【Tableau Cloud】管理者インサイト(Admin Insights)を活用して利用状況を可視化・最適化する方法

Tableauを導入し社内での利用が進んでくると、サイト管理者やBI推進担当者の方から以下のようなお悩みをよく伺います。 「誰が・どのダッシュボードを・どれくらい使っているのか把握できていない」 「使われていない休眠ライセンスや、古いコンテンツが放置されている」 「部署ごとのTableau定着度を可視化して、データ活用をさらに推進したい」 こうした課題を解決するために非常に有効なのが、Tableau Cloudに標準搭載されている「管理者インサイト (Admin Insights)」です。 本記事では、管理者インサイトの基本機能から、すぐに使える「Admin Insights Starter」ワークブックの活用手順、さらに一歩進んだカスタマイズ手法やガバナンス運用までを詳しく解説します。

TerraSky データマネジメント部 M.Tです。

Tableauを導入し社内での利用が進んでくると、サイト管理者やBI推進担当者の方から以下のようなお悩みをよく伺います。

「誰が・どのダッシュボードを・どれくらい使っているのか把握できていない」
「使われていない休眠ライセンスや、古いコンテンツが放置されている」
「部署ごとのTableau定着度を可視化して、データ活用をさらに推進したい」
こうした課題を解決するために非常に有効なのが、Tableau Cloudに標準搭載されている「管理者インサイト (Admin Insights)」です。

本記事では、管理者インサイトの基本機能から、すぐに使える「Admin Insights Starter」ワークブックの活用手順、さらに一歩進んだカスタマイズ手法やガバナンス運用までを詳しく解説します。

1. Tableau Cloud「管理者インサイト (Admin Insights)」とは?

データ保持期間

管理者インサイトのデータソースには、既定で過去90日数分のデータが含まれます。
(Advanced Managementライセンスを所有している場合は最大365日数分まで保持可能)

主なデータソースと役割

管理者インサイトプロジェクト内には、用途に応じた複数のデータソースがあらかじめ作成されています。

代表的なものは以下の通りです。
・TS Events:サインイン、パブリッシュ、ビューの閲覧・アクセスなどのイベント履歴。
・TS Users:割り当てライセンス、サイトロール、ユーザーごとの所有コンテンツ数や最終ログイン日などのユーザー情報。
・Site Content:プロジェクト、ワークブック、データソース、ビューなどの資産に関する管理情報。
・Groups:グループメンバーシップやユーザーのアクセス権限情報。
・Viz Load Times:ビューの表示・読み込み時間に関するパフォーマンス情報。
・Job Performance:抽出更新やフロー実行など、バックグラウンドジョブの実行履歴。

2. 手軽に始められる「Admin Insights Starter」ワークブックの活用

管理者インサイトは、Tableau Cloud環境の利用状況やパフォーマンスをモニタリングするために、最上位プロジェクトとして標準提供されている機能です。
追加コストなしで用意されており、サイト管理者であればすぐにアクセスして利用できます。

提供されている主な分析ビュー

ゼロからダッシュボードを作成しなくても、標準テンプレートである「Admin Insights Starter」ワークブックを利用することで、すぐに利用状況を可視化できます。

図1:Admin Insights Starter

Admin Insights Starterには、以下のような事前定義ダッシュボードが含まれています。
・ユーザー・ログインのドリルダウン:ユーザーロールごとのアクティビティや、90日以上アクセスしていない休眠ユーザーの特定。

図2:Admin Insights Starter(ユーザー・ログインのドリルダウン)

図3:Admin Insights Starter(ログインアクティビティ)

・トラフィックとコンテンツ(導入状況):アクセス頻度の高い人気ビューやデータソースの分析。

図4:Admin Insights Starter(トラフィックとコンテンツ)

・古いコンテンツ(Stale Content)& 容量管理:長期間閲覧されていないコンテンツや、容量(ディスク使用量)を消費しているアセットの特定。

図5:Admin Insights Starter(古いコンテンツ& 容量管理)

・ダッシュボードの読み込み時間:表示パフォーマンスの低いダッシュボードの特定と最適化の検討。

図6:Admin Insights Starter(ダッシュボードの読み込み時間)

日本語版ワークブックのセットアップ手順

標準のStarterワークブックは英語UIですが、Tableau Exchangeやコミュニティ(有志公開版)等で日本語UI化されたアクセラレータ/ワークブックが提供されています。
1. ワークブックの入手:Tableau Exchangeまたは対象のコミュニティページから日本語版ワークブック(.twbx または .twb)をダウンロードします。

2. Tableau Desktopで開く:ワークブックを開くとサインイン画面が表示されるため、該当するTableau Cloudサイトにサイト管理者としてサインインします。

3. データソースの接続確認:サインイン完了後、自身のサイトのAdmin Insightsデータソース(TS Users、TS Eventsなど)へ自動的に接続が割り当てられ、ビューが可視化されます。

4.サイトへのパブリッシュ:可視化されたワークブックをTableau Cloud上の「管理者インサイト」プロジェクトなどにパブリッシュし、他の管理者と共有・モニタリングを行います。

3. 一歩進んだダッシュボードカスタマイズ(応用編)

標準のAdmin InsightsデータソースをTableau Prepなどで加工・結合することで、組織の状況に合わせた高度な分析が可能になります。
① プロジェクト構造化によるライフサイクル管理
ダッシュボードの開発フェーズに応じたプロジェクトフォルダ(例: R&D(研究開発), UAT(検証), Production(本番))を構築します。Site Contentのプロジェクト階層情報を組み合わせることで、コンテンツがどの開発ステージにあるのかを推移追跡・モニタリングできるようになります。

② 人事(HR)データとの結合による深掘り分析
TS Users や TS Events に対して社内のHRデータ(部署、役職、拠点など)を結合します。 単に「Viewerライセンスのユーザー」という括りではなく、「どの部門のどの役職者が定着しているか」「部署ごとのダッシュボード活用率はどうか」といったエンゲージメントや属性別の利用傾向を明確に把握できます。

③ アクセス権限管理(Groups/Usersデータソース)の分離
「サイトイベント(操作履歴)」と「ユーザー/グループ権限情報」は、データのリレーションシップや集計粒度が異なるため、Tableau Prepで個別のデータソースとして作成して運用するのがベストプラクティスです。

4. まとめ

Tableau Cloudの管理者インサイト(Admin Insights)を活用することで、感覚値ではなくデータに基づいてTableau Cloudの運用状況・定着度を正しく把握できます。

まずは標準提供されている「Admin Insights Starter」を導入し、必要に応じてHRデータの結合やプロジェクト構造の工夫を取り入れながら、組織全体のデータ駆動型カルチャー醸成を目指しましょう。