Dreamforce 2025 Day1 - Agentforce Simplified: 10 Key Ways to Build Like a Pro

Dreamforce 2025のセッション「Agentforce Simplified: 10 Key Ways to Build Like a Pro」を視聴してきたので内容をご紹介します。

はじめに

みなさんこんにちは。

サンフランシスコで開催されている「Dreamforce 2025」に参加してきました!
興味深いセッションや景品がもらえるQuest、様々な製品のブースが立ち並び、とても見ごたえのあるイベントです。

参加した感想として全体的にAgentforce一色といった印象で、Salesforceがかなり力を入れていることが伝わってきました。

今回はその中で「10 Key Ways to Build Like a Pro」のセッションについて聞いてきた内容を記載したいと思います。

Agentforce Simplified: 10 Key Ways to Build Like a Pro

全体の概要としては、Agentforceの作成にあたりつまずきやすいポイントや、スムーズに構築するために何を意識すれば良いのかについて10のヒントに分けて紹介されていました。

以下で10のヒントについて順番にご説明します。

Tip 1

まず「何を解決したいのか」というユースケースを絞り込むことが大切であるとご説明いただきました。
例えば、「新規の見積もりを作成し、PDFに変換して顧客にメールする」のように、具体的で管理しやすいタスクに焦点を当てることで、開発プロセスがスムーズになります。

Tip 2

最初は小さく始め、類似のプロンプトを「ベース」として活用しましょうという内容でした。
既存のプロンプトに、目的に合わせた具体的な情報(例としてAPIのエンドポイントや認証方法など)を追記するだけで、開発時間を大幅に短縮できます。

Tip 3

作業をするにあたり、環境やツールも含め明確で分かりやすい指示が必要という内容でした。
プロンプトがエージェントへの「指示書」なら、ツールはタスクを実行するための「能力」であり、例えどんなに優れた指示を出しても、それを実行する能力や環境がなければ意味がないため、データ分析であればそれに適したライブラリを持つツールの提供も必要となります。

Tip 4

実際にトピックと実行結果を確認することが大切という内容でした。
エージェントが誤ったアクションを実行するのを防ぐために、最終的な答えを出す前に、エージェントが「次に何をしようとしているのか」をユーザーに提示し、実行の許可を求める仕組みを取り入れることで、「本当にこのメールアドレスに送信して良いですか?」といった確認ステップを挟むことができ、システムの安全性と信頼性を高めることができます。

Tip 5

すでにあるアクションを活用しようという内容でした。
エンジニアあるあるですが、すぐ独自の機能を開発しようとしてしまいます。
まずは構築済みのアクションがないかを探し、再発明を避け、既存の資産を最大限に活用することが効率的な開発への近道です。

Tip 6

セキュリティとコンプライアンスを優先する。
これはAIの利用にあたり特に課題になる部分かと思います。

エージェントの構築にあたっても「メールを送って」のような漠然とした指示ではなく、「`send_email`コマンドを使い、宛先はA、件名はB、本文はCで送信せよ」といった、構造化された具体的な指示を与えることで、エージェントはタスクを正確に理解し、期待通りに動作してくれるという説明がありました。
セキュリティに関わる部分は具体的な指示で堅牢な動作をさせることで、第三者にメールを送ったり本文に誤った内容を記載するようなリスクを回避することができます。

Tip 7

エージェントに「ペルソナ(人格)」を与えることで、その振る舞いを効果的にコントロールできるという内容でした。
プロンプトの冒頭で「あなたは親切なSalesforceの専門家です」と役割を定義するだけで、エージェントの応答のトーンやスタイルが劇的に変わります。
目的に応じたペルソナを設定することで、ユーザーとの対話をより豊かにする事が出来るようになります。

Tip 8

標準化して再利用できるものと、特定のニーズに合わせてカスタマイズが必要なものを定義する。
これは前述の通りですが、再利用することでバグを減らすことも可能です。

説明の中ではバグが発生した際の見つけ方にも言及しており、エージェントが期待通りに動かない時、最終的な出力結果だけを見ていては原因は分からないため、
結論に至るまでの「思考の連鎖」を観察することが大切とのお話がありました。
どのツールを、どのような順番で、なぜ呼び出したのか。そのプロセスをログで追うことで、問題の根本原因を特定し、的確な改善策を打つことができます。

Tip 9

エージェント開発は、アプリケーション開発と同じく、厳密なテストが不可欠という内容でした。
特に、AIの挙動は常に一定とは限らないため、さまざまなシナリオを想定したテストプランを立て、繰り返し実行することが重要になります。
徹底的なテストこそが、エージェントの品質と信頼性を保証します。

Tip 10

最後にして最も重要なのが、「小さく始めて、反復を重ねる」というアプローチだという内容でした。
最初から完璧を目指すのではなく、まずは一つのタスクを確実にこなせる小さなエージェントを構築しましょう。
そして、その成功を土台に、少しずつ機能を追加し、改善を繰り返していく反復的なプロセスこそが、大きな目標を達成するための最も確実な道筋だというご説明で締めくくっていました。

その他ご紹介

最後にPartnerBlatherやDemoへのQRコードを共有いただきましたので、そちらもご紹介いたします。

さいごに

Agent構築の10のヒントについてご紹介させていただきましたが、いかがだったでしょうか?
Agentforceはこれからも熱い盛り上がりを見せそうなので、構築の際のヒントになれば幸いです。

最後となりましたが、DreamforceではQuestという景品がもらえるイベントを実施しています。
Questに参加しているつもりがなくても、セッションを聞いているうちにいつの間にかクリアしていたり、抽選に参加していると気付かないうちにひっそりと当選マークが出ていたりするので、参加した際は小まめな確認をオススメします!