Dreamforce2023 Day1：Record-TriggeredFlow VS Apex Triggers.Do We Need Both?

はじめに

皆様、こんにちは。

9/12より開催されているDreamforce'23は会場を移動するのが大変なくらいたくさんの人が参加しています！
Salesforceは世界的なクラウドですが、Salesforceに関係する人が世界中にこんなにもいるということを目の当たりにして驚きとともに力強さをあらためて実感しました。
Dreamforce初参加となる私はMoscone WestのTrAIblazer Forestsという会場で技術系のセッションを中心にうけています。

そんなDreamforce'23の1日目に「Record-TriggeredFlow VS Apex Triggers.Do We Need Both?」というセッションがありました。
昨今フローでできることが多くなってきており、フローを使うべきかApexを使うべきか悩むことが多くなってきたため本セッションに参加しました。今回はレコードトリガーフローとApexトリガーに焦点を当てたこちらのセッションの様子と内容をお伝えしようと思います。

Record-TriggeredFlow VS Apex Triggers.Do We Need Both?

冒頭、フローが好きかApexトリガが好きかで挙手形式のアンケートがとられました。
私はApexトリガー派で手を挙げたのですが、会場ではフロー派が多かったです。

次にそれぞれの機能の概要とどうして好まれるのかが紹介されました。

機能	機能概要	どうして好まれるか？
レコードトリガーフロー	フローはSalesforce に保存されたフローチャートの構造を持つ自動化設定のことレコードトリガーフローはレコードが作成、更新、削除された際に自動で処理をするフロー	・開発のスキルが必要ない・構造的に可視化されている・より簡単に構築できて、維持できる ...等
Apexトリガー	DMLイベントが発生した際に起動されるApexプログラム	・コード開発はクールに見える・データを容易に操作できる・時にはポイント＆クリックをして実装するより容易な場合がある ...等

"Code developing looks... — "Code developing looks Cool :)"と説明されると笑いが起きた

機能の概要となぜ好まれるかという点で、2つの機能が説明されたところで、
「"Thin" VS"Thick"work」という観点でフローとApexのどちらが適しているかということが説明されました。

・Thick Work（高性能のバッチ処理、洗練された実装ロジックなど）:Apexがより適している
・Thin Work（同じレコードの項目の更新、Chatter投稿などもともと実装されているアクションなど）:フローがより適している

フローとApexがそれぞれ何に適しているかの説明の後、２つの機能比較のまとめとしてそれぞれの長所と短所が説明されました。

レコードトリガーフロー	Apexトリガー
・開発スキルが必要ない・より早く、より簡単に構築できる・CPU時間がApexトリガーよりかかる・大量のデータの扱いは課題がある・すべてのオブジェクトで利用できない ...等	・開発スキルが必要・より長い開発とユニットテストが必要となる・CPU時間がフローよりかからない・大量データの扱いはフローより簡単・Set & Mapを利用できる ...等

また「Low Code vs Pro Code」という観点で、フローとApexトリガーでの実装可否や実装が推奨されるかという点が説明されました。
プロコード（＝Apexトリガー）ではすべてのことができるのに対してローコード（＝フロー）については開発が少なくなるほど、実装が推奨されないもしくは実装できないという説明が表形式でまとめられていました。

最後に結論が説明されました。
・レコードトリガーフローは自動化の強力な宣言型のツールだが考慮すべき制限がある。
・Apexトリガーはフローより多様的でよりヘビーなユースケースを扱うことができる。
・導入コスト、メンテナンスの労力、将来のメンテナンスの必要性などの要素に基づいて適した方法を選択してほしい。

どちらの機能にも長所と短所、得意なことと不得意なことがあるので、それぞれの機能の特徴や制約をよく理解したうえで、ケースバイケースで実装機能を選ぶべきというのが結論でした。
各機能を対比しながら進んだため、大変わかりやすく２つの機能についてあらためて整理することができたセッションでした。

おわりに

以上、Dreamforce'23の1日目のセッション、「Record-TriggeredFlow VS Apex Triggers.Do We Need Both?」についてご紹介でした。

今回のDreamforceのテーマであるAIに関連した機能のセッションはもちろん、新機能の紹介や既存機能の事例紹介など多種多様なセッションが開催されるので引き続き参加していきたいと思います。