスウエスト航空(Southwest Airlines)の事例が紹介されます!

カスタマーサービスは「大変」です。なぜなら、今日の顧客はAIにも精通しており、彼らがAIを使って自分で解決できること以上に、自分たちのサービスは優れている必要があるからだ、と苦悩も交えて語られます。

「Agentforce Service Portal」では顧客ごとに最適化されたセルフサービス体験が提供できたとプレゼンテーションされていました。
AIが顧客の状況を予測し、必要な情報を先回りして提示します。サウスウエスト航空では、顧客のフライト履歴から好みを学習し、パーソナライズされた旅行提案やフライトのアップグレードなどを行い、顧客満足度を向上させているということでした。

「Service Portal」のデモは、Dreamforceの後に休暇に行くというシナリオで身近で分かりやすいものでしたね!

過去のフライト履歴から「ビーチ」が好きな傾向を予測してまだ行ったことのない場所を提案したり、ナレッジ記事を調べて必要な準備をまとめた要約を生成したりしていました。また、フライトが近づくにつれて、Agentforceは再び行動を起こしてプロアクティブにメールの送信まで行ってくれます!メールの内容は、空港ガイド・おすすめのレストラン・フライトのアップグレードを提案してくれていました。

システム管理者の負担を軽減する「Service Setup」

最後に管理者寄りの内容として「Service Setup」の紹介です。
Adminが生産的になると企業全体が生産的になるということがSalesforceでは実現されていて、Agentforceは管理者の生産性にも寄与することが説明されていました!

「Service Setup」もデモがありましたが、時間の都合からかインターフェースの披露程度だったため自分の目で確かめてみたいです。Service Cloudの設定に加えて今後はAgentforceの設定も行う必要があり管理者の負担はより増えそうだと感じたので、こういったすでにあるSetup機能のアップデートも確かに必要ですね。

まとめ

以上が「Service Keynote」で紹介された内容でしたがいかがだったでしょうか。

AIを活用した次世代のカスタマーサービスについて、さまざまな立場・目線で語られていましたね。
単なる効率化ツールではなく「顧客満足度の向上」「コスト削減」「生産性向上」といったどの企業も直面する命題を並列に捉えて、Agentforceで全体を押し上げているシステム構成になっていました。

AIの導入は単なる業務効率化に留まらず、企業の価値創造に繋がることを改めて感じました。この記事が、皆様のビジネスにおける次の一歩を考えるきっかけとなれば幸いです!