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1. はじめに
SalesforceのWinter ’25リリースでは、多くの新機能が追加されました。その中でも特に注目すべきなのが「条件付き項目の書式設定」です。本記事では、この機能の概要、設定方法、メタデータについて解説します。
2. 条件付き項目の書式設定とは?
条件付き項目の書式設定とは、特定の条件を満たした場合に、項目にアイコンを表示し、そのアイコンの種類および色を動的に変更できる機能です。従来、Lightning App Builderなどでコンポーネント単位の制御は可能でしたが、個々の項目に対する柔軟な書式設定は標準機能としては提供されていませんでした。
そのため、たとえば「重要な商談は金額が高額なため目立たせたい」といった要件があっても、標準では対応できず、ApexやLWCなどによる個別開発が必要でした。開発には工数や保守の負荷も伴い、要件が多い場合は実現を見送ることもありました。
この新機能により、視認性が向上し、ユーザーが重要な情報を素早く把握できるようになります。
そのため、たとえば「重要な商談は金額が高額なため目立たせたい」といった要件があっても、標準では対応できず、ApexやLWCなどによる個別開発が必要でした。開発には工数や保守の負荷も伴い、要件が多い場合は実現を見送ることもありました。
この新機能により、視認性が向上し、ユーザーが重要な情報を素早く把握できるようになります。
3. 設定方法
条件付き項目の書式設定を有効にするには、以下の手順を実行します。
1.オブジェクトマネージャーで対象のオブジェクトを開く
2.ページレイアウトまたはLightningレコードページを編集
1.オブジェクトマネージャーで対象のオブジェクトを開く
2.ページレイアウトまたはLightningレコードページを編集
3.書式設定を適用したい項目を選択し、「条件付き書式」を設定
4.アイコン、アイコン色、条件を定義(例:合計金額が1万円以上の場合、赤い警告の三角形アイコンを表示)
ルール名を設定する
適当なアイコンを選択する
アイコンの色、書式適用条件を設定する
ルールを保存する
条件付き書式が適用されている項目は、オレンジ のアイコンで示されます。
5.変更を保存し、動作を確認
作成した項目の条件付き書式ルールは、オブジェクトから確認できます
合計金額が1万円以上の場合、アイコンが表示されることを確認
合計金額が1万円未満の場合、アイコンが表示されないことを確認
4.メタデータ紹介
条件付き項目の書式設定は、UiFormatSpecificationSetというメタデータ型を使用して定義されます。このメタデータを活用することで、特定の条件に応じた動的なフォーマットを適用できます。
以下は例の合計金額が1万円以上の場合、赤い警告の三角形アイコンを表示する条件付き項目の書式設定のメタデータです。
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?> <UiFormatSpecificationSet xmlns="http://soap.sforce.com/2006/04/metadata"> <field>Expense__c.TotalFee__c</field> <formatType>ICON</formatType> <masterLabel>合計金額の項目書式</masterLabel> <sobjectType>Expense__c</sobjectType> <uiFormatSpecifications> <formatProperties>{"icon":"warning_triangle","iconColor":"red"}</formatProperties> <formatType>ICON</formatType> <order>1</order> <visibilityRule> <criteria> <leftValue>{!Record.TotalFee__c}</leftValue> <operator>GE</operator> <rightValue>10000</rightValue> </criteria> </visibilityRule> </uiFormatSpecifications> </UiFormatSpecificationSet>
UiFormatSpecificationSet.uiFormatSpecificationSet-meta.xml
5. 注意点と制限事項
Salesforce公式より、下記考慮事項、制限事項が定められています。
考慮事項
・条件付き書式は、動的フォームをサポートするオブジェクトの項目にのみ適用できます。
・条件付き書式ルールは、レコードページを参照するユーザーの権限に応じて、実行時に異なる方法で評価できます。
・条件付き書式ルールは、切り上げられた表示値ではなく、数値の未加工値に基づいて評価されます。
・条件付き項目の書式設定ルールでは、数値項目の空白 (null) 値はゼロ値として処理されます。
・変更セットでリリースする時、ightning ページとページのすべての条件付き書式ルールセットを変更セットに追加する必要があります。
制限事項
・Lightning ページには、最大 15 個の一意のルールセットを含めることができます。
・ルールセットには、最大 10 個のルールを設定できます。
・ルールには最大 10 個の条件を含めることができます。条件を指定しない場合、ルールは常に適用されます。
・条件付き書式をクロスオブジェクト項目に追加したり、ルールの作成時にクロスオブジェクト項目を選択したりすることはできません。
・条件付き書式は、動的フォームをサポートするオブジェクトの項目にのみ適用できます。
・条件付き書式ルールは、レコードページを参照するユーザーの権限に応じて、実行時に異なる方法で評価できます。
・条件付き書式ルールは、切り上げられた表示値ではなく、数値の未加工値に基づいて評価されます。
・条件付き項目の書式設定ルールでは、数値項目の空白 (null) 値はゼロ値として処理されます。
・変更セットでリリースする時、ightning ページとページのすべての条件付き書式ルールセットを変更セットに追加する必要があります。
制限事項
・Lightning ページには、最大 15 個の一意のルールセットを含めることができます。
・ルールセットには、最大 10 個のルールを設定できます。
・ルールには最大 10 個の条件を含めることができます。条件を指定しない場合、ルールは常に適用されます。
・条件付き書式をクロスオブジェクト項目に追加したり、ルールの作成時にクロスオブジェクト項目を選択したりすることはできません。
サポートされる項目、データ型、演算子
この機能は一部の項目、データ型、演算子はサポートされません。
次のデータ型がサポートされます。
・文字列型の項目:自動採番、通貨、メール、数値、パーセント、電話番号、テキスト、テキストエリア、URL
・ID
・チェックボックス (ブール型)
・地理位置情報
・選択リスト
・上記のいずれかの型に解決される数式項目
・上記のいずれかの型に解決される積み上げ集計項目
次の演算子がサポートされます。
・CONTAINS
・= および == (等号)
・<> または != (不等号)
・> (より大きい)
・>= (以上)
・< (未満)
・<= (以下)
この機能は一部の項目、データ型、演算子はサポートされません。
次のデータ型がサポートされます。
・文字列型の項目:自動採番、通貨、メール、数値、パーセント、電話番号、テキスト、テキストエリア、URL
・ID
・チェックボックス (ブール型)
・地理位置情報
・選択リスト
・上記のいずれかの型に解決される数式項目
・上記のいずれかの型に解決される積み上げ集計項目
次の演算子がサポートされます。
・CONTAINS
・= および == (等号)
・<> または != (不等号)
・> (より大きい)
・>= (以上)
・< (未満)
・<= (以下)
6.まとめ
Winter ’25の「条件付き項目の書式設定」機能は、Salesforceユーザーにとって非常に便利な追加機能です。特定の条件に応じてアイコンの色や種類を動的に変更できるため、情報の重要度を視覚的に強調できます。これにより視認性が向上し、業務の効率化やデータの正確な把握が可能になります。
今後のリリースでは、より多くのオブジェクトへの対応、モバイル表示の改善、条件設定の柔軟性向上など、さらなる機能拡張が期待されます。これにより、開発工数をさらに削減しながら、より柔軟で直感的なユーザー体験の実現が可能になることを期待しています。
ぜひ、この機能を活用して日々の業務に役立ててみてください!
今後のリリースでは、より多くのオブジェクトへの対応、モバイル表示の改善、条件設定の柔軟性向上など、さらなる機能拡張が期待されます。これにより、開発工数をさらに削減しながら、より柔軟で直感的なユーザー体験の実現が可能になることを期待しています。
ぜひ、この機能を活用して日々の業務に役立ててみてください!