2021.05.24

Einstein Next Best Actionを設定してみよう

はじめに

こんにちは、緑川です。

今回は、Salesforce Spring '19 にて正式リリースされている機能のひとつで、なかなか使用したことのある方が少ないであろう、Einstein Next Best Actionについて、基本的な設定方法をご紹介します。

Einstein Next Best Actionとは

そもそもEinstein Next Best Actionって一体どんな時に役立つ機能なのでしょうか。
例えばこんなシチュエーションがあったとします。

『取引先の「評価」項目の値が、Lowだった場合にはアンケートのご案内を送りたい。
 また、Hotの場合にはウェビナーのご案内をしたい。
 ただし親取引先が設定されていたら案内は要らない…etc.』

このように、企業がさまざまな施策を打ち出している場合、ユーザはそのすべてを把握した上でレコードの値をみて、次の行動を判断していかなければなりません。

そうすると見落としや判断ミスなども起きやすくなり、効率も悪いですよね…

そんな時に活用していただきたいのが、このEinstein Next Best Actionという機能です。

このように、取引先の「評価」項目の値がLow→Hotに変更されると右上のコンポーネントでウェビナーご案内の表示がされます。

さらに、「申込フォーム」ボタンをクリックするとフローを呼び出すこともでき、ユーザを次のアクションへスムーズに誘導することが可能です。

つまり、Einstein Next Best Actionとはその名のとおり、”さまざまなデータや条件から最適解を選別し、「次の最良手は何か?」をユーザに表示する仕組みの総称”なのです。

設定していく中でポイントになるのは、ある特定の機能を指しているというより、複数の機能を組み合わせて実現させる仕組みであるということです。

なお、冒頭に”Einstein”と命名されていますが、ディープラーニングを用いて勝手にユーザにおすすめしてくれる!などというドラ●もん的機能では残念ながらありません。

Einstein予測ビルダーやEinstein Discoveryのデータを判断ロジックの中に使用することができる、という意味で命名されています。

※今回は、Einstein予測ビルダーやEinstein Discoveryとのコラボ方法については触れません。

設定手順

先ほど、複数の機能の組み合わせと説明しましたが、Einstein Next Best Actionは大きく分けて3つの機能を設定していくことで成り立っています。

事前準備として、呼び出すフローの作成については割愛します。

①おすすめオブジェクト

おすすめオブジェクトのレコード詳細ページ

標準オブジェクトとして用意されています。

役割としてはコンポーネントに表示する「おすすめ」の内容を保持しています。
 
まずはこのオブジェクトにおすすめレコードを作成することから始めます。

「アクション」項目に、有効化されているフローが選択値として表示されるので、この項目で呼び出すフローの指定をします。

また、フローを呼び出すきっかけとなるボタンの表示ラベルも自由に設定可能です。

もちろん、標準オブジェクトなのでカスタム項目を新規作成することも可能です。

②Strategy Builder

Strategy Builder

LightningフローとUIが非常に似ていますが、まったくの別の機能になっています。

「どういった条件で、どのおすすめを表示させるか」のルールを定義する機能です。

複雑な条件でもそれぞれのノードを組み合わせることで、どのおすすめレコードを表示させるか、という戦略を設定していきます。
(Strategy Builderで定義していくルールのことを「戦略」と呼ぶそうです。またStrategy Builder の各要素は「ノード」と呼ばれます)

見方としては、「左から右」です。

左に配置したおすすめが右に流れるにつれ、ノードによって絞り込まれ、最後の1つとなったおすすめが画面に表示されます。

各要素については以下のリンクをご参照ください。

③コンポーネント

コンポーネント

Lightningアプリケーションビルダーで「Einstein Next Best Action」のコンポーネントを配置します。

これで、Strategy Builderで絞り込んだおすすめのレコード内容をユーザに表示することが可能です。

おわりに

今回は、Einstein Next Best Actionの基本的な設定手順についてご紹介いたしました。

例として取引先の画面にコンポーネントを配置しましたが、標準オブジェクト以外にも、「コミュニティ等に配置して、ログインユーザの情報をみて、そのユーザに適切な商品のおすすめを画面に出す」なんて使い方もできます。

ぜひ、活用してみてください!
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