2017.11.10

Dreamforce2017 day3:Financial Services with Salesforce '17

金融系のお客様のSFDCプロジェクト支援をメインに担当させていただいており、今回のDreamforceでも"Financial Services"をキーワードにいくつかのセッションやブースを回っています。
Financial Services Keynote (@Moscone North 11/8 11:30-) での話を中心にSalesforceプラットフォームを利用した金融業界での動向についてレポートします。
その他のKeynoteと共通して、第4産業革命とその中心としてのAI(Einstein)およびCustomerSuccess(Customer360)の流れを踏襲した上で、業種特化のソリューションおよびメッセージが多く含まれたKeynoteでした。

Build Loyalty by Unlocking Your Firm's Full Power

Keynoteのサブタイトルです。既存での壁を打ち破って企業の持てる力を最大限活用して顧客との関係性を構築しようという強いメッセージがが込められたタイトルですね。
現在、顧客が普段BtoCで得ている顧客体験と金融機関から受けているそれとのGapを感じており、いくつかのオプションを比べながら自分に適したサービスを選択している現実があります。これはLoyaltyの危機と言えます(例として、銀行の通常利用の口座と住宅ローン口座が異なることが挙げられていました)。
また、金融機関も商品主義から顧客主義への変換を模索していますが、法令順守やセキュリティ、レガシーシステムを考慮した上で、『どのように競争優位を保つか』=『Unlockして会社の力を最大限に活かすか』という課題を抱えています。

Financial Services Cloud

これらの課題に対してSalesforceからの答えのひとつがFinancial Services Cloudです。
業種特化のソリューションとしては、Financial Service Cloudの発展のきっかけとなったWealth Managementの昨年のリリースを皮切りに、先日はRetailBankingが提供されました。Dreamforce CampGroundではその2つに加えてInsuaranceも紹介されていました。

Financial Service Cloudは我々のチームでも事前にWealth Managementを中心にどういったものかの確認を進めていたのですが、金融系のお客様導入時に検討する契約者をどのように管理するかを考慮した、契約者を中心とした親族を含めたHouseHoldを管理できるデータモデルと業種に特化したUI(LightningComponent)が提供されていることが大きな特徴と考えています。
Financial Service Cloudを利用するとSFDCの標準オブジェクトに追加して"FinServ"のNameSpaceで提供されるオブジェクトと項目が追加されます。これらは、Financial Service Cloudの3つの業種(Wealth Management/RetailBanking/Insuarance)で共通だそうです。その上で各業種でのViewで必要な情報へアクセスするUIがLightningComponentで提供されています。

FSC HouseHold

また、共通して提供されるのはEinsteinを利用したInsightです。
例えばPrivateWealthでは、Social経由で入手した顧客のライフイベント(結婚や出産など)をトリガーとして、顧客に新たな資産形成の提案をタイムリーにアドバイザーにSuggestionするなどがデモでも紹介されましたし、CampGroundではInsuaranceにおいて、地域の洪水による被害の可能性を可視化し新たな保険を顧客に提示するといったシナリオを見せていただきました。

FSC Insuarance

業界に特化したデータモデルとUI、そしてそれらのベースにはマーケティングから分析、また多くのAPIを備えたSalesforce Platformが支えるというアーキテクチャは多くの可能性を感じられると思いませんか?

さいごに

Financial Servicesに特化したSessionは6年前のDreamforceでは数百人のお客様だったのが、今回は数千人のユーザ/パートナーが参加されているとのことです。
顧客だけでなくパートナー企業も含めたソリューション構築は、大きなトレンドとなっています。今回のイベントではCityによる取組の紹介や、デモでのモバイルアプリを利用して、個人認証⇒パートナーソリューションとEinsteinを利用した与信⇒顧客に最適なアドバイザーのアサインまでをワンストップで実現できるデモは大変衝撃的でした。
一方でセキュリティやレガシーシステムとの連携、法令遵守といった課題は日本国内問わず共通の関心事として、Keynote以外のセッションでも積極的にQAが行われていました。

これらの懸念事項を丁寧に解決していき、Salesforceプラットフォームを活用したビジネスを展開しているTrailBrazerである企業のその成功事例をみると、これからもSalesforceの活用シーンはどんどん広がっていき、顧客として我々の生活と切り離せない金融がより便利に身近なものになっていくことを大いに期待できたイベントでした。


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