2018.02.16

「徹底討論!!Salesforceはエンジニアを幸せにするか?」デブサミ2018レポート

どうも、Developers Summit(通称デブサミ) 2018に参加中の讃岐です!
デブサミとは普段開発をしているエンジニア達が集まって自分の経験談などを発表する、ITエンジニアの祭典です。エンジニアの方にはおなじみですね。

今回は初日(2月15日)に行われた「徹底討論!!Salesforceはエンジニアを幸せにするか?」についてレポートしてね、という指令が出ましたので、2日目の講演の合間を縫ってこの記事を書いております。

このセッションはパネルディスカッションとなっており、各テーマについてパネリストの方たちが自分の考えを話していく形になっていました。
と、ここまで書いて気付いたのですが、パネルディスカッションってどうやって記事にしたらいいんですかね。。
なかなか難しいですが、トーク内容を全て書き起こすのも味がないので(録音もしてないし)、パネリストの話した内容を要約しつつ、自分も一言コメントを書いていくような形式にしたいと思います。

なおこの記事はパネリストの方々のレビューを通したものではありません。私なりに意訳して書き起こしている部分もあり、もしかしたらご本人の発言の意図と違うことになっている可能性もちょこっとだけあります。もしそのような場合は讃岐までご連絡ください!

ということで、まずは登壇者の方々をご紹介です。本文中では親しみを込めてさん付けで書かせて頂きます。

まずは司会を担当したのは株式会社ウフルの石川さん。登場メンバーの中では(たぶん)最年少ですが司会という大役を担っています。がんばれ石川さん!

続いてパネリストの方々。

パネリストの皆さん

写真左側から。
株式会社テラスカイの今岡さん。アーキテクトとしてSalesforceを中心に設計・開発などを行っている方です。一部界隈からレジェンドと呼ばれております。

株式会社co-meetingの木村さん。アントレプレナー(企業家)としてSalesforceのマーケットに様々なアプリを出しています。事業責任者観点でお話ししてくれるようです。開発もめっちゃやっている方です。

株式会社フレクトの中山さん。女性エンジニアとしてSalesforce Platformでの開発をする傍ら、女子部を立ち上げたりコミュニティ活動も積極的に行っています。猫を6匹飼っているとか。

エムキューブ株式会社の小泉さん。プロダクトマネージャとしてSalesforce Platformの一つであるHerokuでのアプリ開発などをされています。昨年のTrailheaDX(サンフランシスコでのイベント)ご招待に当選した強運の持ち主。

株式会社チームスピリットの倉谷さん。勤怠管理などでお馴染みのTeamSpiritという製品の開発マネージャとしての登場です。普段はQAなど品質に関するつぶやきが多いですね。

といった様々な立場の皆様です。
ではさっそくセッション内容に触れていきます。

まずしょっぱな司会の石川さんから
「Salesforceはエンジニアを幸せにするか?って重いテーマですね。。」との一言。たしかに!!
「まぁエンジニアの幸せは人それぞれですので、いろんな視点から語れるパネリストの皆様に語って頂きます。」とのことで楽しみです。

緊張気味な司会の石川さん

【1つ目のテーマ】
Salesforceと出会ったきっかけは?

≪中山さん≫
Salesforce出会ったのは4回目の転職の時でした。
以前はゲームのプログラマーをしていてゲームボーイアドバンスやガラケーのアプリ開発をしていましたが、あまり仕事がなく不安定な状況でした。
またその後はColdFusionでの運用保守というマイナーなお仕事をしていたこともあり、もっとメジャーなPlatformでの仕事をしたい!と強く感じて、Salesforceをやることになりました。まぁSalesforceがメジャーかどうかというのはありますが・・(笑)
Salesforceは少人数でのプロジェクトチームを作ることも多く、開発したものを自分でお客様に説明したり、そのフィードバックをもらったり、そういったお客様からの近いところでやれるようなところはやりがいを感じています。

≪倉谷さん≫
今の会社の社長とは以前から知り合いで、誘いを受けて入社したらSalesforceをやっていた、というのが出会いの最初です。
企業システムとして必要なレポートやワークフローなど便利な機能があり、当時はそれほど感じていなかったのですが、今はすごく便利だなと感じています。
年に3回のバージョンアップで、どんどん新しい機能も入ってきているのも素晴らしいですね。


といったお二人のSalesforceとの出会いでした。

ちなみに私は前職でパートナー企業に派遣された時にSalesforceをやり始めたのが最初の出会いです。
中山さんも言われていましたが、Salesforceは比較的エンドユーザーと近いところで試行錯誤をしながら開発して行くことになるサービスです。当時私は自社のプロダクトを黙々とする部署にいたのですが、社内に引きこもりがちなエンジニアの中でも比較的お客様と話せそうなタイプだと思われたようで、それで当時の社長にピックアップされたのがきっかけです。
【2つ目のテーマ】
自分の関わっているSalesforce製品の好きなところ/好きじゃないところを教えてください

≪小泉さん≫
私はストレスチェックなどを行えるアプリをHerokuで開発していたので、Herokuについてお話しさせて頂きます。
以前はオンプレでいろいろなアプリを開発していたのですが、オンプレの場合はアクセスなどが増えたりするとスケールさせる仕組みを作るのがとても大変です。ところがHerokuはDynoを増やすだけで容易にスケールさせることができます。アクセスが増える時などは数十Dynoなどに増やして対応したこともありました。
一方でDyno(ダイノ)というように、ちょっと分かりにくい言葉があるのが難点だと感じています。

≪木村さん≫
うちはSalesforceのAppExchangeというマーケットプレイスでアプリを開発している会社です。
Salesforceの良いところはセキュリティとか認証とかインフラやミドルウェアのレイヤーが揃っており、自社のサービスを提供するためのコア機能に注力できるところです。
そういった手間が減ったこともあり、今は小さいアプリをどんどん作ることができています。


といったお二人の話しでした。
HerokuにしろSalesforceにしろクラウドのプラットフォームということもあり、エンジニアが低レイヤーの部分に手間をとられることなく、アプリを提供する、顧客に価値を提供する、という部分に注力することができるというのは特徴的ですね。
特にSalesforceは企業向けに必要となる標準機能が豊富にあるので、コーディング量を少なくして、高い品質でシステムを構築できるというのはとても良い点だと思います。
【3つ目のテーマ】
エンジニアにとって Salesforceと関わるキャリアのイメージは?

≪今岡さん≫
私はSalesforceに関わる以前はオンプレのシステム導入をずっとやっていたのですが、当時のエンジニアのキャリアはプログラマ⇒システムエンジニア⇒マネージャのように、よりシステム開発工程の上流に上がっていくようなものしかありませんでした。
しかしSalesforceに関わっていると、ウォーターフォールに沿って上流に上るようなキャリア形成だけではなく、ここにいるメンバーのような様々な役割を経験することができるので、エンジニアのキャリア設計としていろいろやれるというのは魅力的ではないかと考えています。
ベンダーロックインを嫌うような意見を聞くこともありますが、食わず嫌いはよくありません。一度やってみて、結果として合う合わないと考えてみてもいいのではないでしょうか。


という今岡さんのご意見でした。
中山さんも先ほど言われていましたが、Salesforceは少人数でプロジェクトチームを組むことが多く、1人が開発したり、アーキテクチャを設計したりマネージメントしたり、テストを担当したり、いろいろな役割を担当することができます。
また開発の中でもサーバーサイドの技術、クライアントサイド、テスト、SSO、IoT、AIなど、Salesforceのバージョンアップに合わせて非常に多くの開発を経験できます。SalesforceはBtoCで流行った技術や考え方を企業向けにいち早く取り入れる傾向にあるので、Salesforceでの開発をやっていると自然と新しい技術に触れる機会も多くなり、エンジニアのキャリアとしても面白いのではないかと思っています。
【質問コーナー】
30分のセッションなのであっという間のお時間でしたが、せっかくなので質問を受けることにしたようです。
灰色の服を着た方から次のような質問がありました。

「Salesforceはいろいろ便利なわけですが、それはいわば人をダメにするソファのようなもので、エンジニアをダメにしてしまわないか心配です。それについてどう思われますか?」

≪木村さん≫
そんなに人をダメにするとは思っていないが、プログラマーの中でも職人気質の人には少し向いていないかもしれないですね。ただ、顧客に価値を提供するためのプラットフォームとしては優秀なので、そこにやりがいを感じる人には向いているのではないでしょうか。

≪中山さん≫
Salesforceには様々な制限があり、その中で開発していく技術を身に付けることで、Salesforce以外のPlatformで開発する時に役立つようなこともあると感じています。

≪小泉さん≫
問いかけが大きいので大きく回答すると、人の歴史を振り返った時に(会場笑い)便利なもの、役立つものというのはどんどん登場してきており、それを活用しないというのはもったいない。ただし、ベースとなる技術については知っておいた方がいいとは思う。

(すみません、倉谷さんの回答聞き洩らしました・・!)

≪今岡さん≫
実際はソファーの上でぬくぬくということもない。
年に3回のバージョンアップもあり、新しい技術もどんどん出てくるので、それをキャッチアップするためにエンジニアは苦労することもあり、逆に言えばそれが楽しいところもあると考えています。


といったことで各メンバーからの回答でした。

木村さんが言われるようにSalesforceは特に低レイヤーの部分を意識しないでいいようになっていますし、制限の中で開発する必要があるので自由にやりたい方には向いていないかもしれません。ただ、何のために開発するかというと、やはりエンドユーザーに素早く価値を提供していくためなので、便利なツールを使うのは悪いことではないと思います。
ただ、小泉さんも言われていますが、中の世界を知っているのも大切なことです。それがどのレイヤーまでかというのは自身で考える必要があります。(例えば仮想化の仕組みやプログラムのコンパイラの仕組みを知る必要はあるか?ハードウェアの仕組みを知る必要はあるか?)
時間は有限なので、何に注力するかという話しですね。

また今岡さんも言われていますが、Salesforceに乗っかることで触れられる技術もあるので、人をダメにするのではなく、鍛えてくれる側面もあると思います。

最後に司会の石川さんから「もし他にも聞いてみたいこと、気になることがあれば、ぜひコミュニティに参加してエンジニアの方たちに質問してみてください!」という話しがあり終了です。

ということでパネルディスカッションの内容をざっくりまとめてみました。

テラスカイではSalesforceに興味を持ったエンジニアの方を絶賛募集中です。
ご応募お待ちしております。
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