Tableau Nextとは?データ分析から具体的なアクションまでをシームレスに繋げる次世代ソリューションを解説

データ活用の未来を切り拓く新ソリューション「Tableau Next」について、2025年11月7日に開催したテラスカイ主催イベント「TerraSkyDay 2025」内で実施したセッション「【デモで解説】Tableau Next × Data Cloud × Agentforce三位一体プラットフォームがもたらす革新」の内容を基に徹底解説します。

テラスカイ データマネジメント部 のH.Oです。
今回は、データ活用の未来を切り拓く新ソリューション 「Tableau Next」 についてお伝えします。

はじめに

「せっかくBIツールでダッシュボードを作ったのに、情報が多すぎてどこを見ればいいか分からない」
「結局、データから次の一手が見えてこない……」

このような悩みを抱えている方は少なくないのではないでしょうか。
従来のBIツールはデータを可視化する上で非常に強力ですが、そこから具体的なインサイトを得て、次のアクションに繋げるまでには、依然として高いスキルと多くの時間を要するのが現実でした。
本記事では、2025年11月7日に開催された「TerraSkyDay 2025」のセッション内容に基づき、これらの課題を打破する次世代ソリューション「Tableau Next」の全貌を解説します。

Tableau Nextは、単なる可視化の“道具”ではなく、AIが分析を手伝ってくれる“相棒”として機能します。
Salesforceのデータ基盤である「Data Cloud」とAIアシスタント「Agentforce」をネイティブに統合した「三位一体」のプラットフォームが、いかにしてデータ分析から具体的な業務アクションまでをシームレスに繋ぐのか。
その革新的な仕組みを紐解いていきます。

BIツールでよくある課題:「見るだけ」で終わっていませんか?

多くの企業で活用されているBIツールですが、作成されたダッシュボードが十分に活用されず、「見るだけ」で終わってしまうケースが散見されます。
従来のBIダッシュボードが直面しがちな課題は、主に以下の3つです。

* 情報が多すぎて判断しづらい:
さまざまな指標やグラフが詰め込まれたダッシュボードは、一見すると網羅的ですが、かえって「どこに注目すべきか」が分からなくなり、意思決定の妨げになることがあります。

* 知りたい情報にたどり着けない:
ダッシュボードを見て疑問が湧き、さらに深掘り(ドリルダウン)しようとしても、あらかじめ想定された切り口のデータしか用意されておらず、本当に知りたい情報にたどり着けないことがあります。

* インサイトが得られていない:
グラフや数字は並んでいるものの、それらが何を意味し、結局「何が問題で、次に何をすべきか」という具体的なインサイト(洞察)まで結びつかないケースです。

これらの課題を解決し、データ分析を次のステージへと導く鍵が、AIが分析を手伝ってくれる「Tableau Next」にあります。

Tableau Nextとは?従来のTableauとの違い

まず、従来の「Tableau」について簡単におさらいしましょう。

Tableauは、企業に蓄積された膨大なデータを集約、可視化、分析し、データに基づいた意思決定をサポートするBIツールです。
直感的な操作で美しいビジュアル分析ができる、非常に強力なツールとして広く知られています。
これに対し、「Tableau Next」は、AIエージェントを活用した分析(エージェンティック分析)を行える、まったく新しいコンセプトの製品です。
その最大の特徴は、Salesforceのデータ基盤である「Data Cloud」を基盤に構築され、AIアシスタントである「Agentforce」とネイティブ連携されている点です。
つまり、Data Cloudで全社のデータを集約し、Tableau Nextでその状況を可視化、そしてAgentforceとの対話を通じて、データに隠された意味を解き明かし、次の行動へと繋げるのです。

従来のTableauとTableau Nextの違いを以下の表にまとめました。

この違いを例えるなら、従来のTableauが「自らグラフを作成しインサイトを得る“道具”」であるのに対し、Tableau Nextは「AIが分析して次の行動まで手伝ってくれる“相棒”」と言えるでしょう。

【デモ解説】AIとの対話で根本原因を特定し、アクションを実行するまで

* デモのシナリオ設定

Tableau Nextがどのように課題を解決するのか、デモシナリオを用いてご説明します。
※シナリオ中の企業名、商品名等は架空のものとなります

* Step1: ダッシュボードで問題を把握する

コールセンター責任者が見ている「KPIモニタリングダッシュボード」から分析を始めます。
まず、左下の「製品別平均CSATスコア」のグラフに注目します。
すると、課題となっているWeb会議システム「Remota」のスコアが、他の製品に比べて明らかに低いことが分かります。これが問題の入り口です。
しかし、その右隣にある「エージェント別平均CSATスコア」を見ても、エージェント(オペレーター)ごとのスコアに大きな差は見られません。
このダッシュボードを眺めているだけでは、誰が、あるいは何が根本的な原因なのかを特定するのは困難な状況です。

* Step2: Agentforceで仮説を検証する

ここで、Tableau Nextの真価が発揮されます。ダッシュボードからAgentforceを起動し、自然言語で対話しながら深掘り分析を進めます。
マネージャーは、「初回で問い合わせを解決できなかったことが、満足度低下に繋がっているのではないか?」という仮説を立て、AIに次のように質問します。

『Web会議システム"Remota"で、初回解決ができた場合とできなかった場合の顧客満足度を比較して』

するとAIは即座にデータを分析し、グラフと共に回答を提示しました。
初回解決できた場合のCSATスコアが3.83であるのに対し、できなかった場合は2.00へと大きく低下しています。
この結果から、「初回解決率が顧客満足度に直結している」という仮説がデータによって裏付けられました。

* Step3: Agentforceとの対話で根本原因を突き止める

仮説が正しかったことが分かったので、さらに原因を深掘りします。マネージャーは続けてAgentforceに質問します。

『Web会議システム"Remota"の問い合わせで初回解決がFALSEだったエージェントを、件数が多い順に教えて』

この質問に対し、Agentforceは驚くべき事実を明らかにしました。ダッシュボードの平均値では見えてこなかった「隠れた問題」が浮かび上がってきたのです。
分析結果によると、「佐藤 花子」さん(149件)と「鈴木 一郎」さん(113件)の2名が、Remotaに関する初回解決失敗件数が他のエージェントに比べて突出して多いことが判明しました。
これが、Remotaの顧客満足度が低下していた根本原因だったのです。

* Step4: 分析からシームレスにアクションへ

根本原因が特定できれば、あとは行動あるのみです。
マネージャーは、分析の流れを止めることなく、そのままAIに指示を出します。

『佐藤 花子さんのFCR向上に向けてTodoを作成してください』

この指示を受け、AgentforceはSalesforce上にToDoタスクを自動で作成しました。
件名は「【要対応】FCR向上コーチング」、説明には「佐藤 花子さんを対象に、技術サポートに関する追加トレーニングと応対の見直しを実施してください」といった、先ほどの分析結果に基づいた具体的な指示内容が記載されています。
これにより、ダッシュボードでの問題発見から、Agentforceとの対話による原因特定、そしてSalesforce上での具体的な業務改善アクションまでが、数分のうちにシームレスに完結しました。

* Tableau Nextが実現したこと

* デモの裏側

さて、ここまでのデモを見て、「Agentforceはどうやってあんなに自然な会話を理解しているんだろう?」「『Todoを作成して』という指示で、なぜ適切なタスクが作られるの?」と、その仕組みに興味を持った方もいるのではないでしょうか。
さすが、目の付け所が良いですね。
その秘密は、Data Cloudの「セマンティックモデル」と、Salesforceの自動化機能である「フロー」にあります。

* 言葉の意味を理解する「セマンティックモデル」
Agentforceが『満足度』や『初回解決』といったビジネス用語を理解できたのは、Data Cloudにあらかじめ「セマンティックモデル」が定義されていたからです。
ここには、「CSATスコアという指標は、ビジネス上では“顧客満足度”を意味します」といったように、データと言葉の意味が紐づけられています。
Agentforceはこの定義を理解しているため、私たちが普段使う言葉で質問しても、どのデータを分析すべきかを正確に判断できるのです。

* アクションを実行する「Salesforceフロー」
『Todoを作成して』という指示でタスクが作成されたのは、Salesforce側にあらかじめ「特定のエージェント名を渡すと、その上司宛にコーチングのToDoタスクを作成する」という業務プロセスがフローとして組まれているからです。
Agentforceは、このフローを呼び出すように設定されており、デモではAIが特定した「佐藤 花子」さんという名前をパラメータとして渡し、Flowを起動させました。
ちなみに、このアクションはAIとの対話だけでなく、ダッシュボード上のボタンからも実行可能です。
例えば、ダッシュボードで佐藤さんのグラフを選択し、「コーチングプランを作成」ボタンを押すだけでも、同じFlowを起動できます。
分析者のスタイルに合わせて、アクションへの導線を柔軟に設計できるのも、このプラットフォームの強力な点です。
上記を実現するためにTableau Nextのプラットフォームは、Data Cloud・Agentforceと密接に結びついた構造になっています。
図にすると次のようになります。

まとめ:データが「見るだけ」から「行動を促す」ものへ

今回のデモンストレーションでTableau Nextが実現したことを、3つのポイントで振り返ります。

* 「隠れた原因」の特定:
最初のダッシュボードだけでは見抜けなかった「特定製品における特定エージェントの問題」という根本原因を、Agentforceとのわずか2回の対話で発見しました。

* 分析フローの「自動化」:
マネージャー自身が専門家でなくても、自然言語でAIと対話するだけで、データの絞り込みからグラフ作成、原因特定までを数分で完了させました。

* 「アクション」の実行:
分析結果をその場でSalesforceのToDoタスクに直結させ、見るだけで終わらせず、具体的な業務改善アクションに繋げました。

Tableau Nextとは、「Data Cloudでデータを集め、Tableau Nextで可視化し、Agentforceで深掘りしアクションを起こす」という一連のサイクルを実現する「三位一体」のプラットフォームです。

最後に

今回のデモは、Tableau Nextが単なる高機能な“道具”ではなく、まさに分析の“相棒”として機能する様子を示してくれたのではないでしょうか。
このプラットフォームを活用することで、データは単に「見るだけ」のものから、ビジネスを動かすための「次の行動を促す」強力な武器へと変わります。

テラスカイでは、Tableau Nextを含むSalesforce製品ファミリーを活用し、お客様のデータ活用戦略をトータルでサポートしています。「自社に適しているか知りたい」「導入の進め方が分からない」など、Tableauに関するお悩みがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。